2009年12月25日金曜日

デフォルト、世界


もう年末ですね。
だから何だってこともないんですが、まあ起業して2年目の年が暮れ、製品を発売するであろう年(そう、何とか来年中には...)を迎えるにあたって、改めて決意したというか、常に意識しようと思ったことを書いておきます。

デフォルト、世界を相手に考える、ということ。

具体的には、irukaは(まずは日本市場から出すけど)日本限定ではなく、世界市場で販売し、世界で認められる製品にする、ということです。

Googleの二人の創業者やAppleのSteve Jobsから「世界を変える」と聞いても、「アメリカを変える」とは聞いたことがありません。
一方で、日本の起業家、例えばソフトバンクの孫社長や楽天の三木谷社長のような方々からは「日本を変える」とは聞いても「世界を変える」とはなかなか聞きません。

irukaは、世界を相手にしたい。
日本だけでなく世界を、ほんの少しでも良い場所にする製品を作りたい。

もちろん僕なんぞ、上に挙げた方々に比べたら、器も才覚も能力も、足元どころか足元から半径100キロにも及びません。
1000億規模の会社を作れるようなタマでないことは自分が一番よくわかっています。
だから、フォーカスします。
僕レベルの人間が世界を相手にするには、フォーカスするしかありません。
折りたたみ自転車という非常に小さな分野ではありますが、とことんフォーカスして、「世界で認められる会社」をめざします。

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相方の出張に便乗して金沢と白川郷を旅行してきました。写真は白川郷にて、柿の木。


2009年12月17日木曜日

上海でirukaも考えた


上海で思ったことを備忘メモ的に書いておこうと思います。
ほとんどTwitterでつぶやいたことのまとめですが。
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言うまでもなく、成長著しい。万博を控えて街の全ブロックが工事中、排気ガスと粉塵で一日中霞がかってる感じ。

タクシー代と地下鉄代を除いて日本との物価差はなくなりつつある。食事、宿泊、衣服など、東京>僅差でシンガポール>僅差で上海。

日本はデフレ→特に嗜好品は近い将来物価差はなくなる。したがって日本人はもはやカモではなくなる。騙されにくい、という意味ではなく、騙してもメリットがなくなる。以前は、極端に言うと、日本で1万円・中国で1000円で買えるものを5000円で売ることで4000円の鞘を抜けていたのが、今は日本で9000円・上海では7000円で買えるものを8000円で売って鞘が1000円しかない、みたいな。

ゆえに、日本人向けの商売は減る。日本語を学ぶ中国人も減る。代表的なところでは日本人向けのKTVとかも減る。当たり前だけど、中国語の重要性は増す。

とはいえ、上海の成長もさほど長くないのではないか。環境汚染、渋滞、格差拡大など成長の痛みは殊の外大きい。役人の腐敗は聞くだにひどい。役人になれば30代でマンションと自動車を複数持てると。経済成長と両輪であるべき民主主義の発展はまず期待できない。とてつもないアンバランス。日本の高度経済成長も18年で終わったし。上海の一人あたりGDPは現在100万円弱。どこまで伸びるか。

ただし中国が末恐ろしいのは、たとえ上海の成長がスローダウンしても、一人あたりGDP80万円の大連、同70万円の天津、同60万円の瀋陽、同20万円の重慶など、まだまだ成長余地の大きい都市がいくつも控えていること。とにかく色々な意味で、良くも悪くも、末恐ろしい。「悪くも」の代表は、地球環境への影響。

末恐ろしいからと言って、派遣村の村長の言うようなヒステリックな保護主義的反応だけは絶対にしてはいけない。中国含めて他国を敵とみなしても良いことは何もない。元同僚がTweetしていた名言をそのまま転用させていただくと「アジア全体を内需だととらえるぐらいの発想が必要」。

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今回の上海は羽田発着だったんだけど、やはり羽田は良いです。近いし、空港から市街へのアプローチで目にする風景も成田の100倍良い。さらに言えば、ちょっと遠回りしても、湾岸エリアを経由して勝鬨橋かレインボーブリッジで銀座に入っていくシャトルバスを作れば良いと思う。東京は海から見た姿が一番イケてる。特に夕方とか。写真は有明のマンション高層階から見た東京の夕暮れ。


2009年12月10日木曜日

iruka試作初号機キックオフ@上海


もう先週のことだけど、iruka製造について上海の工場に打合せに行ってきました。

今回が2回目のミーティングだったけど、非常に生産的でした。
今後の進め方、製法、素材など大どころが大体全部見えて、かなーり視界がクリアになった。
次のステップは、この工場で試作初号機を作ります。
あと特許の申請にも動き始めないと。

弐号機、場合によっては参号機まで作ってから量産を開始するので、まーまだまだ時間かかります。
でも楽しくやってます。
世界最高の折りたたみ自転車を作ってるわけですから。

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先日からGoogle日本語入力を使ってるけど、「にごうき」と打つと「弐号機」が一発で出てくる。
Googleすごい。。

