2011年2月15日火曜日
丸の内に駐輪場を作るのだ
今回は自転車レーンに次いで重要な自転車インフラ「駐輪場」について。
東京において、駐輪場問題は大きく分けて2種類あります。
1. 主に山手線内、通勤先における駐輪スペース
2. 主に山手線外、居住地駅前における駐輪スペース
前者は主に家からオフィスまで直接自転車通勤する人向けの、後者は主に家から最寄駅まで自転車+オフィス最寄駅まで電車通勤する人向けの問題ですね。
今日は前者、都心の駐輪場問題について書いてみます。
千代田区を見てみましょう。
千代田区は人口4万人の非常に小さな区ですが、それは仮の姿。
昼間人口すなわち在勤者の人口はなんと85万人を超えます。
日本の総人口の150分の1が、皇居を除いた実質わずか10km2のエリアに毎朝押し寄せてきてるわけです。
・・・そりゃ通勤ラッシュにもなりますわ。
さらにそのうち4分の1強、23万人が、東京駅前のいわゆる丸の内・大手町エリアに集中しています。
逆に言えば、丸の内・大手町通勤者に自転車通勤が広がれば、世界に名高い東京の通勤ラッシュも少しは緩和されるでしょう。
ところが、です。
次の地図の青ピンは千代田区の区営駐輪場の場所を表しています。
ご覧のとおり区北縁部に集中していて、丸の内・大手町エリア(地図上の赤丸部分)には皆無であることがわかります。
しかも駐輪可能台数を合計しても、たった1300台分にしかなりません。
では民間はどうか。
丸の内大手町は言わずとしれたビル街ですが、なんとなんと、丸の内を代表する2大オフィスビル、丸ビル&新丸ビルには、いずれも駐輪場がないのです(三菱地所さん頼みますよ!)。
僕も前職で大手町に通っていた時はビル(大手町ビルヂング→これも三菱地所物件)に駐輪場がなかったのでダホンを折りたたんで席まで持っていっていましたが、クロスやロードで通勤していた同僚は盗難や撤去を心配しながらビル周辺の歩道に停めていました。
・・・これが現実なんですねー。
ではどうするか。
以下はまだラフですが、たたき台のアイデアを書いておきます。
ゴールを、丸の内・大手町の昼間人口23万人の5%(とりあえず、ね)12000台分の駐輪スペースを確保すること、としましょう。
自転車先進都市であるアムステルダムには中央駅前(東京駅に相当)に8000台分の巨大駐輪場があります。
東京駅にもそんな駐輪場があるに越したことはありませんが、現実的にスペース確保は至難でしょうし、自転車の本質的な利点を考えると、簡素・小規模な駐輪場(金属バーに自転車をくくりつけるだけ、みたいな)がユビキタス的にたくさんある方が使いやすいと思います。
話が変わるようですが、千代田区には「附置義務住宅」という制度があります。
「延床面積3000m2以上の建物を作るときには、一定面積以上の住宅を併設しなければならない」(さもなければお金を払え)というものです。
港区や新宿区にもありますが、要は自区内の居住人口を確保&職住近接を実現しよう、という制度ですね。
これを応用して「延床面積3000m2以上の建物に対して、延床面積の0.3%相当の駐輪場設置」を義務づけます。
例えば、前述の丸ビルは延床面積16万m2ですので、480m2分の駐輪場を作ってもらいます。
地上の公開空地にスペースを確保してもいいですし、無理であれば駐車場を転用します。
駐車場は通常1台あたり5m×2.5m=12.5m2ですから、駐車場38台分を転用すれば足ります。
丸ビルは元々400台分の駐車場がありますので、1割弱を転用すれば自転車320台分(通路含めて1台あたり1.5m2必要として)の駐輪場が誕生する計算です。
新丸ビル:延床19.5万m2→自転車390台分確保
大手町ビル:延床11万m2→自転車220台分確保
新東京ビル:延床10.6万m2→自転車210台分確保
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など、おおよそ各ビルの駐車場の1割強を転用してもらえば、丸の内・大手町エリア全体で12000台分の駐輪スペースは十分確保できると思われます(三菱地所だけでも30以上のビルがあります)。
附置義務住宅制度も自治体の条例ですから、区長または都知事がリーダーシップを発揮すれば実現可能でしょう。
ただ一方で(駐車場の転用が多いでしょうから)駐車場は地下にあるので、入場時のセキュリティや、つい面倒で地上の歩道に置いてしまうといった問題もあり、まだまだ工夫が必要とは思います。
まあ、たたき台ということで。
*と書いた後で、新丸ビルに月額契約制の駐輪場(月1.7万円!)ができるとのニュースを見ました。上記「駐輪場がない」という記述は厳密には正しくありませんが「誰でも使える駐輪スペースがない」という意味では誤っていませんのでそのままにしておきます。
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写真は表参道のビル内イルミネーション。
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