ラベル 都市問題 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 都市問題 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年10月17日金曜日

歩道の中心でアンゼンを叫んだけもの


最近、犬を飼い始めたんですよ。
メスの豆柴で、現在7ヶ月。
春の生まれで、小さく可憐なことから「すみれ」と名づけました。

死ぬほどかわいいです。死なないけど。


そして今、強く思っていることがあります。

自転車は歩道を走らないでほしい。

自転車は歩道を走らないでほしい。

大事なことなので2回言いました。

通るのはいいんです。
ただ、走らないでほしい。ちゃんと徐行するか、押し歩きしてほしい。

通るのはいいんです。
ただ、走らないでほしい。ちゃんと徐行するか、押し歩きしてほしい。

これも大事なことなので2回言いました。

僕はこれまで、子どもがいないこともあってか、歩道を走る自転車の怖さをそこまで切実に感じていなかったように思います。
なんだけど、犬を連れて散歩するようになってから、とてもリアルに、痛切に感じるようになりました。歩道を爆走する自転車、怖いです。マジでやめてほしい。

たかが犬のために人間に不便を強いるのか?と言いたい人もいるでしょう。

では子どもは?お年寄りは?障がい者は?

自転車は歩道と車道どちらが安全かという議論があります。
自分の実体験と事故率のデータから、僕は車道の方が「歩道よりも相対的に/多くの人が思っているよりも」安全であると思っていますが、車道の方が危ないという主張があることも理解はしています。

しかし、もし車道の方が危険だったとしても、それは「歩道を走ってよい理由」にはなりません。

歩行者と自転車、どちらが交通弱者でしょうか。
歩行者ですよね。
だから歩道は歩行者が優先。
自転車が通るなら、歩行者を脅かさないよう、徐行か押し歩きで。
シンプルな話です。

ただ、現状多くの自転車が歩道を走っている根本的な原因は、これだけ日常生活で自転車が使われ、さらにより一層の活用が求められる日本において、自転車のための走行空間がほとんどないことです。

というわけで、都知事選時のキャンペーンでも訴えましたが、東京の自転車走行空間整備を促すキャンペーンを、11月にスタートします。続報を待て。

--
冒頭の写真は友人の娘さんとすみれ。かわいい対決ファイッ


2014年5月28日水曜日

文化を変える=何も変わらないフラグ


僕もメンバーであるNPO自転車活用推進研究会の主催で、先週「自転車ツーキニスト大集会〜めざせTOKYO自転車革命」というイベントが開催されました。

国道246号の駒沢〜三軒茶屋間にバス自転車共用レーンが設置される(!)のを機に、現役バス運転手とサイクリストらでバスと自転車が安全快適に共存する方法を話しあおう、というもの。



詳細は記事と動画でどうぞ。

毎日新聞
サイクルスポーツ



んで僕も発言させていただいたのですが(動画の1:42:05あたりから)、ここでもう一回。

都知事選キャンペーン(新都知事とつくろう、TOKYO自転車シティ)のときもそうでしたが、「自転車レーンを作ろう」と言うと、「路上駐停車をなくさないと無意味だ/逆走など自転車のマナーを直さないと意味がない=日本の交通文化を変えるのが先決だ」という趣旨の意見をいただくことがあります。

そのご意見もわかるのですが、ただですね・・・

大阪市が自転車レーン整備の効果検証結果を発表しています。
路側を青く塗って自転車マークと進行方向の矢印を描いた、いわゆるブルーレーンが作られたわけですが、曰く

自転車の車道逆走 27%から14%に半減
長時間(5分以上)の駐停車 322台から197台に4割減


となったとのこと(いずれも平日)。

自転車レーンの本質的な役割は自転車の走行空間を確保することですが、レーンのデザイン次第で、正しい交通ルールを示すサインとしても機能するということです。

(写真は大阪市HPから拝借)

路上の色が違えばドライバーも「ここクルマ停めたらやばいよな」と思うし、矢印が書いてあれば逆走自転車も「今自分はまずいことしてるよな」とわかるわけですね。

もちろん、逆走がゼロにはなっていない、駐停車の総台数はほとんど変わらない、自転車の車道通行率は整備後も52%にとどまっているなど、レーンを作っただけで解決するわけではないこともわかります。地道で長期的な教育啓蒙や取り締まり強化も同時に必要でしょう。

