2011年4月12日火曜日

ずっと無知だった


ミュージシャンの斉藤和義さんがYouTubeとUstreamで披露した「ずっとウソだった」が話題ですね。



有名アーティストが社会的リスクを省みず自己の考えを主張するという行為は、心から素晴らしいと思います。
もし僕が氏の立場でも(もちろん僕にはそんな音楽の才能はありませんが)同じことができるか、と言われたら自信がありません。
かっこいい、の一言です。

その上で、僕は「ずっとウソだった」の歌詞には全く共感しません。

1986年のチェルノブイリ事故以来、日本だけで10件近くも原子力発電所での事故が起こっています。
特に1999年の東海村と2004年の関西電力美浜発電所の事故では死者も出ていますし、最近では2007年の中越沖地震による柏崎原発の事故で放射性物質が漏洩するとともに、首都圏の電力不足が喧伝され、大変な問題になりました。
そのたびにメディアでも原発の安全性を問う議論がなされてきました。

議論する時間も、そのための情報もあったわけです。
それを今になって「ウソだった」「騙された」と言うのは、単に無知だった、無関心だっただけじゃねえの? 虫がいいんじゃねえの? と思うのです。

はい。僕は無知でした。無関心でした。他人ごとだと思ってました。
日本に原子炉が54基あることも、原子炉の構造も、放射性物質の性質も、知ろうと思えば簡単に知ることができたのに、知りませんでした。知ろうとしていませんでした。
夏に冷房を使わなければ原発もいらなかったのに(原子力は日本の電力の3割を発電していますが、夏の消費電力の3割は冷房なので、冷房を一切使わなければ原発をやめることができます。耐えられれば、ですが)知らないふりをして冷房を使ってました。

というわけで、「ずっとウソだった」の替え歌を作ってみました。
一応字数を合わせてメロディーに乗るようにしてるつもりですw
ところどころムダに韻もそろえてみましたwww

元ネタ「ずっとウソだった」
替え歌「ずっと無知だった」
この国を歩けば
原発が54基
最近知りました
原発が54基
教科書もCMも言ってたよ
「安全です」
新聞も雑誌も言ってたよ
「危険かも」
俺たちを騙して
言い訳は「想定外」
無関心だったのに
言い訳は「騙された」
懐かしいあの空
くすぐったい黒い雨
警告も上の空
無視してたい、暑いから
ずっとウソだったんだぜ
やっぱばれてしまったな
ずっと無知だったんだぜ
知ろうとしてなかったな
ホントウソだったんだぜ
原子力は安全です
ホント無知だったんだぜ
原子力はわかりません
ずっとウソだったんだぜ
ほうれん草食いてえな
ずっと無知だったんだぜ
報連相あったのにな
ホントウソだったんだぜ
気づいてたろ、この事態
ホント無知だったんだぜ
知らなかったろ、シーベルト
風に舞う放射能は
もう止められない
被害者意識からは
何も生まれない
何人が被曝すれば
気がついてくれるの?
この国の政府
何人か死んでたのに
気がついてなかったの?
この国の僕ら


お粗末さまでした。

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写真は雪降りしきるアイスランド南海岸。


1 件のコメント:

まほんぐ さんのコメント...

小林さん、最高。