2010年2月9日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く) その2


東京ほど坂の多い大都市は世界的に珍しい/街によって自転車のトレンドも違う、という話の続き。

世界の二大自転車都市といったらコペンハーゲンとアムステルダムでしょう。
僕はアムステルダムしか行ったことないけど、こんな自転車を結構見かけた。



デンマーク発でもこんな自転車がある。



両都市とも東京とは真逆で完璧に真平ら、かつ街中に自転車レーンが完璧に網羅されている。
自転車が車と道を分け合う必要がないので、車長・車幅を気にせずいろんな変種が生まれるわけですね。
東京では走りづらいどころか、そもそも車幅オーバーで法に触れてしまいます。

ニューヨーク発の自転車といえばピスト
かの街も真平らだけど自転車レーンはない。
真平ら→ギアなしブレーキなしでも乗れる、自転車レーンない&世界の資本主義の中心地でありながら同時にカウンターカルチャーの中心でもある→ギアなしブレーキなしでリムジンやら車の間を走り抜けるのはイケてるぜ、というわけでピストが流行ったわけですね。

irukaのライバルになる折りたたみ車ブロンプトンはロンドン生まれ。
ロンドンは東京に比べると平ら。だからでしょう、ブロンプトンのメインモデルは3段変速。

毎日自転車に乗ってる僕でも、東京で3段変速のブロンプトンはちょっときつい。
いやホント、坂多いですから。
というわけで、irukaは内装8段変速で進めてます。

ただまあ、登り坂の最高のソリューションは電動アシストなんだよね。
まずはアシストなしでデビューするけど、アシストあり版にもチャレンジしたいと思っています。
本格自転車乗りの人に言わせれば邪道だろうけど、irukaは非愛好家のための自転車ですので。

そう、で、昨今東京でピスト乗りが爆発的に増えていますが、ピスト乗りに言いたいことがある。
それはまた今度。

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写真はドバイの市場。スイカの山。


2010年2月2日火曜日

世界はフラットだ(東京を除く)


少し前だけど、高城剛氏(沢尻エリカさんのご主人として有名なハイパーメディアクリエイター)の旅行に関する著書(サバイバル時代の海外旅行術70円で飛行機に乗る方法)を読んで、ファンになってしまいました。

「日本のガイドブックは情報が致命的に少ない/広告が多いく公平性に欠ける/行ったことのない人間が匿名で書いている→外国のガイドブックを使うべし」とあったのを読んで以来、ケヤキ坂のTSUTAYAとか洋書がある書店に入るとLonely Planetを立ち読みしたりしている。

英語だから読むのは苦労するけど、確かに質も量も日本のとは彼我の差がありますな・・・。
広告もゼロ(記者はホテルや店からリベートを受け取ったらクビになるとか)で、何と言うか、作り手の矜持みたいなものを感じる。

逆に日本はどう書かれてるのかとLonely Planetの東京ガイドを読んでみたら、これが面白い。
例えば「食事」のページを見ると、店の情報以外にも食事マナーなんかもかなり細かく載っていて、「箸をごはんにぶっ刺すな」とか「箸から箸に食べ物を渡すな」とか「乾杯でチンチンて言ったら笑われるぞ。なぜなら(以下略)」なんて載ってたりする。

で、中にbicyclingというページもあり、「東京で自転車に乗るのは快適で良い経験になるよ。おすすめ」的なことが書いてある。
それはもちろん同意なんだけど、これはちょっと違うだろーと思った一文があった。

Tokyo is pretty flat

思うに東京クラスの大都市で、これほど起伏の激しい街はなかなかないんじゃないか。
ニューヨークなんかドがつくフラットだし、ロンドンも平と言ってよいと思う。シンガポールや上海も然り。バルセロナやパリなんかは街の外れ近くに「◯◯の丘」みたいな高台エリアがあるけど、街中至るところ坂だらけ、という国際的大都市は東京以外ではローマくらいじゃないか。あと番外でリスボンと。

車や電車だと意識することはないけど、自転車で移動すると街の表面感覚というか、起伏の有無が嫌でもわかる。
だからでしょう、街によって流行る自転車/生まれる自転車が違うのがまた面白い。
irukaの走行性能の話と合わせて、次回に続けてみたいと思います。

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写真は日の出直前のアラビア砂漠。ドバイ。


2010年1月22日金曜日

ステルスモード


iruka、淡々と進んでます。
大きな区切りでは変わらず「試作中」なんだけど、中身は刻々と淡々と。

12月に上海で打ち合わせしたときの未決事項がようやく全て固まり、今は図面をアップデートしてるところ。
前輪折りたたみのロック機構とか、ハンドル折りたたみ機構とか、折りたたむとフリーになるチェーンテンショナーとか。
いろんな人に「なんでそんなに時間かかるのか」と聞かれるけど、駆動系以外のパーツはほぼ全て独自開発するので、ま、時間かかります。