ただ、「教育啓蒙や取り締まり強化によって文化を変えてからインフラを整備する」のと「直感的に正しい使い方がわかるようにインフラを整備し、同時に教育啓蒙や取り締まり強化で補強する」のでは、スピード感が全く異なります。
ていうか、「文化を変える」なんてのは「何も変わらないフラグ」ですよ。

というわけで、東京を具体的に変えるべく、都知事選キャンペーンに続くフォローアップキャンペーンを企画中です。

--
冒頭の写真は、安曇野の森の中。毎度のことながら内容とは関係なし。


2014年2月4日火曜日

自転車コミット都知事、待ったなし

現在、本業irukaとは別に、都知事選候補者に東京の自転車インフラ改善の公約を求める署名キャンペーン「新都知事とくつろう、TOKYO自転車シティ」の発案・企画・運営責任者としてフルコミットしています。という続き。

2014.1.27
自活研オフィスで候補者16名に対する要望書の封入&送付作業予定。せっせと。

までが前回まで。
16名に送るつもりだったけど、連絡先がわからない(選管にも連絡先を届け出てない!)候補者が4名いて、結局12名に送付しました。

2014.1.29
舛添要一さんから回答書到着。
署名6,000件到達。

2014.1.31
ドクター・中松さん、鈴木達夫さんから回答書到着。

2014.2.1
家入一真さんから回答書到着。

2014.2.3
細川護煕さん、宇都宮健児さんから回答書到着。
ニコ生「みんなで考えよう!都知事への要望」に出演。こちらで録画が見られます。僕の出番は13'30くらいから。

本日2.4(僕の44才の誕生日)22:00現在、署名6,543件。

新聞の情勢調査の上位3名を含む計6名の候補者様から回答を頂戴しています。
回答を返してくださった候補者は全員、僕たちの提案に対して「公約」または「賛同、当選したら実現に向けて努力する」と約束してくださっており、自由回答も極めてポジティブです。

というわけで、この6名の中のいずれかが当選されたら、おそらく史上初めて、自転車促進政策をやりますとコミットした東京都知事が誕生します。

自転車コミット都知事、待ったなし。と言っていいですよね。

--
冒頭の写真はヤンゴン最大の仏塔(パゴダ)、シュエダゴンパゴダ。地元の人たちは休日はお弁当を持って行って仏塔の下でお祈りをしたり昼寝したりして過ごすそうです。素敵。



2014年1月27日月曜日

メイキングオブ「新都知事とくつろう、TOKYO自転車シティ」

現在、本業irukaとは別に、都知事選候補者に東京の自転車インフラ改善の公約を求める署名キャンペーン「新都知事とくつろう、TOKYO自転車シティ」の発案・企画・運営責任者としてフルコミットしています。

--
2012.11月某日
NPO自転車活用推進研究会(以下「自活研」)のセミナーでロンドンの事例を知り、これやりたい、と思う。
曰く「2012年のロンドン市長選では、市民4万人が自転車インフラ改善の公約を求めて署名し、主要候補者全員が公約に取り入れた。誰が市長になっても自転車制作が進む状況を実現した」と。

2013.12.18夜
猪瀬前都知事が辞任を表明。

2013.12.19朝
自活研の理事長と事務局長に「ロンドンのアレ、やりましょうよ」とメール。やろう、と返事。

2013.12.20
理事長、事務局長と打ち合わせ。

2013.12.24
サイト構築とプロモーションは前職オプトに頼むことにし、担当の米谷&参謀役として前職後輩で現ハロの伊勢と打ち合わせ。
以降、サイトテキスト書き、スライド作りにいそしむ。

2014.1.6
オプト社長鉢嶺の計らいで、オプト役員とヤフー役員の新年食事会の座敷に闖入、ヤフー宮坂社長らにプレゼン。Yahoo! みんなの政治のご担当を紹介いただくことに。

2014.1.7
サイトデザイン初稿上がる。

2014.1.8
オプトのソーシャルチーム、前職後輩でPR代理店アウルの瀬戸と打ち合わせ。ソーシャル活用とパブリシティについて。

2014.1.14
ホリエモンこと堀江貴文さんに面会、プレゼン。堀江さんはガチの自転車ラヴァー。
賛同者として名前を出していただくこと、堀江さんからも情報発信していただくことを快諾いただく。

