2011年1月31日月曜日

歩道暴走はダメ!ぜったい


先週の日経新聞にこんな提言記事が載ってました。

自転車にも強制保険を〜利用者は"車両"と自覚せよ」東京大学教授 山内昌之氏

リンク先のブログに全文書き起こしが載ってますが、要約するとこんな感じ:

歩道を暴走する自転車が跡をたたず事故も多い

そこで自転車利用者を強制的に保険に加入させるべきだ

事故の補償にもなるし利用者の意識向上も期待できる

確かに自転車と歩行者のトラブルは捨ておけない問題で、強制保険も一つの方策として悪くない、むしろ良いと思います。
「一人ひとりが自覚と意識を」「文化を変えないと」なんて言ってても何も変わりませんから。

ただ、悲しいのが「これからも自転車は歩道を走り続ける」が前提となってしまっている点。

自転車が歩道を走る国は日本だけ(ホントだよ)であって、今の法律でも「車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合」を除いては歩道走行禁止。
あくまで自転車は車道走行がデフォです。

・・・まあただ、子供を載せたママチャリとかお年寄りとかが車道を走るのは怖いというのも当然なんですよね。僕だってたまに怖いもの。

よって、以下のように考えるのが正論だと思う。

歩道を暴走する自転車が跡をたたず事故も多い

自転車レーンなど、自転車が歩道を走らずに済むインフラを整備しつつ
歩道走行の原則禁止という法の運用を徹底(巡視の警官が自転車歩道走行をやめるのは当たり前)、場合によっては罰則も作る


その上で保険強制加入など「万が一の」事故対策も講じる

僕は「死ぬまでに実現したいことリスト50」の一つに「東京山手線内の幹線道路に総延長50km以上の自転車レーンを作る」を掲げているんだけど、何はなくても必要なのが自転車レーンです。
「えーでもただでさえ東京の道は混んでるのに、自転車レーンなんて無理じゃないの?」と言うなかれ。
ロンドンにもニューヨークにもパリにもあって東京にないのが自転車レーンですよ。

・・・長くなるので続きはウェブで。もとい、続きはまた今度。

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写真は先日行った園芸屋さんの温室にて。


2011年1月18日火曜日

内定率報道に見るマスコミの傾向と対策


まず本日付のこちらのニュースをご覧ください。(→リンク切れ用魚拓

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「大卒の就職内定率68・8% 2年連続で過去最低」

厚生労働省と文部科学省は18日、今春の大学卒業予定者の就職内定率(昨年12月1日現在)が、68・8%となり、調査を開始した平成8年以降、過去最低だった前年の同時期を4・3ポイント下回り、過去最低を2年連続で記録したと発表した。
国の推計では、今年3月に卒業予定で就職を希望する学生は約66万人。そのうち、約24万人がまだ内定がない計算で、厚労省は「先行きの見通しが不透明な現状で、企業の採用活動が冷え込んでいる。学生にとっては非常に厳しい状態が続いている」と話している。
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いやー10人に3人が就職できないんだー。就職氷河期ぱねえ。
記事読んだらそう思いますよね。

で、ググってみたらこんな資料(厚労省・文科省調査 大卒就職内定率の推移)を見つけた。抜粋すると


年度2005200620072008200920102011
12/1時点内定率74%77%80%82%81%73%69%
4/1時点内定率94%95%96%97%96%92%


つまり毎年12/1時点では内定率7-8割程度でも、翌4/1には9割以上の学生が就職してるってこと。概ね12/1時点の内定率+15%〜20%が最終的に就職を決めてる感じ。
今年の内定率は過去最低だということは確かだけど、これまでのトレンドを見ると4月には9割そこそこの学生は就職できているでしょう。
少なくとも10人に3人は就職できない、なんてことはない。

でもさ、上の記事を読む限り、そんなこと一切書いてないよね。一切。
3割の学生が内定がなく就職できそうにない、としか読めない。

それでも10人に一人は就職できないんだー。新聞にも「厚労省は「先行きの見通しが不透明な現状で、企業の採用活動が冷え込んでいる。学生にとっては非常に厳しい状態が続いている」と話している」って書いてあるしなー。
と思いますよね。

次はこちらの資料(リクルート調査 大卒求人倍率の推移 *民間企業就職希望者)。抜粋すると


求人総数(a)就職希望者数(b)求人倍率(a÷b)
2010年73万人45万人1.6倍
2011年58万人46万人1.3倍


確かに求人倍率は去年に比べて落ちてます。
でも、1倍はゆうに上回ってるんですよ。

規模別で見ると1000人以上の大企業の求人倍率は0.6倍(競争率1.7倍)だけど1000人未満では2.2倍(競争率0.5倍)。業種別で見ると金融業の求人倍率は0.2倍(競争率5.0倍)だけど流通業は4.2倍(競争率0.2倍)。
つまり確かに2011年3月卒業の大学生は10人に一人は就職できそうにないけど、求人総数は不足しておらず、学生と企業の条件ミスマッチが本質的な原因なんじゃないかと。

だからといって大学生に「甘えるな、贅沢言わず入れるところに就職しろ」なんて言うつもりはありません。
ただ、言いたいのは、こういうことも上の「内定率過去最低」の記事には一切、ホント一切書いてない、ということ。

