2008年6月26日木曜日

irukaのメインターゲット


今週からロゴ開発のためデザイナーとの面談を開始。
昨日お会いしたのは自転車雑誌のエディトリアルも手がけている方で、ご自身は自転車に乗るわけではないが考え方に共感する点が多く盛り上がった。

特に共感いただいたのが、irukaが「自転車愛好家『以外』」をメインターゲットとして、「カッコいいから」「楽しいから」自転車に乗るというポジティブなムーブメントを作りたいとしている点。

彼曰く
「日本ではスポーツというと『部活』的なストイックな取り組みがまだ主流であるが、本質は楽しむことのはずだ」
「温暖化などの環境対策も、精神論で人々に我慢を強いても続かない。経済合理性や楽しさが必要だ」

僕も部活スポーツ出身者でストイックは嫌いではないが、同感である。
株式会社のイルカのビジョンは「ベンツに乗れる人が好んで自転車に乗る社会は、きっと今とは少し違う」。
ベンツなど高級車を持てるような人々が「自転車に乗る方がカッコいい」と言う価値観の社会になれば、地球温暖化など多くの問題が解決に向かうと思っている。
「健康のため無理して」「環境のため我慢して」では続かないじゃん。

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写真はノルウェーのソグネフィヨルドにて。
フィヨルド観光のフェリーが出発すると、乗客がまく餌を期待したカモメが追いかけてくる。
船内でかまやつひろしそっくりの母親と息子(こちらは全く似ていない)の日本人二人連れがビールを飲みまくって泥酔していた。
下船後かなり長い時間バスに乗ったはずだが、トイレは大丈夫だったろうか。
北欧、寒いから。
って余計なお世話か、ムッシュ。


2008年6月24日火曜日

上場のついでにJパワー問題


上場について、イルカとは関係ないが思い出したのでついでに。

上場とは、本質は株主を出入り自由な状態にすること。
自由に出入り=自由に株を売り買いできることは、それだけで価値がある。
一般的に(あくまで一般論)上場すると非上場のときより株価は高く評価される。流動性プレミアムである。

先月の話だが、イギリスのファンドTCIによる電源開発(Jパワー)の株式取得に対して、経済産業省と財務省が中止命令を出した。

「電気の安定供給や原子力政策に影響を及ぼす恐れがあると判断した」とは経産省のコメント。
僕も電力行政についてはまったくの門外漢だが、そのような恐れがあるならば、
①電源開発社を非上場にする
②電力供給など操業面で法規制を設け(既にあるのだろうけど)、国のライフラインを担保する
とすべきであって「上場は維持したまま、株式の取得を制限する」のは不合理である、と思う。

くどいようだが、上場の本質は株主を出入り自由な状態にすること。
国家が株主を制限するのは、上場の本質を損なっている。

だいたいさー、
外国人が株主になっちゃいけないといっても、
日本の資本で日本に本社があるけど経営者がバリバリのアメリカ人のファンド とか
資本も所在も経営陣も純日本だが、社長がアレなファンド とか
どうすんのよ。

マーケットを国家が制限しようと考えることが間違っている、というか、そうなったらマーケットではない。

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旅先での写真。
ノルウェーのベルゲンで見つけた「小便かけられ小僧」の像。
どんなシチュエーションなのか、かけられまくって小僧号泣。
かける方も、四方向からかけるのはどうよ。



2008年6月23日月曜日

株主ただ今1名


株式会社イルカは株主も私一人です。
イルカは上場はめざしません。
事業資金は会社の利益と僕個人の財力の範囲でまかないます。
ということで、これからも株主は僕だけでいくつもり。

イルカは「自転車ベンチャー」と言われることがあるが、しっくりこない。
「ベンチャーキャピタルがリスクマネーを投資し、上場のキャピタルゲインで一攫千金を狙う」ということがないし、「ベンチャー企業」よりも「スタートアップ企業」の方がフィットする感じがする。

「上場」とは「株主が自由に株を売り買いできる状態にすること」なので「株主が出入り自由な状態にすること」とほぼ同義。
株主とは「会社にリターンを要求し、不満であれば経営者をクビにできる(または株主であることを辞める)」存在なわけなので、上場は経営者を割と、というかかなり面倒な状態に置く。

にもかかわらず上場をめざすベンチャー経営者は多いが、なぜそんな面倒なことをしたいのか?
いくつかのインセンティブがあるが、もっとも本質的な理由は資金調達が容易になるから。

逆に言えば、資金調達の必要がない、すなわち自己資金の範囲で事業を発展させるか、そもそも事業を拡大する必要がない(これ、今後の社会ではリーズナブルな経営戦略の一つだと思う)のであれば、資金調達の観点でいえば上場する必要はない。

僕はオプトで上場を体験し、それは本当にすばらしい経験だったが、一回やったからもういいです(笑)。
イルカでは必要ないんだもん。

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坂が好きなわけですが、文京区の自宅周辺にはなかなかの良坂が多い。
写真は自宅マンションを出てすぐ、椿山荘方面に登っていく坂。
この本で初めて名前を知った。七丁目坂という。