2014.1.16夕方
サイトローンチ。プレスリリース配信。

2014.1.17
署名1,000件到達。
毎日新聞産経デジタルCyclistなどに記事が出始める。

2014.1.19
署名2,000件到達。

2014.1.20
英語自転車メディア「TOKYO BY BIKE」が英語の紹介記事を書いてくださり、外国人の署名が集まり始める。

2014.1.21
スマホ専用サイトローンチ。

2014.1.22
署名3,000件到達。

2014.1.23
ホリエモンがツイッターで紹介してくださる。トラフィック瞬間最高記録。
署名4,000件到達。

2014.1.24
読売新聞朝刊に一面広告。
Yahoo! みんなの政治「都知事候補に要望を出そう!」に掲載スタート。

2014.1.25
署名5,000件到達。

2014.1.27
自活研オフィスで候補者16名に対する要望書の封入&送付作業予定。せっせと。

イマココ

ロンドンは3ヶ月で4万件集まったので、署名のペースは同じくらい。
本当はもっと集まってから要望書を送りたかったけど、時間がないからしょうがない。

さあ、候補者のみなさんからの返事はいかに。
続報を待て。

--
冒頭の写真は年末年始に行ったミャンマー、パガンにて。こんな感じの仏塔が佃煮にするくらいある。その数3000以上。地元の人たちは眠れないとき「仏塔がひとつ、仏塔がふたつ・・・」と数えるらしい(ウソ)。


2013年12月12日木曜日

東京都自転車安全利用推進計画パブリックコメント

東京都が「自転車安全利用推進計画(案)」を発表し、明日12月12日を期限としてパブリックコメントを募集していました。

というわけで僕も書いて送ってみた。
気持ちが入って長くなってしまった。

みなさんもパブコメ送りましょう。
内容に賛同いただける方は、このエントリの全文または一部をコピペして使ってくださっても構いません。

以下全文です。

--
当計画案は、総論として「東京において自転車の一層の活用を推進するための計画」としては著しく適格性を欠いていると考えます。
当計画案にもとづく限り、東京はこれからも「先進国の首都としては世界最悪の自転車後進都市」の汚名を挽回することはできない、と暗澹たる気分になりました。
一都民として、大変残念です。

しかしながら、同時に、私は東京都の行政に携わる方々の優秀さ・聡明さ・公正さに全幅の信頼を置いております。
今からでも、当計画案を適切に修正または追加計画案を作成することで、自転車活用をひとつの軸として、行政と都民一丸で東京を世界最先端最先進の環境都市に進化させることができると固く信じております。

以下、提案を記載いたします。
参考にしていただければ幸いです。

1. 利便性・利用度を評価する数値目標を追加すべき
当計画案では、冒頭に「第3 数値目標」として「平成27年中に自転車乗用中死者数25名以下、自転車事故件数13,000件以下、駅前放置自転車数30,000台以下」の3点が掲げられています。
これらの数値目標そのものには異論はありませんが、上記3点は「自転車の利用を妨げ、制限する」ことによっても達成できてしまい、「自転車の一層の活用を推進するための」目標設定としては不十分です。
例えば、千葉市は同市の「自転車走行環境整備計画案」における達成目標として「整備延長(整備率による評価)、自転車に関係する事故件数の減少(整備前後の事故件数による評価)、歩行者・自転車の安心感の向上(アンケート調査による評価)、自転車の利用促進(整備前後の自転車交通量による評価)」の4点を掲げています。
東京都においても、千葉市のように、先の3目標に加えて利便性・利用度の向上を評価する目標設定がまず必須であると考えます。

2. 自転車専用通行帯の整備を再優先課題として具体的な目標と工程案を示すべき
東京が他の自転車先進諸都市と最も決定的に異なり、自転車後進都市たらしめているのが、自転車専用通行帯いわゆる自転車レーンがほぼ皆無であることです。
ロンドンには総延長900km、ニューヨークには同675km、パリには同500kmにおよぶ自転車レーンが整備されていますが、東京都にはわずか10km前後が存在するのみです(自転車通行可の歩道、いわゆる自歩道は含みません)。
警察庁の通達において「自転車は車道走行が原則であり、歩道通行はあくまでやむをえない場合の例外」と明記されているにも関わらず歩道を走る自転車が後を絶たないのは、車道における自転車走行エリアが明確に区分・確保されておらず、不安を感じる利用者が多いことが最大の要因のひとつでありましょう。
自転車レーンの整備は、東京都において自転車の利便性と安全性の双方を高めるための最重要にして最優先の課題であると認識すべきです。
にも関わらず、当計画案において自転車レーンに関連する記述はわずかに「4(1)自転車利用環境の整備」において「道路の構造や利用状況等を踏まえ、自転車道、自転車レーン(自転車専用通行帯)、自転車ナビマーク等の適切な手法を選定した上で、歩行者、自転車、自動車それぞれが安全に通行できる環境を整備します」にとどまるのみで、何ら具体性がなく、その重要性が理解されているとは全くもって考えられません。
前項に述べた利便性・利用度の向上を評価する数値目標のひとつに自転車レーンの整備率または総延長距離を設定し、その具体的な整備工程案を盛り込むべきであると考えます。