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写真は外苑前のイチョウ並木。まっきっき。


2009年12月3日木曜日

近年稀に見るイケてる肩書き


昨日上海から戻りました。
工場とのミーティングは非常に生産的でテンション上がりました。

その話はまた今度書くとして、今日は下らない話だけ書きます。

古巣のCFO時代、銀行の人から「小林重役」と呼ばれたことがあります。
こっちが若僧と思ってバカにしてるのか。
もしくは昭和のサラリーマンプレイか。

弁護士から「取り締まりCFO 小林様」という宛名のメールをもらったことがあります。
この先生に弁護をお願いしても大丈夫でしょうか。
大丈夫じゃないと思いますw

某バンドのヴォーカル担当の人が酔って暴れただかで逮捕されて「調べによると、清水ボーカルは〜」と書かれたニュース記事を見たことがあります。
この人がドラム担当だったら「清水ドラムス」とか書くのかな。
カスタネット担当だったら「清水カスタネット」だし、トライアングル担当だったら まあいいや。

でですね、上海でいわゆるKTVと呼ばれる飲み屋に連れてかれたわけです。
そこでチーママを名乗る女性から名刺をもらったのですが、肩書きがイケてました。

 ママ代理

主要顧客である日本のサラリーマンが一瞬にしてその責務と権限を理解できる見事な肩書き。
僕的には近年稀に見るヒットです。

まあこの手の日本人向けに特化した店はもうすぐなくなる運命にあると思いますが、それはまた今度。

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写真は上海万博のマスコット像。
まだ万博始まってすらいないのに露店にはパチもんが溢れてるそうですw


2009年11月26日木曜日

羽田とインチョンをつなぐのだ その2


前回より続く)成田と羽田なら、羽田から海外に行けた方が個人的にも嬉しいし国にとっても良いと思う。

なんですけど、今話題の「羽田ハブ化構想」って無理だと思うんですよね。

まず、もう韓国のインチョン空港が完全に国際ハブ空港として機能してるから。
成田から海外94都市にしか就航してないのに対し、インチョンからは160都市に飛んでる。
2001年に開業したばかりなのに、既にハブ網が構築されてるわけですよ。
だから、羽田だろうが成田だろうが関空だろうが、インチョンからわずか2時間の日本に航空会社がもう一つハブを作るとは思えない。発着料もケタ違いに高いし、インセンティブがない。

それとハードの問題ね。
インチョンは4000m級の滑走路が3本稼動してて5本目まで計画が決まってるけど、羽田は3000mが2本と2500mが1本あるのみで新しく2500mを作ってるところ。
3000mじゃエアバスA380とかでっかい飛行機の欧米便は飛べないからね、滑走距離が足りなくて。
あと行った人はわかると思うけど、まあユーザー向けの施設の充実ぶりは羽田なんかとは彼我の差がありますよ。
キレイだし広いし店も多いし。

というわけで今さら羽田をハブに、なんて無理です。たぶん。
(成田はもっと無理だけど。滑走路が2本しかなくて拡張不可能だし騒音問題で24時間飛べないし)

で、実現してほしいのが、羽田〜インチョン便を飛ばすこと。
24時間、毎時1本くらいの勢いで、ガンガンに、シャトルバス感覚で。
もう羽田はインチョンの出張所になります的な姿勢で。
来年は羽田〜チャンギ便をシンガポールエアが飛ばすようなので、インチョンともつながれば羽田から全世界と行き来できますよ。
マジ希望。

とりあえず、月曜に羽田から上海に発ちます。

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森永卓郎氏が「羽田、成田、関空でスクラムを組んで仁川空港に対抗せよ」なんてコラムを書いてるけど、そもそも3つに分かれてたらハブじゃないだろとw。

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写真は朝焼けのヘルシンキ空港。


2009年11月25日水曜日

羽田とインチョンをつなぐのだ その1


来週の上海行きは羽田発。前の2回は成田だった。うれしい。
何がうれしいって、近い。
文京区の自宅からだと、成田までは2時間かかるけど、羽田までなら1時間。

このエントリは羽田をハブ化するとかタラタラ語ってないで早く羽田をインチョンにつなぐべきだ、と言いたくて書き始めたんだけど、まずは成田について書いておこうと思います。

首都および首都に準ずる大都市の空港はこれまでたぶん20以上使ってるけど、成田は外国人の出鼻をくじいてテンション下げる圧倒的世界No.1空港だと思う。

施設面とかは置いといて、何と言っても物理的な遠さとコストね。
僕は京成線をよく使うけど、特急で1時間10分かかった挙げ句に、連れてかれるのが日暮里とか上野でしょ。新宿とかに泊まるならさらに30分以上電車に乗らなきゃならない。
それでは、と京成スカイライナーにしたら特急と10分しか変わらないのに料金が倍、いきなり2,000円。
成田エクスプレスなら東京駅や新宿に直通で行けるけど、所要時間は大して変わらないのに料金は3,000円強。本数も毎時2本しかない。
んでもって間違ってタクシーなんか乗った日にゃ、都心まで2時間かかった上に料金25,000円也って、もう外国人暴れないのが不思議。
実際日本はデフレでヨーロッパなんかよりよほど生活物価は安いのに、入国して初めて払う料金がこれじゃ、先入観どおり「日本は物価が高い国」で脳内ポジション確定ですよ。

シンガポールのチャンギ空港なんかだと市街までタクシーで30分ちょいで1,000円いかない。
ロンドンとかパリとかヨーロッパ諸都市も電車やバスで1,000円前後で小一時間で着くし、タクシーでも1万円以上はかからないですよ。
バンコクとかデリーとか東南アジア諸都市は渋滞で時間かかるけど料金は安いし。

