2010年2月22日月曜日

iruka仮サイト


ブログに書くのを忘れてもう2週間くらいたってしまいましたが、株式会社イルカの仮ウェブサイトを公開しました。
なんせ製品ができてないので、能書きだけのサイトですがw

とりあえずこの仮サイト上で開発状況をアップデートしてくとして、並行して発売時の本サイトの検討も始めました。

正式サイトでは、利用シーンをいかに魅力的にビジュアルで見せられるか、が重要だと思ってます。
自転車メーカーというと製品画像だけのサイトが多いけど、株式会社イルカは「いつも自転車と共に行動するライフスタイル」を提案する会社ですので。
加えて、irukaは世界で売りたいので、世界のいろんな場所でirukaが使われてる姿を見せたい。

というわけで、手伝ってもらってるチームのみなさんと「どの国の、どんな場所で、どんな利用シーンを撮るか」から検討し始めてます。
まだ予算の話まで行ってないので、気楽で楽しいw

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写真は金沢のもみじ。


2010年2月17日水曜日

ピスト乗りに告ぐ


街でピスト自転車に乗る人が増えてます。
イルカオフィスのある青山近辺は特に多い。

ピストとは(Fixed、トラックレーサーとも呼ばれます)競輪などトラック競技で使う、固定ギアの自転車のこと。
普通の自転車は後輪の車軸にフリーホイールという機構が内蔵されていて、ペダルを止めても車輪は惰性で回りますが、ピストはペダルを止めないと車輪が止まらない、逆に言えば車輪が回っている間はペダルも回り続けます。
その機構ゆえ、変速はつけられません。
またブレーキもなく、ペダルを逆方向に踏み込むことで減速・停止を行います。
トラック競技ではブレーキで止まると接触事故につながりやすいため、「わざわざ止まりにくく」しているのです。

「平坦なトラックで、尋常ではない脚力の持ち主が乗る」前提で作られた自転車なので、「街中で、普通の脚力の持ち主が乗る」には当然ながら適していません。
が、シンプルでかっこいいことなどから、ニューヨークのメッセンジャーの間で火がついて、日本でも2-3年前から流行しています。

確かにかっこいいんだけど、東京ほどピストに適してない街はないんですよ。
ニューヨークは真平らだけど、東京は坂が多いから。

登り坂がきついのは乗り手が頑張ればいいけど、深刻なのはスピードが出る下り坂。
ブレーキがついてればまだいいけど(そもそも日本ではブレーキのない自転車で公道を走るのは違法。ぱっと見7-8割のピスト乗りはブレーキをつけて乗ってる)、いきがってノーブレーキピストに乗ってるのがかなりの数いるわけですよ。

とにかくノーブレーキピストというのはいったんスピード出しちゃうと止まるのが大変。てか止まれない。
だからノーブレピスト乗りには「ファッション君」と「珍走団君」の二種類がいます。

前者のファッション君は、もうハナからスピード出さない。んでウラ原の遊歩道とかを2-3台横並びでゆーっくり流してる。
ピスト本来の用途と真逆の使い方をして、ただカッコだけつけてる。陸サーファーと同じ。ダサい。ママチャリ乗れっつの。

後者の珍走団君はダサいというより、とにかく厄介。
張り切ってスピード出して、止まれないから信号無視。
時には交差点を渡り切るために、右車線を逆走して突っ込んでくる死ぬほど迷惑な奴もいる。
表参道とか明治通りで逆走ピストを怒鳴りつけたのは2-3回じゃききません。

というわけでピスト乗りに告ぐ。
全員ブレーキをつけよ。

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写真は12月に行った金沢、近江町市場にて。


2010年2月9日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く) その2


東京ほど坂の多い大都市は世界的に珍しい/街によって自転車のトレンドも違う、という話の続き。

世界の二大自転車都市といったらコペンハーゲンとアムステルダムでしょう。
僕はアムステルダムしか行ったことないけど、こんな自転車を結構見かけた。



デンマーク発でもこんな自転車がある。



両都市とも東京とは真逆で完璧に真平ら、かつ街中に自転車レーンが完璧に網羅されている。
自転車が車と道を分け合う必要がないので、車長・車幅を気にせずいろんな変種が生まれるわけですね。
東京では走りづらいどころか、そもそも車幅オーバーで法に触れてしまいます。