3. 都が主体となって整備計画を推進すべき
当計画案において、全編にわたって東京都は「協議会を設置する」「区市町村等の連携を促す」「情報を提供する」「整備を促す」など、「黒子」の立場であるかのような記述が目立ちます。
しかし、例えば明治通りで自転車レーンを整備しようと考えた場合、山手線の内側だけでも港区・渋谷区・新宿区・豊島区と4つの区にまたがっており、全ての区が同じタイミングで連続性・統一性をもって環境を整備することは極めて困難、いや事実上不可能であると思われます。
ニューヨークではブルームバーグ市長、ロンドンではジョンソン市長という、東京都でいえば都知事にあたる人物が先頭に立ち、全市をあげて自転車利用環境を一気呵成に整備してきました。
東京都においても、これまでのような「区市町村任せ」の姿勢を根本的に改め、都が主体となるべきです。
当計画案においても、利用環境整備に関する各項目に関しては全面的に「関係区市町村および民間の協力の元、都が主体となって整備する」という趣旨に書き換えるべきであると考えます。
東京オリンピックの招致成功でその実力が証明されたとおり、都が本気を出せば、東京は世界一の自転車先進都市に生まれ変わることができると確信しております。

以上

--
冒頭の写真はオーストリア、インスブルック。イン川ほとり。ヨーロッパの自転車インフラに思いを馳せつつ。


2011年10月19日水曜日

道をシェアする


警視庁が「自転車の歩道走行禁止の厳格運用」に乗り出すらしい(リンク切れ用魚拓)。
賛否両方の声があるようだけど、僕は基本的に賛成。

反対を唱える人の多くは「自転車レーンなどを整備せずに車道走行を徹底したら、事故が多発する」と言う。
それはもっともなんだけど、レーン整備を待っていたらおそらく永遠に何も変わらないだろう。
誤解を怖れずに言うと、事故が増えるくらい車道走行が一般的になれば、自転車レーン整備の気運も一気に高まると思う。

その上で、僕なりの意見をいくつか加えると:
1. 歩道は原則走行禁止より徐行義務に
2. 車道走行時の尾灯点灯義務を
3. 自転車の違反行為全般に関して罰則を厳しく

自転車は車道を走る方が良いに決まっているけど、自転車レーンがない現状では、子どもを載せたママチャリなどに車道を走れというのは酷な話。高齢者や子どもも同じだが、だからといって歩道を爆走されたら危険極まりない。
自転車と歩行者のエリアを分けた歩道もあるけど意味ないのでこの際全廃して、誰が乗ってようがどんな自転車だろうが、歩道では徐行すべし(例えば時速8km以下)、に統一すべきと思う。

ついでに、警官が率先して車道を走るべきだという声が多いが、パトロール目的のときはむしろ歩道を走るべきではないか、と最近思い始めている。車道では速すぎて不審者・不審物を発見できないだろう、と。
パトロール中はサイコンつけて歩道を時速8km以下で走り、追い抜いていく自転車があったら速度違反で呼び止めればよい。ただし事件の現場に行くときなど単なる移動時はもちろん車道を通る。

尾灯点灯義務というのは、自動車側から見たらごく当たり前の話だと思う。
僕は車を運転しないが(つかできないw)、タクシーや妻の運転で何度も尾灯がない自転車にヒヤリとしたことがある。