2008年6月20日金曜日

社員ただ今1名


現在、株式会社イルカの社員は私一人です。
おいおい人も増やすが、極力少人数でいきたいと思っている。
なぜ?と聞かれると「それが好みだから」というのが正直な答えだが、さらに言うと、僕は大きな組織をマネジメントすることが得意でも好きでもない。
小さなチーム(もしくは一人)で、自分も手を動かして何かを作り上げて行くのが好きだ。

以前はそんな自分を変えなくてはと思った時期もあるが、もうやめた(笑)。
16年ビジネスマンやってきてはっきりわかった。
知識やスキルは身につくけど、好き嫌いは変わらないっすよ。

だからイルカでは社員をできるだけ増やさず、製造工程をはじめアウトソーシングをフル活用するつもり。
上場を狙うのでなければ、経理や人事など管理系業務も大部分はアウトソースできる。

まあ、あとはこじつけかもしれないが、人を増やさず業績を上げる=一人あたり生産性を高めることは日本にとって良いことだと思っている。
日本はGDP総額は世界2位だが、一人あたりGDPは20位以下。
少子化でも一人あたりの分け前が大きくなればいいじゃん、生産性高めることを議論した方がよくね?と思ってしまうが、乱暴だろうか。

イルカは、経営指標として「一人あたり営業利益+給与」を重視します。

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昔から坂が好きでして、風情がある坂を見つけると足が向かってしまう。
大学入学で上京したとき、坂がある街に暮らしたくて横浜の妙蓮寺に住んだ。
写真は小日向で見つけた小さな階段坂。
この小ぶりさ、勾配の急さ、苔むした感じがすばらしい。



2008年6月18日水曜日

ブランディング事始め

イケてる製品を作ることと同じくらいか、もしかしたらそれ以上に、irukaをイケてるブランドにできるかが事業の成否のポイントになると思っている。

オプトのマーケ部門の有志3人がirukaのブランド開発を手伝いたいと言ってくれて、起業以来何回かミーティングをしてきた。
ペルソナを定め、タグラインを考え、というステップを踏み、次はロゴマーク開発に取りかかる。
数人のロゴデザイナーをピックアップし、来週から面会を始める。

というわけで、デザイナー向けにiruka事業を説明するドキュメントを作っている。
話を聞いたデザイナーが一消費者としてirukaのアイデアに魅力を感じてくれるか、一緒にブランドを作りたいと思ってくれるか、本質的には事業計画書と同じだが、事業計画書以上に簡潔でなければいけない。
シンプルにすることは、複雑にすることよりも(当たり前だけど)難しい。
irukaは折りたたみ機構をはじめ複数の差別化ポイントを持っているが、何を最大のポイントとして打ち出すか?引き続き悩んでます。

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写真は自転車通勤途中にある小さなお社。
このようなお社はよく見かけるが、誰が所有し、誰が維持運営しているのだろう。
所有と経営は分離しているのか。


2008年6月16日月曜日

フォーカス、再び


先日も書いたとおり、製品デザインが固まりつつある。
個性的でありながら奇をてらっておらず、かなりイケてると思う。
たたんだ時のサイズと持ち運びやすさの点で、折りたたみ機構も独創的だ。
このまま製造できれば(まあ、量産にもっていくまでも大変なわけだが)非常に優れた製品ができるだろう。

しかし。しかしだ。

ここ数日で、実は迷いが生じている。
きっかけは
この本を読んだから。
アル・ライズの著作は大好きだが、この「フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法」はまだ読んでいなかった。
図書館で見つけて借りてきました(笑)。

迷いというのは、一言で言えば「今のままでは差別化が弱い」ということ。
起業を決意してから今に至るまで2年近くirukaの戦略を考えて来、それなりに手応えを感じていたが、やはりまだフォーカスが甘い。
「考える」という行為に満足してしまっていたかもしれない。

高級折りたたみ自転車および小径自転車のカテゴリには、現在4つのメジャーブランドがある。

R&M Birdy(日本名BD-1) ドイツ
Brompton イギリス
Dahon アメリカ
Alex Moulton イギリス

偉そうに言えば、彼らは決してマーケティング戦略的に優れた企業というわけではない。
しかし、長年市場がニッチのままで(折りたたみ自転車市場については改めて書く)、かつ彼らが「野心的でなく、製品ラインを拡張しなかった」ため、それぞれ強固なブランドイメージができあがっている。

R&M Birdy =もっともよく走る
Brompton =もっとも小さく折りたためる
Dahon =もっとも価格が手頃
Alex Moulton =もっとも高級で精巧(お城の中で全て手作りで作られている→ホント)