あえて成田の対抗馬を上げるならニューヨークのJFKか。
渋滞にもよるけど車で2時間近くはかかるもんね。
でもですよ。12時間のフライトと時差ボケの上に2時間近く車に乗ってヘロヘロになって最後にマンハッタンに入るとき、いきなり目の前にドカーンとニューヨークの高層ビル街が現れるわけですよ。映画とかで見たそのままの姿で。
おのぼりさんの価値観だけど、あれはテンション上がりますね。
成田にはそういうのもない。日本情緒溢れる水田地帯を通るわけでもないし。

いやホント、日本進出を検討するために来日した外国人経営者も、成田から入ったらテンション下がることはあっても上がることは絶対ないね。
損してると思うなあ。

長くなったので羽田とインチョンの話は追って。

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写真は機上から見た空。確かヘルシンキ上空。


2009年11月24日火曜日

ビバ空洞化


来週また打合せに行きますが、目下irukaは上海の工場で生産する方向で話を進めてます。

日本では、自転車の量産は実質的に不可能。
コストがどうこうと言うレベルではなく、発注できる工場がないのです。
10年前、そう、わずか10年前には自転車の国産対輸入比率は7:3だったのに、中国や台湾の工場に押されて今や国産比率は1割未満。
いわゆる「空洞化」が進んでいるのです。

と書くと何かネガティブに響くけど、自転車産業に限らず、国全体としては製造業の空洞化はポジティブな必然でしょう。
日本人の人件費が高くなった、すなわち日本人が豊かになった結果なわけですから。

なんですけど、こんなご時世だと、派遣村とかいう村の村長氏のように「海外生産はけしからん、日本企業は国内で生産して雇用を創出せよ」みたいなことを言う人が出てくる。
規制も保護主義も国全体の経済活動にはマイナスでしかないと、簡単にわかりそうなものだけど。

だいたい、最近とみに思うのは、今や企業の国籍を問うこと自体意味がない、ということ。

例えば、
ソニーや日産なんて外国人株主比率は5割超えていてトップも外国人だし。
ボルボは元々スウェーデンの会社だけど米国フォードの傘下に入って次は中国企業に買われるみたいだし。
アメリカのビール会社上位3社(バドワイザー、クアーズ、ミラー)は全てベルギーと南アフリカの資本だし。
もう、どこの国の企業か定義すること自体が不可能でしょ。

だから政府は、企業を規制しようとか保護しようとか、はたまた育てようとか下らないこと考えずに、国籍を問わず企業が活動しやすい環境づくりだけに集中していただきたい。
でもって、どの企業が勝とうが負けようが、企業が外需で稼ごうが内需で稼ごうが、日本の法人税収が増える仕組みだけ考えていただきたい。
それが結果的に日本を豊かにするし、世の中を変えるイケてる製品やサービスが日本から生まれる土壌作りになると思う。

もっとも日本は、健全で安定した政治体制(少なくとも、政府が企業に賄賂を要求して従わないと資産を没収してしまう、なんてことは起こらない)、治安、インフラという基本的な条件は世界トップ中のトップなわけで、あとは規制をなくして法人税率下げて(民主党は中小企業の税率下げるなんて言ってるけど、中小企業が大企業に成長する意欲を失わせる逆インセンティブであり愚策中の愚策)羽田からインチョンに直行便を飛ばせば、ぐぐっと魅力的になると思うんだけどな。

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写真はモンサンミッシェル。オムレツ、まずかった。


2009年11月10日火曜日

iruka、上海へ


月末に上海に行くことになりました。
iruka試作ゼロ号機を持って8月に会った製造パートナー候補を再訪予定。
うまく話が進めば量産を前提とした試作初号機(ヲタぽいな。。)製作に入ります。うまく進めば、ね。

前回上海に行ったときの話をあまり書いてなかったけど、その理由の一つは、上海ではBlogger(僕が使ってるGoogleのブログサービス)につながらなかったから。
そう、上海、というか中国では、BloggerやTwitterなど、国際ソーシャル系というか、世界に向けて個人が情報発信できるサイトにはアクセスできない。もちろんYouTubeもダメ。
前半は携帯のiモード経由でTwitterに投稿してたけど、後半は携帯からもつながらなくなった(Twitter側でもサーバートラブルがあったみたいで、原因はわからないけど)。
mixiやAmebaは問題なく見れて、これはまあ日本ローカルと判断されてるのかと。ちょっと寂しい感じもする。

言いたいことが言えるというのは、日本は、というか民主主義国家というのは本当にすばらしい。
水や空気と同じで、民主主義はなくならないと価値がわからないのかも。大切にしないと。

ともあれ三回目の上海、楽しみです。

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写真はノートルダム寺院。でけえ。


2009年11月4日水曜日

会社の存在意義


ひところ「会社は誰のものか」の議論が盛んだったけど、「会社は何のために存在するか」はあまり話されることがない気がする。

ものすごく乱暴に言うと

1. 利益を生むため
2. 雇用を生むため
3. 事業を行うため

の3つが回答としてありえるかと。

正解などなく、どこにどれだけウェイトを置くか経営者の価値観の問題だと思うが、僕は3だと思っている。というか3が好き。
会社は事業を行うこと、すなわち事業を通じて社会(その中に顧客が含まれる)に何らかの価値を提供するために存在していて、利益も社員も事業を行うためのリソースである、という考え方。
やりたい事業があり、その実現のために会社が必要である、と。