もちろんこれらが罰則などなしに改善すれば理想的だが、数千万人が日常的に自転車に乗っている中で状況を変えようと思ったら、ある程度の罰則強化はやむを得ないと思う。
自動車でも罰則を厳しくすることで飲酒運転禁止やシートベルト着用などが一気に徹底されるようになったし。
自転車においては、特に車道逆走と歩道暴走(速度違反の取締は工夫が必要だけど)、そしてノーブレピストについては相当厳しくしてもよい。命に関わることだから。

いずれにせよ、誰でも時と場合によって歩行者・自転車・車と立場が入れ替わるわけで、自転車vs車、自転車vs歩行者みたいな二元論ではなく、「道をシェアする」前提で議論が進めば良いと思う。

--
なんてことをブログでつらつら書いても意味がないことはわかっていて、人からも叱られますが早くirukaを発売してビジネスサイドから実効性のある働きかけをしていきたいと思います。
さしあたって11月初旬にまた中国に行き、試作第三弾を進めてきます。

--
写真は安曇野、篠ノ井線廃線跡の漆久保トンネル。


2011年2月21日月曜日

放置自転車をなくすのだ


駐輪場と来たら放置自転車問題に触れねばなりますまい。
ここでいう放置自転車とは、自転車を道端や駐輪場に置いたまま捨ててしまう「置き捨て自転車」のことです。

まずはファクトを把握しましょう。

少し古いですが、東京都のレポートがありました。
「処分台数=撤去したら持ち主が取りに来なかったので廃棄処分した台数」として推移が出ていますね。

東京都では毎年40万台の自転車が撤去から廃棄されていて、増加傾向であることがわかります。
東京都の人口は1300万人なので、人口比でざっくり考えると(乱暴な計算だけど)全国では毎年400万台前後の自転車が置き捨てられていると推測されます。

日本では毎年900万台前後の自転車が新たに販売されてますから、置き捨てた人の半分が自転車に買い換えているとしても、新車需要の2割強が放置自転車の撤去を起点に創りだされている計算です。
これはちょっとすごいな・・・。

ではなぜこんなに置き捨てられてしまうのか?

僕の考えは「撤去されるから安い自転車を買う→安い自転車だから撤去されても取りに行かない、というスパイラルが起きている」です。

もう一度先ほどのグラフを見てみましょう。

グラフ中には廃棄台数だけでなく、撤去台数と返還台数が載っています。
1994年(平成6年)くらいからずっと、返還台数は50万台弱でほぼ一定しています。
その一方で、撤去台数は1994年の73万台から2006年(平成18年)では92万台と実に3割近く増え、それに比例して廃棄台数も1994年の32万台から43万台に急増しているのがわかります。
つまり、撤去されても取りに来る持ち主の数は「一定割合ではなく」「一定数しかいない」、すなわち撤去台数を増やせば増やすほど廃棄台数が増えてしまう、というのが現状なのです。

なぜ取りに来ないのか?
「返還にかかるコスト > 撤去された自転車の残存価値」となっているからです。

撤去自転車を返してもらうのに、新宿区では3000円、中野区や豊島区では実に5000円払う必要があります。
ここで、各国の自転車の平均販売単価をご覧ください。


日本ドイツオランダフランスイタリア
1.1万円4.6万円7.9万円3.3万円3.4万円


2004年のデータなので現時点ではユーロ下落の影響で差は縮まっていると思いますが、それにしても日本の平均単価1.1万円て。。。
よほどの新品でない限り、1万円で買った自転車を5000円の費用と時間と手間をかけて返してもらいにはいかないでしょう。
悲しいですが、これが現実なのです。

自転車の価格に関しては、政治がどうこうではなく、我々メーカーが「高くても欲しくなる自転車」を作るのが第一ですね。
率直に言って、日本の自転車業界はメーカーも販売店も単価の下落を嘆くばかりで、単価を押し上げる自助努力がまったくもって足りないと思っています。

その上で提言。

自治体は撤去一辺倒の放置自転車対策を見直すべきです。
「撤去を増やすと廃棄が増える」のです。
東京都のレポートには「撤去を増やしたから放置(駐輪場以外の駐輪)が減った」との記述がありますが、下のグラフを見ると駐輪場の収容能力自体も増えているので、撤去の強化がどれだけ駐輪場利用を促しているのかわかりません。
もちろん一定の効果はあるとは思いますが、コスト(保管所の運営や人件費)に見合っているかというと甚だ疑問です。