後輪の折りたたみ機構はだいぶ前に固まっていたので、前輪やハンドルは既製の有り物を使ってとりあえずリリースしてしまうという選択肢もあったかもしれないけど、僕は「拙速より巧遅」を選んだ。
経営なんてもんは結果が全てで、「正しい者が勝つ」ではなく「勝った者が正しい」世界。
irukaも成功すれば「時間をかけて完成度を高めたのが良かった」と言われるだろうし、逆に失敗すれば「完成度が低くても早くリリースすべきだった」とか言われるだろう。
この道を選んだからには、とことんいきます。中途半端な製品は出しません。

とはいえ、もちろん早く出したいw
図面ができ次第上海に飛んで、試作第二弾にとりかかります。

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写真は砂丘にたたずむオリックス。アラビア砂漠。


2010年1月7日木曜日

株主至上主義に喝ですと?


遅まきながらあけましておめでとうございます。

irukaは上海での試作初号機開発に向けて図面を引き直してるところです。
しばらくはステルスモードですね。

さて、Twitterでもさんざんぱら話題になり、僕も憤りのあまりしつこくRe/RTしてしまいましたが、民主党の参議院議員・藤末健三氏の主張について書きます。

議員は上場企業を規制する「公開会社法」の施行を推進しており、自身のブログでこう書かれています。

最近のあまりにも株主を重視しすぎた風潮に喝を入れたいです。
今回の公開会社法にて、被雇用者をガバナンスに反映させることにより、労働分配率を上げる効果も期待できます。


趣旨を意訳すると「最近の企業は人件費を抑えて利益と配当を増やしている。もっと人件費を上げて社員に還元すべき」ということでしょう。

日本企業が株主至上主義だとは全く思いませんが、百歩譲ってそれが事実だとしても、果たしてそれはいけないことなのでしょうか?
国の税収の観点で見てみます。

アシカ社、トド社、アザラシ社という、売上が全く同じ3つの会社があります。
単純化のため、3社とも費用は給与だけ(家賃など他に費用はかからない)とします。

アシカ社は他の2社より社員が多く、給与が高めです。その結果、売上10000に対して費用9500、利益は500です。配当は払っていません。
トド社とアザラシ社は効率経営を標榜し、売上10000に対して費用7000、利益は3000です。トド社は内部留保重視のため配当なし、アザラシ社は利益の50%を配当として株主に還元します。

社員が払う給与所得税・住民税を額面の5% (まあざっくりね)、企業が払う法人税を利益の40%、株主が払う配当課税を10%として考えると、3社の企業活動によって発生する税金は以下のようになります。

社名アシカ社トド社アザラシ社
売上100001000010000
費用(全額給与)950070007000
利益50030003000
配当001500
給与課税a475350350
法人税b20012001200
配当課税c00150
税金合計a+b+c67515501700


どうでしょう。税金を多く支払う/発生させる=社会貢献と定義すると(税金は国の再分配の原資ですから)、藤末議員が言うところの「株主至上主義」のアザラシ社が最も社会に貢献し、逆に「労働分配率が高い、社員に優しい」アシカ社が最も貢献していないことになります。
現実はここまで単純ではないですが、他の2社がアシカ社と同じ労働分配率を強いられたら、全体の税収は半減することになります。
いかに議員の主張が感覚的で物事の一面しか見ていないかということです。

もちろん、だから株主至上主義の会社が良いと言ってるわけではありません。3社とも「アリ」だと思います。社会貢献は納税だけではありませんし、上の例はあくまで単年度だけの話です。僕も個人的には、人件費を切り詰めて株主還元を厚くする会社は好きではありません。

大切なのは、経営方針は会社の個性であり、経営者が自由に決めるべきということです。
どの会社が支持されるかは市場(消費者、労働者、投資家など)が決めるわけですから、多様な経営スタイルの会社が競い合った方が、全体の利益は大きくなるはずです。
政府は企業をコントロールしようなどと考えず、企業が公平に競争できる環境づくりに専念していただきたい。
切に願います。

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写真はアラビア砂漠。年末年始はドバイの砂漠の中で過ごしました。


2009年12月25日金曜日

デフォルト、世界


もう年末ですね。
だから何だってこともないんですが、まあ起業して2年目の年が暮れ、製品を発売するであろう年(そう、何とか来年中には...)を迎えるにあたって、改めて決意したというか、常に意識しようと思ったことを書いておきます。

