2010年3月12日金曜日

スモールアップデート


試作第二弾(「試作初号機」とも呼んでたけど、ややこしいので「試作第二弾」に名称統一)の図面アップデートもほぼ完了に近づき、月末に上海の工場に行って製作にとりかかります。
第二弾ではまだ金型は起こさず、アルミのパイプと削り出しだけで意匠面は簡略化して作る。例えばiruka最大の特徴であるトップチューブは本番ではハイドロフォーミングを使ってイルカを連想させる曲線的なフォルムにしたいけど、今回はパイプを曲げるだけ、みたいな。

なんだけど、その簡略化した図面でも、irukaちょーかっこいい。
見とれてしまいます。
親バカならぬ創業者バカですなw

あと、古巣オプトの仲良しヤマグチガク氏らとウェブ(今上がってる仮サイトじゃなく販売開始時の公式版)の検討を始めてるんだけど、今週打ち合わせに行ったら見事ジャージがかぶったw


テツトモか。

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写真は金沢の茶屋街にて。


2010年2月22日月曜日

iruka仮サイト


ブログに書くのを忘れてもう2週間くらいたってしまいましたが、株式会社イルカの仮ウェブサイトを公開しました。
なんせ製品ができてないので、能書きだけのサイトですがw

とりあえずこの仮サイト上で開発状況をアップデートしてくとして、並行して発売時の本サイトの検討も始めました。

正式サイトでは、利用シーンをいかに魅力的にビジュアルで見せられるか、が重要だと思ってます。
自転車メーカーというと製品画像だけのサイトが多いけど、株式会社イルカは「いつも自転車と共に行動するライフスタイル」を提案する会社ですので。
加えて、irukaは世界で売りたいので、世界のいろんな場所でirukaが使われてる姿を見せたい。

というわけで、手伝ってもらってるチームのみなさんと「どの国の、どんな場所で、どんな利用シーンを撮るか」から検討し始めてます。
まだ予算の話まで行ってないので、気楽で楽しいw

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写真は金沢のもみじ。


2010年2月17日水曜日

ピスト乗りに告ぐ


街でピスト自転車に乗る人が増えてます。
イルカオフィスのある青山近辺は特に多い。

ピストとは(Fixed、トラックレーサーとも呼ばれます)競輪などトラック競技で使う、固定ギアの自転車のこと。
普通の自転車は後輪の車軸にフリーホイールという機構が内蔵されていて、ペダルを止めても車輪は惰性で回りますが、ピストはペダルを止めないと車輪が止まらない、逆に言えば車輪が回っている間はペダルも回り続けます。
その機構ゆえ、変速はつけられません。
またブレーキもなく、ペダルを逆方向に踏み込むことで減速・停止を行います。
トラック競技ではブレーキで止まると接触事故につながりやすいため、「わざわざ止まりにくく」しているのです。

「平坦なトラックで、尋常ではない脚力の持ち主が乗る」前提で作られた自転車なので、「街中で、普通の脚力の持ち主が乗る」には当然ながら適していません。
が、シンプルでかっこいいことなどから、ニューヨークのメッセンジャーの間で火がついて、日本でも2-3年前から流行しています。

確かにかっこいいんだけど、東京ほどピストに適してない街はないんですよ。
ニューヨークは真平らだけど、東京は坂が多いから。

登り坂がきついのは乗り手が頑張ればいいけど、深刻なのはスピードが出る下り坂。
ブレーキがついてればまだいいけど(そもそも日本ではブレーキのない自転車で公道を走るのは違法。ぱっと見7-8割のピスト乗りはブレーキをつけて乗ってる)、いきがってノーブレーキピストに乗ってるのがかなりの数いるわけですよ。

とにかくノーブレーキピストというのはいったんスピード出しちゃうと止まるのが大変。てか止まれない。
だからノーブレピスト乗りには「ファッション君」と「珍走団君」の二種類がいます。

前者のファッション君は、もうハナからスピード出さない。んでウラ原の遊歩道とかを2-3台横並びでゆーっくり流してる。
ピスト本来の用途と真逆の使い方をして、ただカッコだけつけてる。陸サーファーと同じ。ダサい。ママチャリ乗れっつの。

後者の珍走団君はダサいというより、とにかく厄介。
張り切ってスピード出して、止まれないから信号無視。
時には交差点を渡り切るために、右車線を逆走して突っ込んでくる死ぬほど迷惑な奴もいる。
表参道とか明治通りで逆走ピストを怒鳴りつけたのは2-3回じゃききません。