どう見直すべきか?
一つは駐輪スペースを増やすことです。
自転車の本質を考えると、大規模な駐輪場が一箇所にあるよりも、小規模な駐輪場が街中いたるところにある方が便利です。
どうも役所というのは駐輪場というと「しっかりした箱を作らねば」と思ってしまうようですが、小規模であれば前回書いたように一定規模以上の商業ビルには駐輪場の設置を義務付けるとか、タイムズ24のような時間貸し駐車場を数台分借りあげて公的な駐輪場として運用するとか、民間の駐輪場設置に補助金出すとか、まだまだ工夫の余地は大きいと思います。

・・・と思ってたら、実例がありました。
「放置自転車ゼロに 寺町通四条下ル、市助成で駐輪場新設」ですって。
元記事魚拓

それにさあ、撤去する方もされる方も嫌じゃないですか。むかつくし。
やっぱり人間は北風より太陽ですよ。

--
irukaは来週からまた中国の工場にいって試作第三弾の製造に着手します。「高くても欲しくなる自転車」作りますよ。

--
写真は知人夫婦に生まれた赤ちゃん。生後3週間。カワユス。萌え死。


2011年2月15日火曜日

丸の内に駐輪場を作るのだ



今回は自転車レーンに次いで重要な自転車インフラ「駐輪場」について。

東京において、駐輪場問題は大きく分けて2種類あります。

1. 主に山手線内、通勤先における駐輪スペース
2. 主に山手線外、居住地駅前における駐輪スペース

前者は主に家からオフィスまで直接自転車通勤する人向けの、後者は主に家から最寄駅まで自転車+オフィス最寄駅まで電車通勤する人向けの問題ですね。
今日は前者、都心の駐輪場問題について書いてみます。

千代田区を見てみましょう。

千代田区は人口4万人の非常に小さな区ですが、それは仮の姿。
昼間人口すなわち在勤者の人口はなんと85万人を超えます。
日本の総人口の150分の1が、皇居を除いた実質わずか10km2のエリアに毎朝押し寄せてきてるわけです。
・・・そりゃ通勤ラッシュにもなりますわ。

さらにそのうち4分の1強、23万人が、東京駅前のいわゆる丸の内・大手町エリアに集中しています。
逆に言えば、丸の内・大手町通勤者に自転車通勤が広がれば、世界に名高い東京の通勤ラッシュも少しは緩和されるでしょう。

ところが、です。
次の地図の青ピンは千代田区の区営駐輪場の場所を表しています。
ご覧のとおり区北縁部に集中していて、丸の内・大手町エリア(地図上の赤丸部分)には皆無であることがわかります。
しかも駐輪可能台数を合計しても、たった1300台分にしかなりません。



では民間はどうか。

丸の内大手町は言わずとしれたビル街ですが、なんとなんと、丸の内を代表する2大オフィスビル、丸ビル&新丸ビルには、いずれも駐輪場がないのです(三菱地所さん頼みますよ!)。
僕も前職で大手町に通っていた時はビル(大手町ビルヂング→これも三菱地所物件)に駐輪場がなかったのでダホンを折りたたんで席まで持っていっていましたが、クロスやロードで通勤していた同僚は盗難や撤去を心配しながらビル周辺の歩道に停めていました。

・・・これが現実なんですねー。

ではどうするか。
以下はまだラフですが、たたき台のアイデアを書いておきます。

ゴールを、丸の内・大手町の昼間人口23万人の5%(とりあえず、ね)12000台分の駐輪スペースを確保すること、としましょう。

自転車先進都市であるアムステルダムには中央駅前(東京駅に相当)に8000台分の巨大駐輪場があります。
東京駅にもそんな駐輪場があるに越したことはありませんが、現実的にスペース確保は至難でしょうし、自転車の本質的な利点を考えると、簡素・小規模な駐輪場(金属バーに自転車をくくりつけるだけ、みたいな)がユビキタス的にたくさんある方が使いやすいと思います。

話が変わるようですが、千代田区には「附置義務住宅」という制度があります。
「延床面積3000m2以上の建物を作るときには、一定面積以上の住宅を併設しなければならない」(さもなければお金を払え)というものです。
港区や新宿区にもありますが、要は自区内の居住人口を確保&職住近接を実現しよう、という制度ですね。