ついでに同じリクルートの資料を見ると



求人数就職希望者数
1990年78万人28万人
2011年58万人46万人
増減率-26%+64%


バブル最盛期に比べて求人数は4分の3に減ってる。それは確か。でもそれ以上に就職希望者数が6割以上も(!)増えている。
それもそのはずで、1980年代後半(つまり1990年前後に卒業)は3割台だった大学進学率が、今はゆうに5割を超えてるんですね。
そりゃー内定率も下がるわなー。むしろ内定率9割ってがんばってる方じゃない?
・・・なんてことも当然ながら記事には一切出てきませんね。

繰り返しますが、僕は今の大学生が甘えてるとか言うつもりは一切ありません。
ただ、正確な現状認識がない限り良い施策が打てるはずないのに、僕も含めて多くの人が正確な現状認識ができていないのは確かでしょう。

マスコミはなんでこういう報道の仕方をするのか。

・・・その方が「『学生がかわいそう』という構図を作りやすい=より『売れる記事』になるから」ですよね。

ということで結論:マスコミ報道は鵜呑みにしない。

もう一つ:たぶんレガシー大企業の求人なんて今後も増えないよ(景気によって一時的に増えても構造的には増えないでしょ)。我々ベンチャーががんばらないとね(株式会社イルカは超少数精鋭を標榜していますがw)。

ついでに:新聞社は一定期間過ぎると記事URL消すとかいい加減やめないすかね。魚拓とるのとか面倒すぎる。

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写真は渋谷区にて。ビルの外階段て意味なく好き。なんでだろな。


2011年1月14日金曜日

自転車通勤と思考停止


自宅を目白に引っ越しまして(家を建てました)通勤経路も変わりました。
目白から坂を下って高田馬場を通過し、大久保コリアンタウンと歌舞伎町という新宿二大ディープエリアを通って明治通りで神宮前に至る、というルートです。

自転車通勤、増えてますね。
チャリ通歴もうじき7年の僕から見ると、もう明らかに増えてる。

すばらしいことです。

自転車通勤に関してよく目にするのが「通勤手当をもらいながら自転車通勤していいのか」という議論。
電車・バスの定期代相当の手当を毎月もらってるのに、自転車で通ったら手当を着服してることにならないか、ということね。

結論、就業規則に特段の定めがない限りは全然OKでしょ。

「通勤手当は電車代・バス代を『実費として』もらってるもの」と何となく思い込んでる人も多いけど、「通勤手当はオフィスに来るという行為に対する対価であり、『公共交通機関の代金を目安に』金額を決定しているもの」と解釈する方が合理的です。
つまり在宅勤務じゃないかぎり、交通手段がなんだろうと通勤手当は胸を張ってもらってよいということ。だってオフィスに来てるんだもん。

「健康のために、ひと駅分は歩くことにしてます」とか「妻が車で子供を送り迎えするようになったので、時間が合えばバスを使わず車に同乗してます」とか「最近忙しいので週の半分は会社に近い実家から通ってます」とかでも着服だって考えるか?徹夜して会社に泊まりこんだら通勤手当を日割で返すか?
自転車通勤も同じことですよ。

それに対して、発言小町なんかでも見たけど、↓こういうことを論理的に考えもせずググりもしないで適当に言う人たちってなんなんだろね。
「詐欺ですよ」
「すぐ返還すべき」
「今すぐ会社に打ち明けて」
「事故っても労災適用されませんよ」→交通手段がなんであれ通勤途中の事故であればまず適用されます

確信犯だったらまだいいけど、本気でそう思って書いてたら救われないなー。
社畜的思考停止というか。
もちろん就業規則確認するのは良いと思うけど、もしうだうだ言われたらそんな会社は見切りをつけた方がいいですよw

みなさんどんどん自転車通勤してクリエイティブになりましょう!

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写真は秋の代々木公園。


2011年1月11日火曜日

あけまして&死ぬまでリスト(略称)


あけましておめでとうございます。
2011年。株式会社イルカを設立して間もなく3年になろうとしています。
今年こそ、そう、今年こそiruka発売の年にしたい。いや、します。

年始は、書初めがわりというわけではないですが「死ぬまでに実現したいことリスト」を作ってみました(サイバーエージェント藤田社長のブログエントリに触発された)。
製品としてのiruka、会社としてのイルカ、テニス、波乗り、料理、音楽、旅に関することなど50個。

ちょっとだけ公開すると:

  • 延べ10万人以上がirukaを買ってくれる

  • 株式会社イルカを海外売上比率50%以上の会社にする

  • 株式会社イルカを一人あたり営業利益3000万円以上の会社にする

  • 東京山手線内の幹線道路に総延長50km以上の自転車レーンを作る(長さは精査中)

  • 東京の主要繁華街に計1000箇所以上の小規模駐輪スペースを作る

  • 東京にヨーロッパ並の景観規制を導入し美しく一変させる

  • 海外の無人かつ暖かく波の良いスポットで2週間以上波乗りだけの生活を送る

  • 延べ1000人以上に料理を振る舞う

  • 宇宙から地球を眺める

  • ネルソン・マンデラさんに会う

  • などなど。

    自分が何をしたい人間なのか改めて明確になったのと、迂闊に病気になったり事故に遭ったりできないなーと思いましたね。健康大事だと。
    これまで厄年とか日の良し悪しとか(結婚式は仏滅狙いでした。すいてるから)方角とか風水とかの類は一切ケアしてこなかったんだけど、今年は本厄らしいので万難を排するためにお祓いでもいってみようかなーなんて思ったりして。あと人間ドックね。

    ともあれ今年はプロダクトirukaを世に問う一年目であり、略称死ぬまでリストを実現する残り期間の最初の年。
    思い切り挑戦を楽しみたいと思います。

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    写真は熊野古道。まさに古道でした。