というわけでピスト乗りに告ぐ。
全員ブレーキをつけよ。

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写真は12月に行った金沢、近江町市場にて。


2010年2月9日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く) その2


東京ほど坂の多い大都市は世界的に珍しい/街によって自転車のトレンドも違う、という話の続き。

世界の二大自転車都市といったらコペンハーゲンとアムステルダムでしょう。
僕はアムステルダムしか行ったことないけど、こんな自転車を結構見かけた。



デンマーク発でもこんな自転車がある。



両都市とも東京とは真逆で完璧に真平ら、かつ街中に自転車レーンが完璧に網羅されている。
自転車が車と道を分け合う必要がないので、車長・車幅を気にせずいろんな変種が生まれるわけですね。
東京では走りづらいどころか、そもそも車幅オーバーで法に触れてしまいます。

ニューヨーク発の自転車といえばピスト
かの街も真平らだけど自転車レーンはない。
真平ら→ギアなしブレーキなしでも乗れる、自転車レーンない&世界の資本主義の中心地でありながら同時にカウンターカルチャーの中心でもある→ギアなしブレーキなしでリムジンやら車の間を走り抜けるのはイケてるぜ、というわけでピストが流行ったわけですね。

irukaのライバルになる折りたたみ車ブロンプトンはロンドン生まれ。
ロンドンは東京に比べると平ら。だからでしょう、ブロンプトンのメインモデルは3段変速。

毎日自転車に乗ってる僕でも、東京で3段変速のブロンプトンはちょっときつい。
いやホント、坂多いですから。
というわけで、irukaは内装8段変速で進めてます。

ただまあ、登り坂の最高のソリューションは電動アシストなんだよね。
まずはアシストなしでデビューするけど、アシストあり版にもチャレンジしたいと思っています。
本格自転車乗りの人に言わせれば邪道だろうけど、irukaは非愛好家のための自転車ですので。

そう、で、昨今東京でピスト乗りが爆発的に増えていますが、ピスト乗りに言いたいことがある。
それはまた今度。

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写真はドバイの市場。スイカの山。


2010年2月2日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く)


少し前だけど、高城剛氏(沢尻エリカさんのご主人として有名なハイパーメディアクリエイター)の旅行に関する著書(サバイバル時代の海外旅行術70円で飛行機に乗る方法)を読んで、ファンになってしまいました。

「日本のガイドブックは情報が致命的に少ない/広告が多いく公平性に欠ける/行ったことのない人間が匿名で書いている→外国のガイドブックを使うべし」とあったのを読んで以来、ケヤキ坂のTSUTAYAとか洋書がある書店に入るとLonely Planetを立ち読みしたりしている。

英語だから読むのは苦労するけど、確かに質も量も日本のとは彼我の差がありますな・・・。
広告もゼロ(記者はホテルや店からリベートを受け取ったらクビになるとか)で、何と言うか、作り手の矜持みたいなものを感じる。

逆に日本はどう書かれてるのかとLonely Planetの東京ガイドを読んでみたら、これが面白い。
例えば「食事」のページを見ると、店の情報以外にも食事マナーなんかもかなり細かく載っていて、「箸をごはんにぶっ刺すな」とか「箸から箸に食べ物を渡すな」とか「乾杯でチンチンて言ったら笑われるぞ。なぜなら(以下略)」なんて載ってたりする。

で、中にbicyclingというページもあり、「東京で自転車に乗るのは快適で良い経験になるよ。おすすめ」的なことが書いてある。
それはもちろん同意なんだけど、これはちょっと違うだろーと思った一文があった。

Tokyo is pretty flat

思うに東京クラスの大都市で、これほど起伏の激しい街はなかなかないんじゃないか。
ニューヨークなんかドがつくフラットだし、ロンドンも平と言ってよいと思う。シンガポールや上海も然り。バルセロナやパリなんかは街の外れ近くに「◯◯の丘」みたいな高台エリアがあるけど、街中至るところ坂だらけ、という国際的大都市は東京以外ではローマくらいじゃないか。あと番外でリスボンと。

車や電車だと意識することはないけど、自転車で移動すると街の表面感覚というか、起伏の有無が嫌でもわかる。
だからでしょう、街によって流行る自転車/生まれる自転車が違うのがまた面白い。
irukaの走行性能の話と合わせて、次回に続けてみたいと思います。