この中に、シンプルでわかりやすいフォーカスで入り込まなくてはならない。
irukaは既存ユーザー以外の、非愛好家の人々をメインターゲットとする点にフォーカスのヒントがあるわけだが・・・考えよっと。

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家の近くに図書館があって重宝している。
休日ぶらぶら散歩して本とCDを大量に借りて帰る。
全部タダですよ(笑)。
なにげに図書館の雰囲気が好きでもある。
写真は図書館まで歩く途中にある教会、東京カテドラル。


2008年6月13日金曜日

My First 折りたたみ自転車


現在の愛車、DAHON Heliosちゃん。
4年前にこの自転車を買ったことで人生が変わった。
上場企業役員から自転車屋ですから(笑)。

元々僕は自転車愛好家でもなんでもない。
結婚を機に夫婦で自転車を買おうと入った店で出会い、折りたたみ自転車にはまった。
Heliosはよく走るし軽いし(9段変速、重量10kgちょっと)見た目もなかなかイケてる。
しかし、当然ながら100%満足というわけではない。

・軽いとはいえ、持ち運ぶには重い
・なかなかイケてるとはいえ、感動するほどカッコよくはない
・オイルさしや掃除などメンテナンスが面倒(自動車に比べればなんてことないのでしょうが)

irukaは上記は全てクリアする予定。
どんな自転車になるか、irukaを通じて僕が何をしたいのか、おいおい書いていこうと思います。


2008年6月10日火曜日

悲しい色やねん


irukaの設計を手伝ってくれているパートナーとの打ち合わせのため、朝の新幹線で大阪へ。
僕はCADも図面引きもできないし、そもそも自転車の製造工程などまったく知らなかったため、手伝ってくれるプロを探そうと1年半前にGoogleで検索して見つけたのが大阪在住の梁さん。
設計から生産管理まで一気通貫でサポートしてくれる、自転車業界専門のデザイナー兼コンサルタントである。

これまでずっと、僕のスケッチを元に彼がCADを起こしては修正するという作業を続けてきたが、ようやく今日のディスカッションで基本的なデザインが固まった感じ。
細部はまだまだだが、irukaの名にふさわしいイケてるフォルムになっていると思う。

これからはディテールの詰めと並行して、デザイン図面を元に重量を積算し、素材と製法を決める工程に入っていく。
発売開始までの道のりを考えるとまだ5%にも満たない進捗であるが、楽しい。
テンション上がります。

写真は大阪港。悲しい色やね。


2008年6月9日月曜日

Macと銀行


4月のこと。
赤いメガバンクで会社の銀行口座を開く。
ネットバンキングを使いたい、と言うと、窓口のお嬢さんに「月額費用がもったいないから一番安いのでいいんじゃないすか」とぞんざいにパンフレットを渡される。
なめられてる感100%だが、原因はTシャツ+ジーンズの自分にあると思い至り、ありがたくパンフレットをおしいただいて帰る。

オフィスに戻って読んでみると、なんとMac非対応とある。
動作保証できないだけで動くは動くでしょ、と思い電話サポートにかけてみると「OS8以前はまだ使えてましたが、OS Xはまったく動きません」。
調べてみると、青いメガバンク、緑のメガバンクも法人向けネットバンキングではMacは使えず。
りそな、新生、東京スターはMac対応OK。

とりあえず新生で口座を開いて支障はなくなったが、メガバンクさん、総合金融サービスをうたうならとことん総合化してくれ。
それが嫌なら総合の旗印はおろして投資銀行でも中小企業金融でもフォーカスすればいい。
その方が面白そうだし儲かりそうだけど。

写真はオフィス近くの青山霊園。この坂を下ると西麻布。
春は桜のトンネルになります。


2008年6月6日金曜日

irukaオフィス


株式会社イルカのオフィスは、表参道の青山霊園にほど近いシェアオフィスにある。
受付共同・接客スペース共同、専有面積は1.5坪でオプト本社時代の800分の1だけど、快適。
「自宅から自転車で30分前後の距離で、緑が多いところ」という希望条件にぴったりで、オフィス探し初日に即決した。

広いウッドデッキがあって、晴れている日に外で食事したり打ち合わせしたりすると気持ちがいい。
東京ミッドタウンが正面に見える。


2008年6月5日木曜日

ブログ、始めます。


創業から14年勤めた株式会社オプトを2008年3月末に退社、折りたたみ自転車ブランド"iruka"を展開すべく、株式会社イルカを設立しました。
電通との資本業務提携(僕の最後の大仕事でした)の発表直後のリリースだったため、「干されたか」「内紛か」など憶測を呼んだようですが(笑)、1年以上前から準備していたことでした。

このブログでは創業の記録を残すつもりですが、なんせ今は設計と事業計画のフェーズなので書くことがほとんどない(笑)。
旅先や日常で撮った写真でお茶を濁すことが多くなりそうです。

ということで、写真は現在の唯一の同僚にして部下のMacBook君。
Appleラブ。ウェルカムiPhone。ビバソフトバンク。