前回、乗り物本来の価値である「望んだときいつでも、目的地に早く到達する」という観点において、都市部では自転車は最強の乗り物であると書いた。
では、地球環境の観点ではどうか。
容易に想像がつくとおり、自転車はやはり最強だ。
まず、エネルギー効率。
乗り物別の、自重1kgを1km移動するのに必要なエネルギー量は以下のとおり。
自転車+人 | 0.15kcal |
旅客機 | 0.6kcal |
人 | 0.75kcal |
自家用車 | 0.82kcal |
ご覧のとおり、自転車の数値は圧倒的に高い。
自動車と比べると5倍以上の効率の良さだ。
電車はデータがとれなかったが、自転車と同程度と推定される。
もっとも、いくらエネルギー効率が悪くても、環境に負荷を与えないエネルギーを使うなら何の問題もない。
では次に環境負荷、ここでは二酸化炭素排出量を見てみる。
以下は、人間一人を1km運ぶのに排出するCO2排出量の比較。
自転車 | 0g |
電車 | 19g |
バス | 53g |
バイク | 93g |
旅客機 | 111g |
自家用車 | 175g |
人力を動力源とする自転車は、当然ながらCO2を排出しない。
電車と自転車はエネルギー効率では同等だが、CO2抑制の点では自転車に軍配が上がるわけだ。
それでも電車は自動車の10分の1近い数値で、ここでも自動車の非効率さが一目瞭然である。
メーカー各社はハイブリッド車に注力すると打ち出しているが、CO2排出量はガソリン車より2-3割小さくなるだけだ。言い方は悪いが焼け石に水だろう。
もうこれ以上、自動車中心の社会を続けるのは不合理だ。というか無理だ。
石油だっていつか枯渇する。
自動車製造業は日本の国家産業というべき存在だからなかなか表に出てこないが、コンパクトシティ化(都市をコンパクトにして職住近接にし、都心への自動車の乗り入れを制限するかわりに自転車と電車・バスのインフラを強化する政策→別の機会に詳しく書きます)の流れは必然であり必須だと思う。
・・・環境政策と都市政策に話が拡散しそうになったが、それはまたの機会に書くとして、やはり自転車はエコの観点でも最強の乗り物なのだ。
さて、読み返してみるとまたも自転車fanaticぽい文章展開になっているが、僕だって自転車の弱点はわかっていて、自動車もなくせないことは理解しています。
次回は自転車の弱みを検証しつつ、なぜイルカは小径折りたたみ車を作るのか、の巻。
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写真はドイツのネッカー川沿いにあった菜の花畑。ヨーロッパは自転車インフラが充実している。
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