ニューヨーク発の自転車といえばピスト
かの街も真平らだけど自転車レーンはない。
真平ら→ギアなしブレーキなしでも乗れる、自転車レーンない&世界の資本主義の中心地でありながら同時にカウンターカルチャーの中心でもある→ギアなしブレーキなしでリムジンやら車の間を走り抜けるのはイケてるぜ、というわけでピストが流行ったわけですね。

irukaのライバルになる折りたたみ車ブロンプトンはロンドン生まれ。
ロンドンは東京に比べると平ら。だからでしょう、ブロンプトンのメインモデルは3段変速。

毎日自転車に乗ってる僕でも、東京で3段変速のブロンプトンはちょっときつい。
いやホント、坂多いですから。
というわけで、irukaは内装8段変速で進めてます。

ただまあ、登り坂の最高のソリューションは電動アシストなんだよね。
まずはアシストなしでデビューするけど、アシストあり版にもチャレンジしたいと思っています。
本格自転車乗りの人に言わせれば邪道だろうけど、irukaは非愛好家のための自転車ですので。

そう、で、昨今東京でピスト乗りが爆発的に増えていますが、ピスト乗りに言いたいことがある。
それはまた今度。

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写真はドバイの市場。スイカの山。


2010年2月2日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く)


少し前だけど、高城剛氏(沢尻エリカさんのご主人として有名なハイパーメディアクリエイター)の旅行に関する著書(サバイバル時代の海外旅行術70円で飛行機に乗る方法)を読んで、ファンになってしまいました。

「日本のガイドブックは情報が致命的に少ない/広告が多いく公平性に欠ける/行ったことのない人間が匿名で書いている→外国のガイドブックを使うべし」とあったのを読んで以来、ケヤキ坂のTSUTAYAとか洋書がある書店に入るとLonely Planetを立ち読みしたりしている。

英語だから読むのは苦労するけど、確かに質も量も日本のとは彼我の差がありますな・・・。
広告もゼロ(記者はホテルや店からリベートを受け取ったらクビになるとか)で、何と言うか、作り手の矜持みたいなものを感じる。

逆に日本はどう書かれてるのかとLonely Planetの東京ガイドを読んでみたら、これが面白い。
例えば「食事」のページを見ると、店の情報以外にも食事マナーなんかもかなり細かく載っていて、「箸をごはんにぶっ刺すな」とか「箸から箸に食べ物を渡すな」とか「乾杯でチンチンて言ったら笑われるぞ。なぜなら(以下略)」なんて載ってたりする。

で、中にbicyclingというページもあり、「東京で自転車に乗るのは快適で良い経験になるよ。おすすめ」的なことが書いてある。
それはもちろん同意なんだけど、これはちょっと違うだろーと思った一文があった。

Tokyo is pretty flat

思うに東京クラスの大都市で、これほど起伏の激しい街はなかなかないんじゃないか。
ニューヨークなんかドがつくフラットだし、ロンドンも平と言ってよいと思う。シンガポールや上海も然り。バルセロナやパリなんかは街の外れ近くに「◯◯の丘」みたいな高台エリアがあるけど、街中至るところ坂だらけ、という国際的大都市は東京以外ではローマくらいじゃないか。あと番外でリスボンと。

車や電車だと意識することはないけど、自転車で移動すると街の表面感覚というか、起伏の有無が嫌でもわかる。
だからでしょう、街によって流行る自転車/生まれる自転車が違うのがまた面白い。
irukaの走行性能の話と合わせて、次回に続けてみたいと思います。

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写真は日の出直前のアラビア砂漠。ドバイ。