だから「この事業の発展が社会を直接良くすると自分が信じる事業」があればそれに没頭するのがハッピーだし、それが真にイケてる製品やサービスを生み出す必要条件の一つだと思う。
事業よりも人ありきとか、成長分野なら何でもやるという考え方は、アリとは思うけど、僕はちょっと違うな。つか、そうはしたくない。
古巣オプトの創業時は「まず起業ありき」で何を事業とするかは手探りだったけど、今はやりたいことが明確にある。

株式会社イルカは「折りたたみ自転車irukaの製造販売を通じて『常に自転車と共に行動するライフスタイル』を広めることで、ベンツに乗るより自転車に乗る方がイケてると言われる社会を実現する」ために作った。
まだ製品はできてないんですけどねw

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写真は薄暮のパリ。


2009年11月2日月曜日

クルマブランド自転車の仕組み


シボレー、ジャガー、ローバー、オペル、ランボルギーニ、などなど、街中に溢れるクルマブランドの自転車について解説します。

まず下の3枚の自転車を見てください。
それぞれ上から、シボレー、ローバー、ハマーとなっていますが、全て同じ車体の自転車です。





結論から言うと、クルマメーカーはこれらの自転車の製造には全く関与していません。どころか、本社ではこんな製品が世に出ていることすら知らないでしょう。

このビジネスには、ざっくり以下の三者の登場人物がいます。

 日本の商社
 クルマブランドのライセンス管理者
 中国の自転車メーカー

日本の商社は、クルマブランドのライセンス管理者に「うちの自転車にお宅のブランド名を貸してくれ」と持ちかけます。
もちろん有償です。
ライセンス管理者、という人たちには僕は会ったことがないのですが、例えばランボルギーニだとランボルギーニ家の分家の息子が任されているなんて話を聞いたことがあります。

同時に、商社は中国の自転車メーカーを訪ねて自転車の車体を買い付けます。
中国のメーカーの多くは、作った自転車を自社ブランドで販売しながらも、他社にOEM供給もしているのです。
めでたく話がまとまると、中国のメーカーは自社の自転車にクルマブランドのシールを貼り付けて日本の商社に納品、商社は自転車屋さんに、自転車屋さんは消費者に販売します。

上記のケースでは、3社の商社が同じメーカーの同じ車体を買い付けているか、同じ商社が複数のクルマブランドのライセンスを持っているかどちらかでしょう。

まあプロセスはどうであれ、それが良い自転車であれば何の問題もありません。
が、一般的にこういった自転車は、ブランド名からの期待値に対して品質は今ひとつと言わざるを得ません。
この手のクルマブランド自転車には折りたたみ車が多いのですが、「折りたたみ自転車は遅くて重く低品質」というイメージを強めてしまっているのは残念です。
無名ブランドの自転車に比べて期待値との落差がより大きいわけですから。

片山左京だか右京だか、昔クルマの運転手をしていた人が自分のブランドで自転車を売っていますが、これも同じ仕組みです。
下の2枚の写真、上は片山氏のブランドの自転車、下は別の会社が異なるブランド名で売っている自転車です。
同じですね(泥よけなど一部のパーツは異なりますが)。




彼は本格的な自転車乗りらしいですが、あまり友達にはなりたくありません。

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冒頭の写真はパリ、セーヌ川とエッフェル塔。ベタ。

2009年10月30日金曜日

iruka、走る



月曜から水曜まで三日間、大阪にいた。

最初の二日はデザイナーの梁さんとiruka試作ゼロ号機をいじりながら設計ミーティング。
ゼロ号機たんは僕の手元にあったときはまだ走るというより「またがれる」レベルだったが、梁さんが手を入れて(彼は自転車整備士の資格も持っている)ガシガシ走れるようになっていた。

写真を撮り忘れてしまったけど、ビルの廊下(かなり横に広く、人通りがほとんどない)を走りまくった。
うん、かなり走ります。
今の状態でこれだけ走るということは、ジオメトリは完璧と言っていいかも。
あとは車体を軽くしてギア比を大きくすれば、街乗り自転車としてはトップクラスの走行性能になるはず。期待大。

三日目は堺の自転車専門商社を訪問。
上海の製造パートナー候補を紹介してくれた先。
今後の進め方を協議する。
オフィスには倉庫が併設されていて、主に中国からやってきた自転車が山と積まれている。
こんな感じ↓ 段ボール一つ一つが全部自転車です。




irukaもたぶんこんな感じで出荷を待つことになるんだろうな。

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写真はコッツウォルズの牧草地。年末の旅先をどこにするか悩み中。早くしないと埋まってしまうな。

2009年10月15日木曜日

さらばiruka


釣りタイトルですみませんw。
えーと、先週からオフィスにあったiruka試作ゼロ号機を、大阪のパートナーに送るってだけの話です。

本来irukaはスーツケースより小さくキレイな直方体に折りたためるんだけど、今回の試作車はハンドルとペダルは折りたたみじゃないパーツを使ったりしたので、突起が多くて梱包にひと苦労。

