2009年11月24日火曜日
ビバ空洞化
来週また打合せに行きますが、目下irukaは上海の工場で生産する方向で話を進めてます。
日本では、自転車の量産は実質的に不可能。
コストがどうこうと言うレベルではなく、発注できる工場がないのです。
10年前、そう、わずか10年前には自転車の国産対輸入比率は7:3だったのに、中国や台湾の工場に押されて今や国産比率は1割未満。
いわゆる「空洞化」が進んでいるのです。
と書くと何かネガティブに響くけど、自転車産業に限らず、国全体としては製造業の空洞化はポジティブな必然でしょう。
日本人の人件費が高くなった、すなわち日本人が豊かになった結果なわけですから。
なんですけど、こんなご時世だと、派遣村とかいう村の村長氏のように「海外生産はけしからん、日本企業は国内で生産して雇用を創出せよ」みたいなことを言う人が出てくる。
規制も保護主義も国全体の経済活動にはマイナスでしかないと、簡単にわかりそうなものだけど。
だいたい、最近とみに思うのは、今や企業の国籍を問うこと自体意味がない、ということ。
例えば、
ソニーや日産なんて外国人株主比率は5割超えていてトップも外国人だし。
ボルボは元々スウェーデンの会社だけど米国フォードの傘下に入って次は中国企業に買われるみたいだし。
アメリカのビール会社上位3社(バドワイザー、クアーズ、ミラー)は全てベルギーと南アフリカの資本だし。
もう、どこの国の企業か定義すること自体が不可能でしょ。
だから政府は、企業を規制しようとか保護しようとか、はたまた育てようとか下らないこと考えずに、国籍を問わず企業が活動しやすい環境づくりだけに集中していただきたい。
でもって、どの企業が勝とうが負けようが、企業が外需で稼ごうが内需で稼ごうが、日本の法人税収が増える仕組みだけ考えていただきたい。
それが結果的に日本を豊かにするし、世の中を変えるイケてる製品やサービスが日本から生まれる土壌作りになると思う。
もっとも日本は、健全で安定した政治体制(少なくとも、政府が企業に賄賂を要求して従わないと資産を没収してしまう、なんてことは起こらない)、治安、インフラという基本的な条件は世界トップ中のトップなわけで、あとは規制をなくして法人税率下げて(民主党は中小企業の税率下げるなんて言ってるけど、中小企業が大企業に成長する意欲を失わせる逆インセンティブであり愚策中の愚策)羽田からインチョンに直行便を飛ばせば、ぐぐっと魅力的になると思うんだけどな。
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写真はモンサンミッシェル。オムレツ、まずかった。
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