2009年11月2日月曜日
クルマブランド自転車の仕組み
シボレー、ジャガー、ローバー、オペル、ランボルギーニ、などなど、街中に溢れるクルマブランドの自転車について解説します。
まず下の3枚の自転車を見てください。
それぞれ上から、シボレー、ローバー、ハマーとなっていますが、全て同じ車体の自転車です。
結論から言うと、クルマメーカーはこれらの自転車の製造には全く関与していません。どころか、本社ではこんな製品が世に出ていることすら知らないでしょう。
このビジネスには、ざっくり以下の三者の登場人物がいます。
日本の商社
クルマブランドのライセンス管理者
中国の自転車メーカー
日本の商社は、クルマブランドのライセンス管理者に「うちの自転車にお宅のブランド名を貸してくれ」と持ちかけます。
もちろん有償です。
ライセンス管理者、という人たちには僕は会ったことがないのですが、例えばランボルギーニだとランボルギーニ家の分家の息子が任されているなんて話を聞いたことがあります。
同時に、商社は中国の自転車メーカーを訪ねて自転車の車体を買い付けます。
中国のメーカーの多くは、作った自転車を自社ブランドで販売しながらも、他社にOEM供給もしているのです。
めでたく話がまとまると、中国のメーカーは自社の自転車にクルマブランドのシールを貼り付けて日本の商社に納品、商社は自転車屋さんに、自転車屋さんは消費者に販売します。
上記のケースでは、3社の商社が同じメーカーの同じ車体を買い付けているか、同じ商社が複数のクルマブランドのライセンスを持っているかどちらかでしょう。
まあプロセスはどうであれ、それが良い自転車であれば何の問題もありません。
が、一般的にこういった自転車は、ブランド名からの期待値に対して品質は今ひとつと言わざるを得ません。
この手のクルマブランド自転車には折りたたみ車が多いのですが、「折りたたみ自転車は遅くて重く低品質」というイメージを強めてしまっているのは残念です。
無名ブランドの自転車に比べて期待値との落差がより大きいわけですから。
片山左京だか右京だか、昔クルマの運転手をしていた人が自分のブランドで自転車を売っていますが、これも同じ仕組みです。
下の2枚の写真、上は片山氏のブランドの自転車、下は別の会社が異なるブランド名で売っている自転車です。
同じですね(泥よけなど一部のパーツは異なりますが)。
彼は本格的な自転車乗りらしいですが、あまり友達にはなりたくありません。
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冒頭の写真はパリ、セーヌ川とエッフェル塔。ベタ。
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