ハンズでプチプチの梱包材とプラテープを買って来て段ボールと共に巻き付けたが、どう見ても梱包がぬるい。見るからにやっつけ。

ともあれ佐川急便に来てもらうと、案の定兄ちゃん曰く

「梱包が甘いのでお引き取りできません」

だよね。。オレも甘いと思ってたんだよ。。わかっていながら改善しなかったオレが悪かった。。

もう一度初心に帰ってやり直そうかと思ったが、そうだこういう時こそ金で解決だ、世の中カネだ金、諭吉で横面ひっぱたいたらんと思い直し、ヤマト運輸の「らくらく家財宅急便」という梱包からやってくれるサービスを頼む。

で、先ほど無事に、irukaゼロ号機たんは大阪に旅立って行きました。

代金4,100円也。金で解決って言うほどでもなかった。

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写真はコッツウォルズの夕焼け。


2009年10月14日水曜日

Kindleのビジョンがイケてる


AmazonのKindleが気になってしょうがない。
iPodの登場でCDやらMDやらを持ち歩く必要がなくなったように、Kindleがあれば(そして、配信される書籍が十分に多ければ)旅行に本を何冊も持って行かなくて済むし、本棚もいらなくなる。
10月下旬に日本でもハードだけ発売されるが、日本の書籍は配信予定なし。
和書対応したら即買いする。

で、Amazonが掲げているKindleのビジョンがちょっといい。曰く

「私たちのビジョンは、これまで出版された全ての本を全ての言語で、60秒以内にKindleで読めるようにすることです」

何かこう、応援したくならないすか?

また、「誰のために・何を実現して・どんな価値を提供するか」を明言して戦略を明確に示している点で、「実際に機能するビジョン」であると思う。
まず、音楽や映像データには脇目もふらず書籍データにフォーカスせよ、ただし「全ての本/言語」を集めよ、ということがわかる。
ハードウェアは全言語対応と高速通信を最優先で追求せよ、iPod/iPhoneのような音楽や映像などの再生機能やウェブブラウズ・音声通話などコミュニケーション機能を備える必要はない、と示している。

Amazon、元々ヘヴィユーザーだけど、ますますファンになりました。

でも世の中的には、企業のビジョンというと「私たちは○○になる」というフォーマットで書かれてることが多くて(○○の中は『日本一・世界一のナントカ企業』とか『情熱ホニャララ企業』とか)、まあその手の奴は否定する気も特に起きないかわりに、共感も応援する気も起こらない。そのビジョンが実現されたら社会にどんな良いことがあるか、わからないじゃないすか。

イルカのビジョンも、もっとシンプルかつ具体的にできる気がしてきた。
もっかい考えてみよう。
ちなみに現状は下記のとおり:

【ミッション】自転車で人と地球をよりハッピーにする
【ビジョン】ベンツより自転車に乗る方がイケてると言われる社会は、今とはきっと少し違う
【実現の手段】折りたたみ自転車irukaの製造販売により、「常に自転車と共に行動するライフスタイル」を広める

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写真はコッツウォルズ地方の古城、ブロードウェイタワー。丘の上にポツンと立ってる。


2009年10月7日水曜日

iruka試作ゼロ号機 進捗Final


2カ月ほど前から取り組んでいた日本におけるirukaスケルトンモデル製作。
一昨日工場に引き取りに行き、ひとまず終了。

ジオメトリ(自転車の基本寸法)と折りたたみ機構確認のために作った、ごくラフな(本当にラフな)モデルなんだけど、一発目の試作としては上々と言って良いと思う。

想定どおり仕上がっている点
・折りたたみサイズ(長さ、厚み、高さ→高さはさらに小さく)
・駐輪ポジションで自立する
・折りたたみポジションで自立する
・折りたたみポジションで縦置きに自立する
・折りたたみポジションで転がして運べる

想定と異なり、修正が必要な点
・ベルトドライブ→チェーンに変更する必要があるかも
・乗車姿勢→アップライト過ぎたので前傾寄りに直す
・メインフレーム幅→余裕があるので細くできる

このバージョンでは全く再現しておらず、引き続き作業する点
・フロント折りたたみ機構
・ハンドル折りたたみ機構
・ロック機構
・メインフレーム製法
・素材(試作は鉄で作ったが量産はアルミを予定→重量は全然違う)
・走行性能、乗り味

読み返してもなんか自分用のメモでしかないなw。

でも、本当に、作って良かった。
机上であーだこーだ議論したり悩んでたことが、実物があると一発でわかる。

今後は試作機を元に設計を再度見直しながらフロントとハンドルの折りたたみ機構設計をまとめ、11月を目処に上海の製造パートナー(候補)を訪ねて試作1号機の打ち合わせに入るつもり。
まあ、まだまだ時間かかります。

iruka、今日のチラ見せ。
折りたたんで足の間に縦置きしてるの図(iruka本体はぼかしてます)。
ちなみに車輪径18インチ+8段変速。
新幹線とかでも足の間に置いて座れますよ。ちょーっと窮屈だけど。



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冒頭の写真はイギリスのコッツウォルズ地方チッピングカムデン。メインストリートを一本入ると、草原と丘が一面に広がっている。


