2014年5月29日木曜日

iruka 4.1、そして台湾再び

前回までのあらすじ:
4月上旬、中国で作っていたiruka試作第四弾が到着。いじってみた結果&強度解析の結果、フロントフォークの機構をもう一案作って試すことに。

そして今回は:
フロントフォークの新機構、日本で作りました。
んで届いた。


中国に比べたらコストははるかに高いけど、さすがのジャパンクオリティ!
仕上がりの美しさ、精度、完成に至るまでの意思疎通の細やかさ、全てレベルが違う。
値段は高いけど良い、良いけど高い。うーん。日本のものづくりのジレンマです。

設計上の課題はほぼほぼ解決できた感じなので、次のステップへ。

次回のあらすじ:
新フロントフォークに付け替えたiruka 4.1を持って、来週台湾に行きます。
当初irukaは台湾で量産するつもりだったけど、最初に頼った紹介者が上海出身で上海周辺の工場にネットワークがあったこと、台湾よりもコストが安かったことから、試作第四弾までは中国の工場で進めてきたという経緯がある。
なんだけど、最近中国(特に沿岸部)の人件費が上がって台湾と大差なくなってきたのと、台湾人コーディネータが台中で良さげな工場を見つけてきてくれたので、台湾での生産を再び検討してみようかと。

通うなら中国より台湾の方がいい。
台南で波乗りもできるしさ。

というわけでちょっと行ってきます。カラスミ切れてるから買ってこよ。

--
冒頭の写真は上野公園にて。何の木かは知らん。植物名に疎い。


2014年5月28日水曜日

文化を変える=何も変わらないフラグ


僕もメンバーであるNPO自転車活用推進研究会の主催で、先週「自転車ツーキニスト大集会〜めざせTOKYO自転車革命」というイベントが開催されました。

国道246号の駒沢〜三軒茶屋間にバス自転車共用レーンが設置される(!)のを機に、現役バス運転手とサイクリストらでバスと自転車が安全快適に共存する方法を話しあおう、というもの。



詳細は記事と動画でどうぞ。

毎日新聞
サイクルスポーツ



んで僕も発言させていただいたのですが(動画の1:42:05あたりから)、ここでもう一回。

都知事選キャンペーン(新都知事とつくろう、TOKYO自転車シティ)のときもそうでしたが、「自転車レーンを作ろう」と言うと、「路上駐停車をなくさないと無意味だ/逆走など自転車のマナーを直さないと意味がない=日本の交通文化を変えるのが先決だ」という趣旨の意見をいただくことがあります。

そのご意見もわかるのですが、ただですね・・・

大阪市が自転車レーン整備の効果検証結果を発表しています。
路側を青く塗って自転車マークと進行方向の矢印を描いた、いわゆるブルーレーンが作られたわけですが、曰く

自転車の車道逆走 27%から14%に半減
長時間(5分以上)の駐停車 322台から197台に4割減


となったとのこと(いずれも平日)。

自転車レーンの本質的な役割は自転車の走行空間を確保することですが、レーンのデザイン次第で、正しい交通ルールを示すサインとしても機能するということです。

(写真は大阪市HPから拝借)

路上の色が違えばドライバーも「ここクルマ停めたらやばいよな」と思うし、矢印が書いてあれば逆走自転車も「今自分はまずいことしてるよな」とわかるわけですね。

もちろん、逆走がゼロにはなっていない、駐停車の総台数はほとんど変わらない、自転車の車道通行率は整備後も52%にとどまっているなど、レーンを作っただけで解決するわけではないこともわかります。地道で長期的な教育啓蒙や取り締まり強化も同時に必要でしょう。

ただ、「教育啓蒙や取り締まり強化によって文化を変えてからインフラを整備する」のと「直感的に正しい使い方がわかるようにインフラを整備し、同時に教育啓蒙や取り締まり強化で補強する」のでは、スピード感が全く異なります。
ていうか、「文化を変える」なんてのは「何も変わらないフラグ」ですよ。

というわけで、東京を具体的に変えるべく、都知事選キャンペーンに続くフォローアップキャンペーンを企画中です。

--
冒頭の写真は、安曇野の森の中。毎度のことながら内容とは関係なし。