デフォルト、世界を相手に考える、ということ。

具体的には、irukaは(まずは日本市場から出すけど)日本限定ではなく、世界市場で販売し、世界で認められる製品にする、ということです。

Googleの二人の創業者やAppleのSteve Jobsから「世界を変える」と聞いても、「アメリカを変える」とは聞いたことがありません。
一方で、日本の起業家、例えばソフトバンクの孫社長や楽天の三木谷社長のような方々からは「日本を変える」とは聞いても「世界を変える」とはなかなか聞きません。

irukaは、世界を相手にしたい。
日本だけでなく世界を、ほんの少しでも良い場所にする製品を作りたい。

もちろん僕なんぞ、上に挙げた方々に比べたら、器も才覚も能力も、足元どころか足元から半径100キロにも及びません。
1000億規模の会社を作れるようなタマでないことは自分が一番よくわかっています。
だから、フォーカスします。
僕レベルの人間が世界を相手にするには、フォーカスするしかありません。
折りたたみ自転車という非常に小さな分野ではありますが、とことんフォーカスして、「世界で認められる会社」をめざします。

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相方の出張に便乗して金沢と白川郷を旅行してきました。写真は白川郷にて、柿の木。


2009年12月17日木曜日

上海でirukaも考えた


上海で思ったことを備忘メモ的に書いておこうと思います。
ほとんどTwitterでつぶやいたことのまとめですが。
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言うまでもなく、成長著しい。万博を控えて街の全ブロックが工事中、排気ガスと粉塵で一日中霞がかってる感じ。

タクシー代と地下鉄代を除いて日本との物価差はなくなりつつある。食事、宿泊、衣服など、東京>僅差でシンガポール>僅差で上海。

日本はデフレ→特に嗜好品は近い将来物価差はなくなる。したがって日本人はもはやカモではなくなる。騙されにくい、という意味ではなく、騙してもメリットがなくなる。以前は、極端に言うと、日本で1万円・中国で1000円で買えるものを5000円で売ることで4000円の鞘を抜けていたのが、今は日本で9000円・上海では7000円で買えるものを8000円で売って鞘が1000円しかない、みたいな。

ゆえに、日本人向けの商売は減る。日本語を学ぶ中国人も減る。代表的なところでは日本人向けのKTVとかも減る。当たり前だけど、中国語の重要性は増す。

とはいえ、上海の成長もさほど長くないのではないか。環境汚染、渋滞、格差拡大など成長の痛みは殊の外大きい。役人の腐敗は聞くだにひどい。役人になれば30代でマンションと自動車を複数持てると。経済成長と両輪であるべき民主主義の発展はまず期待できない。とてつもないアンバランス。日本の高度経済成長も18年で終わったし。上海の一人あたりGDPは現在100万円弱。どこまで伸びるか。

ただし中国が末恐ろしいのは、たとえ上海の成長がスローダウンしても、一人あたりGDP80万円の大連、同70万円の天津、同60万円の瀋陽、同20万円の重慶など、まだまだ成長余地の大きい都市がいくつも控えていること。とにかく色々な意味で、良くも悪くも、末恐ろしい。「悪くも」の代表は、地球環境への影響。

末恐ろしいからと言って、派遣村の村長の言うようなヒステリックな保護主義的反応だけは絶対にしてはいけない。中国含めて他国を敵とみなしても良いことは何もない。元同僚がTweetしていた名言をそのまま転用させていただくと「アジア全体を内需だととらえるぐらいの発想が必要」。

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今回の上海は羽田発着だったんだけど、やはり羽田は良いです。近いし、空港から市街へのアプローチで目にする風景も成田の100倍良い。さらに言えば、ちょっと遠回りしても、湾岸エリアを経由して勝鬨橋かレインボーブリッジで銀座に入っていくシャトルバスを作れば良いと思う。東京は海から見た姿が一番イケてる。特に夕方とか。写真は有明のマンション高層階から見た東京の夕暮れ。


2009年12月10日木曜日

iruka試作初号機キックオフ@上海


もう先週のことだけど、iruka製造について上海の工場に打合せに行ってきました。

今回が2回目のミーティングだったけど、非常に生産的でした。
今後の進め方、製法、素材など大どころが大体全部見えて、かなーり視界がクリアになった。
次のステップは、この工場で試作初号機を作ります。
あと特許の申請にも動き始めないと。

弐号機、場合によっては参号機まで作ってから量産を開始するので、まーまだまだ時間かかります。
でも楽しくやってます。
世界最高の折りたたみ自転車を作ってるわけですから。

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先日からGoogle日本語入力を使ってるけど、「にごうき」と打つと「弐号機」が一発で出てくる。
Googleすごい。。

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写真は外苑前のイチョウ並木。まっきっき。