2009年10月2日金曜日

it's a 職人ワールド


irukaを始めて、四十路手前にして初めてモノ作りの世界に入った、というか入りつつる。
当たり前だが、デジタルの世界とは相当に勝手が違う。

例えば、寸法の問題。
デジタルならピクセルで大きさを指定すれば狂いようがないが、モノ作りには必ず製造誤差の問題がついて回る。

自転車はパイプとパイプを溶接して作るのが一般的だが、溶接とはすなわち金属材の接触面を熱で溶かして一体化することなので、治具で固定しても加熱・冷却のプロセスにおいて必ず歪みが発生する。
また、板材をプレスして部品を作るような工程では、プレスを終えて金型を外したときに材そのものの弾性による変形(スプリングバック)があるし、材の外縁の不要な部分(チリ)を切ったときにも変形したりする。
BD-1の新フレームなんてのは左右対称のプレス板材を中央で溶接して作ってあるが、材が大きい上に溶接面が長いため誤差も出やすく、量産開始時は相当苦労したと聞く。

で、製造の現場ではどのように誤差を修正しているかというと、誤差を見越して型を作るなどノウハウがあるわけだが、最終的には木槌でトントン叩いて歪みを直したりしてる。

えー、そんな乱暴な、と思うでしょ。

でもですね。
日本で、とある溶接の職人さんと話したときのこと。

僕 「自転車作りたいんですよ」
職人「オレは自転車やったことないけど、誤差はどれくらいまでOKなの? 」
僕 「えーと。。(どう答えればいいのかもわからない)」
職人「いやほら、10分の1mm単位なら軽いけどさ、100分の1mm単位まで要求されるとちょっときついのよ」

木槌でトントントン、で10分の1mm単位まで余裕だそうです。。。
月並みな言い方だけど、奥が深いです。

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iruka試作ゼロ号機、来週工場からいったん引き取ってテストします。経過はまたブログにて。写真はチラ見せしかできませんがw。

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写真はチッピングカムデンの教会にて。墓地がキレイで、墓激写しちった。


2009年10月1日木曜日

海外諸都市自転車覚え


前回はパリのベリブについて書きましたが、仕事柄というわけでは全くないけど、結構いろんな都市でレンタル自転車に乗ってきました。

コミュニティサイクル:パリ、オスロ、セビリア

普通の貸し自転車:ニューヨーク、ハイデルベルク、アムステルダム、アンコールワット周辺、ローマ、フィレンツェ、バルセロナ

文句なしに最高なのはアムステルダム。
市街の道はほぼ100%自転車専用レーンがあるので(オランダ全土では自転車道路の方が自動車道路より長い)安全にビュンビュン走れる。小規模な自転車スタンドが至る所にあるから駐輪の場所にも困らない。さらに、埋め立ててできた街だから真っ平らだし。
行かれた方はぜひ自転車移動を試していただきたい。東京もそれほど悪くないけど、それでもホント何というか、ケタ違いに快適です。まさに自転車先進都市という感じ。

オスロも良かった。海沿いなのに坂が多くて自転車レーンもほとんどないけど、とにかく車が少なくて走りやすかった。
帰ってから知ったけど、オスロは市内への自動車乗り入れを有料化すること(ロードプライシング)で車の数を劇的に減らしたとのこと。
日本も東京一極集中ぶりを考えると、高速道路無料化した上で東京への自動車乗り入れを有料化するのがいいかもしれない。
パリもベリブ始めるのと同時に何らか自動車の乗り入れ制限をすべきだったな。

ニューヨークは真っ平らで走りやすいんだけど、残念なのは自転車を借りてもカギがついてないこと。借りてる間はずっと乗ってろと。駐輪するなと。盗まれるから。仕方ないのでマンハッタン外環の自転車&ジョガー専用道路みたいなとこを中心に走って、これはこれで楽しかったけど、ポタリングできないのは魅力半減。

最悪はローマかな。ニューヨークと同じくカギなし、パリと同じく車がハンパなく多く(その上運転が荒い)一方通行の道だらけ、さらに坂が多く、さらにさらに石畳が多いのでガタガタ走りにくい。と、いいとこ皆無ですね。。。自転車乗りの観点ではね。

と書いてみて改めて思ったけど、そう、東京はそれほど悪くない。
自転車レーンはないけど幹線道路を避ければそーんなに車も多くないし、運転も総じて荒くないし、駐輪場は少ないけど治安はいいから道ばたに置いておけるし、坂の多さはいかんともしがたいが。
自転車インフラも含めて、あとちょっと、あとちょっとで東京はもうワンランクいい街になると思うのですよ。

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写真はチッピングカムデンの街並。コッツウォルズ地方の建物はあまねくライムストーン(石灰岩)でできている。統一の美しさ。楳図かずお氏みたいな人はいません。どの街も小さく、メインストリートを一本裏に入ると牧草地や畑の丘陵が広がっている。


2009年9月30日水曜日

ベリブに乗ってきた


シルバーウィークを利用してイギリスとフランスに行ってきました。
フランスではパリでアパルトマンを借りて滞在したんだけど、良かった。
自分たちで料理洗濯できるのがいいですわ。

パリといえば、自転車パーソンとして注目は「ベリブ」。

「コミュニティサイクル」と呼ばれる公共の自転車レンタルシステムです。
ヨーロッパでは既に80近い都市で導入されていて、僕もパリ以外ではノルウェーのオスロとスペインのセビリアで使ったことがあります。

パリ市内に約1500カ所、数百メートルおきにこんな自転車ステーションがあり、


登録するとその場でIDが発行されて(写っているのは相方)、


ロックが外れて自転車に乗れる


あとはどこのステーションでもいいから30分以内に返せば無料、超過すると30分で1ユーロが当初登録したクレジットカードに課金される。
我々ツーリストの使い方は、目的地まで走って近くのステーションで自転車を返し、用を終えたらまた新しい自転車を借りて次の目的地に移動、の繰り返しが多いですね。