これを応用して「延床面積3000m2以上の建物に対して、延床面積の0.3%相当の駐輪場設置」を義務づけます

例えば、前述の丸ビルは延床面積16万m2ですので、480m2分の駐輪場を作ってもらいます。
地上の公開空地にスペースを確保してもいいですし、無理であれば駐車場を転用します。
駐車場は通常1台あたり5m×2.5m=12.5m2ですから、駐車場38台分を転用すれば足ります。
丸ビルは元々400台分の駐車場がありますので、1割弱を転用すれば自転車320台分(通路含めて1台あたり1.5m2必要として)の駐輪場が誕生する計算です。

新丸ビル:延床19.5万m2→自転車390台分確保
大手町ビル:延床11万m2→自転車220台分確保
新東京ビル:延床10.6万m2→自転車210台分確保
 ・
 ・
 ・
など、おおよそ各ビルの駐車場の1割強を転用してもらえば、丸の内・大手町エリア全体で12000台分の駐輪スペースは十分確保できると思われます(三菱地所だけでも30以上のビルがあります)。
附置義務住宅制度も自治体の条例ですから、区長または都知事がリーダーシップを発揮すれば実現可能でしょう。

ただ一方で(駐車場の転用が多いでしょうから)駐車場は地下にあるので、入場時のセキュリティや、つい面倒で地上の歩道に置いてしまうといった問題もあり、まだまだ工夫が必要とは思います。
まあ、たたき台ということで。

*と書いた後で、新丸ビルに月額契約制の駐輪場(月1.7万円!)ができるとのニュースを見ました。上記「駐輪場がない」という記述は厳密には正しくありませんが「誰でも使える駐輪スペースがない」という意味では誤っていませんのでそのままにしておきます。

--
写真は表参道のビル内イルミネーション。


2008年12月2日火曜日

海の森プロジェクト


海の森プロジェクト」って知ってました?

東京湾の中央防波堤にある日比谷公園の5.5倍の広さのゴミ埋め立て地に、50万本の苗木を植えて森を作ろうというプロジェクト。
2016年完成予定で事業主体は東京都、市民からの募金も財源としている。
海から都心に向かう風の道の起点として、ヒートアイランド現象の抑制とCO2削減が期待できるという。

・・・というと「ヒートアイランド現象を防ぐ科学的根拠を示せ」「温暖化はCO2のせいと断定されたわけではない」などと言って反対してる人がいるんでしょうねえ。ましてや石原都知事と安藤忠雄氏の肝いり、さらに東京オリンピックの会場としても活用するなんて言われると、拒否反応を起こす人が死ぬほどいそう(笑)。

僕は新銀行東京問題をはじめとして石原都知事には物申したい点は多いし、東京オリンピックにも反対。
ヒートアイランド現象抑制も期待どおりの効果があるかは現時点ではわからない。

それでも、このプロジェクトはすばらしいと思う。
僕たちの住む街のすぐ近くに(そう、自転車圏内です)広大な森を作る。
いいじゃん。行きたいもん、森。

もしこの森「だけ」でヒートアイランド現象を抑制できなくても、経済的な効果がなくても、森のある東京は森のない東京より確実に良い街になると思う。

さ、よろしかったらみなさんも募金をどうぞ。僕はしました。クレジットカード可。
http://www.uminomori.metro.tokyo.jp/bokin.html

--
写真は安藤忠雄氏・・・じゃなくて黒川紀章氏設計の国立新美術館。オフィスのすぐ近くだけどまだ行ったことがない。


2008年7月17日木曜日

自転車通勤、そして都市の美観


「以前は気づかなかったけど、自転車通勤を始めて気づいたこと」その2。

いや、前からわかっていたことだが、再確認したという方が正しいか。
自転車移動は、平均時速15km。街の風景を、自動車移動よりじっくりと、徒歩移動より長い距離を連続して見ることになる。

結論、東京は美しくない。

「東京ってキレイじゃないよね」と言うと、「海外の街より全然キレイでしょ」と返されることが多い。
言い方が良くなかった。
確かにCleanではある。ゴミも散乱してないし、廃墟みたいなエリアもない。
だが、Beautifulではないのだ。

安普請で調和のないビルやマンション、毒々しいネオン、通りに張り出す派手なだけで汚い看板、などなど。

昔から石造都市が基本であったヨーロッパ諸都市と比べ、由来が木造都市かつ空襲を経験した東京(江戸)に、歴史的な古い街並みが少ないのはしょうがない。
戦後の高度成長期は美しさなんかよりまず成長という時代だったろうし、そのおかげで今の日本があるのも理解している。

