2010年9月27日月曜日

足りないのは混乱


ちょっと奥さん、ご存知でした?
日本には昔180社もオートバイメーカーがあったんですって。

知りませんでした。

終戦直後、大小多くの企業がオートバイ市場に参入して、浜松を中心に中京地域だけで80社もあったんだって。

そして現在、電気自動車市場を見ると中国では「スモールハンドレッド」と呼ばれる多くのベンチャー企業群がしのぎを削っている一方で、日本ではベンチャーの新規参入はほぼ皆無。
これをもって「日本人にはベンチャー気質がない」というのは早合点で、オートバイ産業の例を見ればわかるとおり、気質はあるんだと思う。
どちらかというと足りないのは、終戦直後のような「既得権者がおらず全員がスタートラインに立っている状況」、言い換えれば「混乱」かと。

中国が文化大革命→市場経済導入、ロシアはソ連崩壊というとんでもない混乱を経て成長軌道に乗ったように、日本でも国債が大暴落してハイパーインフレが起こってお札も株も紙くず化して(僕個人にはとってもとっても困ることだけど)終戦直後のような混乱状態になれば、再びベンチャーが大量に生まれて次のトヨタやソニーのような企業が出てくるんだろう。

それは今エスタブってる人たちの持ってる資産の価値が限りなくゼロに近づくことを意味するわけで、論理的には、特に若い世代の人にはその方が良いと思うんだけど、僕としてはちょっとひよってしまうね。うーん小市民w
その点、社会的安定を維持しながらイノベータを生み続けるアメリカという国はやっぱりすごいな。

ところで、オートバイ産業で180社の激しい競争を勝ち抜いて残ったのが旧財閥系のメーカーではなく、ホンダ・ヤマハ・スズキといういわゆる当時の新興ベンチャー(ちなみに3社とも浜松発祥)だったことは示唆深い。自動車しかり、家電しかり。コンピュータしかり。
同時に、消えていった170社以上のオートバイメーカーのほとんどは、成功を夢見てチャレンジしたベンチャー企業だったことも目をそらしてはいけないんだろう。

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日本でもグルーポン市場には既に何十社も参入してるのね。「グルーポン」て一般名詞化してないか。

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写真は秋空にギラリと輝く東京カテドラル。


2010年9月8日水曜日

割と真顔でネットをリスペクトしてみる その2


僕は時々ふと「ああ、ネットってすごいなあ」と心から思います。
昨日もTwitterでブルーハーツの「1001のバイオリン」の歌詞がTL上を流れていったのをきっかけに思い出したので、忘れないうちに書いておきます。

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今年の春頃、宮崎あおいが1001のバイオリンを歌うCM(何のCMか忘れた)がネットで話題になり、曲そのものにも再び脚光が当たった。
が、なにせ1993年発売の曲だからCDなんてどこにも残ってない。リアルのCDショップはもちろん、Amazonでも新品・中古ともにすぐ在庫切れ。
一方で、在庫なんて関係ないiTunes Store上では大ヒット、最新のアーティストの曲を抑えて、何日間かチャート一位だった。

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今年7月、日本証券業協会が未公開株詐欺を防止するために「上場前に個人から出資を受けたベンチャーは上場できない」というとんでもないルールを作ろうとして、パブリックコメントを募集した。
有名会計士の磯崎哲也さん(元mixi監査役など。僕も知人に紹介をせがんでランチをご一緒させていただいたことがあります)らがTwitterやブログで「こんなルールができたら日本の新興企業マーケットは死滅する。反対意見のパブリックコメントを提出しよう」と呼びかけた。
通常パブコメがいくら集まっても結論が変わることはないと言われているが、本件では百通をゆうに越す反対意見が寄せられたことを証券業協会も無視できず、成立は見送られた
微力ながら僕も生まれて初めてパブコメを提出しました。

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両方ともネットがなければありえなかった出来事でしょう。
僕は、「ネット的」、すなわち所属とか肩書きとか地位とか関わりなく人と人がつながることで善なること・面白いこと・楽しいことをなせるのは素晴らしいと思っていて、その力を割と無邪気に信じています。
その点、自転車というのは極めて「ネット的な」乗り物だと思っていて、僕はネット業界は離れたけど、irukaを通じて「ネット的な世界」を実現していきたいと思っています。

マイケルジャクソンのダンストリビュートもすごかったもんなあ。

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写真は御宿海岸の砂防林。


2010年9月6日月曜日

控えめバズ体験


Twitterでちょっとしたバズを経験しました。

8/30にポストしたこのTweet:「従業員数:パナ38.5万人、ソニー17万人、アップル3.4万人。一人あたり営業利益:パナ50万円、ソニー19万円、アップル4400万円。どっしぇー。

(そこに至る前フリTweet:「時価総額と営業利益:パナ2.7兆円/1900億円、ソニー2.5兆円/317億円、アップル19兆円/1.5兆円(今期予測、1ドル85円換算)。アップルってホントすごいんだな。」)

その後24時間で100人以上の方に公式RTされ(非公式だと200を超えると思う)、フォロワー数も100人近く増えた。
セレブリティやアルファブロガー的な人たちからしたら何てことない数字だろうけど、僕レベル(9/6現在フォロワー数790)からすると「うわー拡散したなあ*_*」と思う規模感なわけです。
後日、二匹目のドジョウは狙えるか実験のつもりで日本のネット証券会社の業績比較をTweetしたんだけど全く広がらず。
やはりTwitterではネット/IT業界関係者が反応しやすいネタがバズりやすいのかな。
irukaも広告は一切使わずパブリシティとバズのみで行くという戦略を掲げているので(僕が一人で言ってるだけだけどw)、リアルで良い経験でした。

「アップルはファブレスだから一人あたり営業利益を比べても意味がない」という趣旨のリプライを割と多くいただいたんだけど、アップルも昔はファブあり企業(かつてアメリカ国内にも工場を持っていた)だったわけで、それがファブレスの今は単年度営業利益総額がパナソニックの8倍、ソニーの実に50倍近く、しかも売上高営業利益率が30%近いことを考えると、一人あたり利益の彼我の差は実に示唆深いと思う。
ちなみに「雇用、雇用」を連呼する管首相の要望に応えたら、平均年収756万円パナソニックは2万5000人ほど、平均年収980万円のソニーは3000人ほど社員を増やすと赤字転落してしまう。

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写真は御宿海岸、月の砂漠像。御宿は街中「月の砂漠」だらけ。商店街のポイントカードは「らくだカード」といいます。