まずあえてネガティブなことを言ってしまうと、パリの交通事情では、自転車はちょっと怖かったです。
とーーにかく車が多いし、道路も路側帯や自転車レーンはほとんどないし、一方通行の道で(すごく多い)逆走しちゃったり、慣れないうちは心身ともにちと疲れましたね。

でも全体的には、弱点を補って余りある、すばらしいシステムですよ。
車や電車+徒歩より断然早い(速い、ではない)し、基本的には無料で課金されてもわずかな額だし。
何より自転車で街を走るのは本当に楽しいものです。

東京でも小規模だけど10月から丸の内で実験プロジェクトが始まる様子
すばらしい取り組みだと思います。

他の都市との自転車事情比較を書こうと思ったけど、長くなるのでまた次回。

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写真はイギリスで滞在したコッツウォルズ地方のチッピングカムデン。このエリア、過去旅した中で一番好きかも。しばらくコッツウォルズの写真が続くと思います。


2009年9月17日木曜日

iruka試作ゼロ号機 進捗Vol.3


(前回までのあらすじ)
株式会社イルカは、折りたたみ自転車irukaの開発のため、埼玉某所でスケルトンモデル(折りたたみ動作とジオメトリの検証を目的とした試作車)の製作に着手した。

あとちょっとで、とりあえず走れるところまでいけそうです。
折りたたみ機構は概ねいい感じだけど、いくつか想定どおり動作しない箇所もある。まあ、改善すべき点が明らかになっているという意味で大きな進歩と言っていいと思う。
やっぱり作ってなんぼですね。

全貌を見せられないのが残念ですが(本当に、僕も見せたいんだけど、知財の問題がありますので)、チラ見せします。

後輪周辺
アメリカからサンプルを取り寄せたベルトドライブにシマノのInter8という内装ギアを組み付けてます。車輪は18インチ。ベルトドライブがちょっと想定外のことが多くてボトルネックになるかもしれない。



前輪
フォークは片持ちで考えてます。それが機能的にどんな意味を持つかは、また追々。


次の進捗報告は試乗レポートになるかな。
ま、フレーム材もコンポも量産モデルとは全く違うから乗り味は参考にならないけど、まずは乗車ポジションを固められればいいと思います。

明日からはEUの自転車市場視察のため(ウソ)イギリス&フランスに行ってきます。

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期間限定BD-1オーナーになって5日目。最初は「なんて走りにくい」と思ってたけど、良さに気づいてきた。というか、惚れつつあります。写真はBD-1でポタ途中の神社にて。


2009年9月15日火曜日

BD-1がやってきた


折りたたみ自転車の世界三大ブランドといえば、イギリスのブロンプトン、台湾のダホン、そしてドイツのR&M Birdy(商標の関係で日本名はBD-1)。
僕はダホンとブロンプトンは持っているが、三大ブランドの中でも王者の地位にあるBD-1だけは何度か試乗したことがあるだけだった。

なんですけど、このたび僕のダホンを友人と交換し、1か月限定でBD-1オーナーになりました。

乗ってみると「同じ自転車でこうも違うか」という感じだけど、走行感や折りたたみ機構については追々書くとして、とりあえず一番わかりやすく見た目の話をします。

全体像
車輪径はダホンとブロンプトンの中間の18インチ


ぶっといメインチューブ(最新モデルはだいぶ構造が変わってしまったけど)


メカメカしいリアフォーク


さらにメカメカしいフロントフォーク
折りたたみ機構がサスペンションを兼ねている


折りたたんだ姿


など、いかにもドイツっぽく「無骨な」「メカ感」あふれる感じが特徴的。
3ブランドの中ではもっとも男っぽいイメージで、実際にオーナーは走り重視・メカ大好きの男性ライダーが多い。
で、皆パーツを変えたり改造しまくって「オレ色」BD-1を作るのだ。
はっきり言って乗りやすい/折りたたみやすい自転車ではないけど、じゃじゃ馬ならしというか、自分仕様に染め直していくのが面白い自転車なんですね。

一方irukaは、非愛好家をターゲットに、パーツはほとんど変更不可の方向に向かっている。
BD-1とは市場ポジショニングを明確に変えたいけど、元々の設計思想が違うから自然に住み分けできる、と思いました。

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写真はBD-1で初ポタ中に見つけた古い表札。飯田橋周辺にて。


2009年9月14日月曜日

設計風景


上の写真は夕焼けの大阪港。
パートナーであるデザイナー・梁さんのオフィスが入っているビルからの景色。

設計の打ち合わせのためほぼ月1で通っていて、先週も行ってきました。
ブログ上では何回も「設計はほぼ固まった」と書いてきましたが、結論から言うと固まってませんw。
固まったと思っても、考え直したら今イチだったり、他にもっと良い機構を思いついたりの繰り返し。

で、その設計プロセスの風景。
スタイロというスチロールみたいな材で原寸大のパーツを作り、折りたたみ動作を検証しているところ。
写真は今回梁さんが発明した、かなり画期的な機構。例によってどこの部分かはまだ秘密w。