ただ、なんというか、街づくりのポリシーとか思いが皆無のまま、誰も「こんな街にしたい」とは願っていない街が生まれてしまったのだと思う。

「美しさ」は主観なので、街の美しさにも世界統一基準はない。
ヨーロッパの都市のように統一感がありさえすれば良いというものでもないだろう。
が、結局のところ都市は人のための存在なので、人々の思いが形になっている街は、時に迫力を伴って、美しいと思う。

日本の世界的な地位低下が言われて久しいが、もう成長はいいじゃん。成熟でいいじゃん。100年かけて美しい街をつくって、豊かに暮らせる国をめざさね?と思うのだが、どうか。

--
写真はインドのヒンズー教の聖地ベナレス、ガンジス河岸。ガートと呼ばれる沐浴場と極彩色の建物が並ぶ。
Cleanではない。というか、Cleanの真逆。牛の糞とゴミだらけだし。
でも、Beautifulなんだよなー。


2008年7月15日火曜日

自転車通勤、そしてヒートアイランド


転車通勤を始めて丸4年。
赤坂、大手町、表参道とオフィスは変わってきたが、どこも江戸川橋の自宅から30分弱。例外なく電車通勤より速い。
みなさん自転車通勤いいですよ。
何より通勤時間が楽しく心躍る時間に変わるし、実利的な効能も多い。

効能、というか「以前は気づかなかったけど、自転車通勤を始めて気づいたこと」も多くある。
ヒートアイランド現象がマジでやばいこと」もその一つ。

246など幹線道路を走っていると、自動車のエンジンと冷房による排熱が右から(たいてい自転車は車道左端を走るので)容赦なく押し寄せてくる。
たまりかねて裏道に入ると、オフィスビルや住宅の室外空調機の排熱に襲われる。
科学的な究明も不十分なようなので、何が悪い誰が悪いというコメントは差し控えるが、東京という街が「暑い→冷房強くする→排熱でさらに暑くなる」というネガティブなサイクルに陥っていることが明らかにわかる。

とーりあえずさー

 ・都心部の自動車台数を何らかの方法で減らす
 ・夏のスーツ着用を禁止する

だけ法制化できんかな。

& みなさんもっと自転車に乗りましょう。

--
写真はガンジス河を行く小舟。ドレスがキレイ。
みんなでどこ行くんだろ?


2008年7月14日月曜日

駐輪場と折りたたみ自転車


イルカオフィスを出て少し歩くと右手にGIROPPONヒルズが見えてくる。
近いのでたまにケヤキ坂のスタバに行ったりしてます。

六本木ヒルズってあれだけ広いのに、(知る限りでは)駐輪場が一つしかなく、しかも小さい。
まったくエコじゃないよな。
先輩後輩のみなさん、なんとかしてください。
森ビルOBより。

昨今、自転車専用レーン設置の議論が盛んだが(これはこれですばらしいことだけど)、自転車利用を増やすには駐輪場問題もセットで考えるべきと思う。
特にオフィスビルは、六本木ヒルズに限らず、駐輪場が整備されたビルが驚くほど少ない。
大規模オフィスビルに一定の駐輪場設置を義務づける法律を作るとか、CO2削減のためにも国策として自転車通勤促進に取り組むべきだ、と思っていて、自分でも具体的な行動を起こすつもり。

その点、折りたたみ自転車はたたんでオフィスに持ち込めば駐輪場も不要。
僕もオプト時代はそうしてました。
まあ増えすぎちゃうとオフィス内でもスペース不足になるが、学校の下足箱みたいに縦に複数段ある「自転車置き箱」を作れば折りたたみ自転車なら相当台数を置けるはず。

あと問題になるのが、ビルの入り口で折りたたんでからオフィスに着くまで、自転車を持って運ぶ距離が意外に長いこと。
これは駅で電車に持ち込むときなども同じ。
10kgの物体を手で持って歩くのは男性でもかなりきつい。

ということで、irukaには折りたたみ時に転がして移動できる機能をつけます。

(参考)
ドイツ・オランダの自転車レーンおよび駐輪場事情

--
写真はガンジス河に流すお供え物。
僕も一つ買って舟から流してみた。
朝焼けの薄明るい川面をロウソクの灯が流れていく様はなかなか絵になる。