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写真は日の出直前のアラビア砂漠。ドバイ。


2010年1月22日金曜日

ステルスモード


iruka、淡々と進んでます。
大きな区切りでは変わらず「試作中」なんだけど、中身は刻々と淡々と。

12月に上海で打ち合わせしたときの未決事項がようやく全て固まり、今は図面をアップデートしてるところ。
前輪折りたたみのロック機構とか、ハンドル折りたたみ機構とか、折りたたむとフリーになるチェーンテンショナーとか。
いろんな人に「なんでそんなに時間かかるのか」と聞かれるけど、駆動系以外のパーツはほぼ全て独自開発するので、ま、時間かかります。

後輪の折りたたみ機構はだいぶ前に固まっていたので、前輪やハンドルは既製の有り物を使ってとりあえずリリースしてしまうという選択肢もあったかもしれないけど、僕は「拙速より巧遅」を選んだ。
経営なんてもんは結果が全てで、「正しい者が勝つ」ではなく「勝った者が正しい」世界。
irukaも成功すれば「時間をかけて完成度を高めたのが良かった」と言われるだろうし、逆に失敗すれば「完成度が低くても早くリリースすべきだった」とか言われるだろう。
この道を選んだからには、とことんいきます。中途半端な製品は出しません。

とはいえ、もちろん早く出したいw
図面ができ次第上海に飛んで、試作第二弾にとりかかります。

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写真は砂丘にたたずむオリックス。アラビア砂漠。


2010年1月7日木曜日

株主至上主義に喝ですと?


遅まきながらあけましておめでとうございます。

irukaは上海での試作初号機開発に向けて図面を引き直してるところです。
しばらくはステルスモードですね。

さて、Twitterでもさんざんぱら話題になり、僕も憤りのあまりしつこくRe/RTしてしまいましたが、民主党の参議院議員・藤末健三氏の主張について書きます。

議員は上場企業を規制する「公開会社法」の施行を推進しており、自身のブログでこう書かれています。

最近のあまりにも株主を重視しすぎた風潮に喝を入れたいです。
今回の公開会社法にて、被雇用者をガバナンスに反映させることにより、労働分配率を上げる効果も期待できます。


趣旨を意訳すると「最近の企業は人件費を抑えて利益と配当を増やしている。もっと人件費を上げて社員に還元すべき」ということでしょう。

日本企業が株主至上主義だとは全く思いませんが、百歩譲ってそれが事実だとしても、果たしてそれはいけないことなのでしょうか?
国の税収の観点で見てみます。

アシカ社、トド社、アザラシ社という、売上が全く同じ3つの会社があります。
単純化のため、3社とも費用は給与だけ(家賃など他に費用はかからない)とします。

アシカ社は他の2社より社員が多く、給与が高めです。その結果、売上10000に対して費用9500、利益は500です。配当は払っていません。
トド社とアザラシ社は効率経営を標榜し、売上10000に対して費用7000、利益は3000です。トド社は内部留保重視のため配当なし、アザラシ社は利益の50%を配当として株主に還元します。

社員が払う給与所得税・住民税を額面の5% (まあざっくりね)、企業が払う法人税を利益の40%、株主が払う配当課税を10%として考えると、3社の企業活動によって発生する税金は以下のようになります。

社名アシカ社トド社アザラシ社
売上100001000010000
費用(全額給与)950070007000
利益50030003000
配当001500
給与課税a475350350
法人税b20012001200
配当課税c00150
税金合計a+b+c67515501700


どうでしょう。税金を多く支払う/発生させる=社会貢献と定義すると(税金は国の再分配の原資ですから)、藤末議員が言うところの「株主至上主義」のアザラシ社が最も社会に貢献し、逆に「労働分配率が高い、社員に優しい」アシカ社が最も貢献していないことになります。
現実はここまで単純ではないですが、他の2社がアシカ社と同じ労働分配率を強いられたら、全体の税収は半減することになります。
いかに議員の主張が感覚的で物事の一面しか見ていないかということです。

もちろん、だから株主至上主義の会社が良いと言ってるわけではありません。3社とも「アリ」だと思います。社会貢献は納税だけではありませんし、上の例はあくまで単年度だけの話です。僕も個人的には、人件費を切り詰めて株主還元を厚くする会社は好きではありません。

大切なのは、経営方針は会社の個性であり、経営者が自由に決めるべきということです。
どの会社が支持されるかは市場(消費者、労働者、投資家など)が決めるわけですから、多様な経営スタイルの会社が競い合った方が、全体の利益は大きくなるはずです。
政府は企業をコントロールしようなどと考えず、企業が公平に競争できる環境づくりに専念していただきたい。
切に願います。

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写真はアラビア砂漠。年末年始はドバイの砂漠の中で過ごしました。