その作業現場。図画工作です。
僕も熱線でスタイロを切ったりヤスリがけで整形したりと下働きをしたが、工作の才能はないことがよくわかったw。


その前段階。コンピュータ上で3Dモデルを作る。


さらにその前、基本的なアイデアを平面でざっくりまとめたもの。
これは僕が作った資料なので、なんとパワポw。


さらにその前の前、僕の手書きスケッチというか落書きというか。
リーマンショック以後は基本的に裏紙を使っていますw。


仕事してるアピールで書いたけど、遊んでるようにしか見えないかな。。。


2009年9月1日火曜日

リサーチしてみた


試作と同時並行的に、前職オプトの仲良しヤマグチガク氏(今は社内起業してエコ製品特化マーケ事業の責任者)とロゴを作ってくれたデザイン事務所omdrの面々にお手伝いいただき、マーケティング計画を考えてます。

で、この前ネットリサーチをやりました。
示唆的な結果が多く出て非常に面白かったので、ブログのネタにチラ出ししてこうかと思ってます。

とりあえず、どんぴしゃだったのが

・折りたたみ自転車に対するニーズは顕在化していない
・BD-1やBromptonなど既存の有力折りたたみ車ブランドは一般的にはほとんど知られていない

→すなわち「未開の市場」である という点

よく言われる例えで、靴のセールスマンの話がありますね。

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住民全員が裸足の島に、靴のセールスマンが二人やって来た。
一人は「ダメです、この島には靴のニーズはありません」と報告し、
もう一人は「最高のマーケットです、島民全員に売れます」と報告した。
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まあ現実的には、未開の市場を攻めた場合はニーズを喚起できずに惨敗というケースが多い、というかそっちの方が可能性は高いと思うけど、それはリターンとリスクの裏返しなのでしょうがない。

「未来を予測する最良の方法は、未来を発明することである」
 アラン・ケイ

「消費者は、具体的に形にして見せてもらうまで、自分が何がほしいのかわからないのさ」
 スティーブ・ジョブズ

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写真はイグアスの滝の最深部、通称「悪魔ののどぶえ」。
水量に圧倒されて「悪魔ののど自慢」「悪魔ののど飴」などとひとりごちた。


2009年8月27日木曜日

iruka試作ゼロ号機 進捗Vol.2


前回のエントリの後「あの写真じゃ何が何だかわからない」と言われましたが、すみません、わからないように載せているのですねw。

で、本日製作をお願いしてる工場から進捗報告ということで写真が数枚届きました。
今回も見ただけではわからないと思いますが、とある独自開発パーツの写真をお見せします。



これはですねー、自分で言うのもなんですが、かなり革新的な機構です。
さーー、組み立てたときに狙いどおり動作してくれるか?

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写真は北海道・野付半島のトドワラ周辺。最近iruka試作機以外に全然写真撮ってないからネタ切れになってきた。またカメラ持って出かけよう。


2009年8月20日木曜日

iruka試作ゼロ号機


先日書いたとおり、現在日本国内でirukaのスケルトンモデルの製作を進めています。
外観イメージの再現はとりあえず考えず、折りたたみ機構の動作とジオメトリ(基本寸法)の確定を目的としたモデルです。
走って折りたためる状態になれば良いので、見た目はかなり無骨。

こんな感じです。



量産モデルはアルミを使うつもりですが、スケルトンモデルは市販の鉄パイプを組み合わせて使っています。
鉄の方が重いですが加工が容易です。

鉄で作る前には、スチロールで動きを確認するモデルを作ったりもします。



完成したら上海の製造工場に持ち込んで、今度は量産を前提に外観イメージも含めた試作に移ります。
まだまだ時間かかりますが、進捗は都度ブログにアップしていきたいと思います。

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冒頭の写真は知床半島の鹿。うじゃうじゃいました。食ってやろうかと思った。


2009年8月18日火曜日

引越完了


8/17より新オフィスに引っ越しました。
前は共同オフィスだったけど今回はワンルームマンション。
キッチン・バストイレ付でソファも買ってしまったので、気を抜くと料理して昼寝してひとっ風呂浴びて一日が終わってしまうかもしれないw。

共同オフィスにはない良い点の一つが、空調を自由にできること。
前はパーテーションで仕切られてるだけだったので、空調はほぼ全館一律に近かった。

で、新オフィスでは冷房もあるけど扇風機を購入。
本日も冷房なし+窓開け+扇風機で過ごしております。

別にエコにしたいから我慢してるわけではなく、冷房より扇風機の方が僕は快適で好きだというだけ。
窓の外から聞こえる蝉の声もまた良い。
ただ、結果的にエコだし体にも良い。

快適を追求したら結果エコ。
irukaで実現したいことの一つです。

雑感1
オフィスがあるのは裏原宿いわゆるウラハラにほど近いエリアだけど、前のオフィスから246を挟んでほぼ線対称に移動しただけなのに雰囲気はまるで違う。なんというかこう、一回り若い感じ。あと、森ガール、という感じの女性が目立つ気がする。

雑感2
来客用兼ひとやすみ用にソファを買ったんだけど、思ったより座面が低くて完全に昼寝用にしか見えない。まいったな。

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写真は北海道・摩周湖近くにある神の子池。摩周湖から地下水が湧いて出ている池で透明度日本一とか。7月下旬だったけど、涼しかった、というか寒かった。なつかしいな。