2009年9月30日水曜日

ベリブに乗ってきた


シルバーウィークを利用してイギリスとフランスに行ってきました。
フランスではパリでアパルトマンを借りて滞在したんだけど、良かった。
自分たちで料理洗濯できるのがいいですわ。

パリといえば、自転車パーソンとして注目は「ベリブ」。

「コミュニティサイクル」と呼ばれる公共の自転車レンタルシステムです。
ヨーロッパでは既に80近い都市で導入されていて、僕もパリ以外ではノルウェーのオスロとスペインのセビリアで使ったことがあります。

パリ市内に約1500カ所、数百メートルおきにこんな自転車ステーションがあり、


登録するとその場でIDが発行されて(写っているのは相方)、


ロックが外れて自転車に乗れる


あとはどこのステーションでもいいから30分以内に返せば無料、超過すると30分で1ユーロが当初登録したクレジットカードに課金される。
我々ツーリストの使い方は、目的地まで走って近くのステーションで自転車を返し、用を終えたらまた新しい自転車を借りて次の目的地に移動、の繰り返しが多いですね。

まずあえてネガティブなことを言ってしまうと、パリの交通事情では、自転車はちょっと怖かったです。
とーーにかく車が多いし、道路も路側帯や自転車レーンはほとんどないし、一方通行の道で(すごく多い)逆走しちゃったり、慣れないうちは心身ともにちと疲れましたね。

でも全体的には、弱点を補って余りある、すばらしいシステムですよ。
車や電車+徒歩より断然早い(速い、ではない)し、基本的には無料で課金されてもわずかな額だし。
何より自転車で街を走るのは本当に楽しいものです。

東京でも小規模だけど10月から丸の内で実験プロジェクトが始まる様子
すばらしい取り組みだと思います。

他の都市との自転車事情比較を書こうと思ったけど、長くなるのでまた次回。

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写真はイギリスで滞在したコッツウォルズ地方のチッピングカムデン。このエリア、過去旅した中で一番好きかも。しばらくコッツウォルズの写真が続くと思います。


2009年9月17日木曜日

iruka試作ゼロ号機 進捗Vol.3


(前回までのあらすじ)
株式会社イルカは、折りたたみ自転車irukaの開発のため、埼玉某所でスケルトンモデル(折りたたみ動作とジオメトリの検証を目的とした試作車)の製作に着手した。

あとちょっとで、とりあえず走れるところまでいけそうです。
折りたたみ機構は概ねいい感じだけど、いくつか想定どおり動作しない箇所もある。まあ、改善すべき点が明らかになっているという意味で大きな進歩と言っていいと思う。
やっぱり作ってなんぼですね。

全貌を見せられないのが残念ですが(本当に、僕も見せたいんだけど、知財の問題がありますので)、チラ見せします。

後輪周辺
アメリカからサンプルを取り寄せたベルトドライブにシマノのInter8という内装ギアを組み付けてます。車輪は18インチ。ベルトドライブがちょっと想定外のことが多くてボトルネックになるかもしれない。



前輪
フォークは片持ちで考えてます。それが機能的にどんな意味を持つかは、また追々。


次の進捗報告は試乗レポートになるかな。
ま、フレーム材もコンポも量産モデルとは全く違うから乗り味は参考にならないけど、まずは乗車ポジションを固められればいいと思います。

明日からはEUの自転車市場視察のため(ウソ)イギリス&フランスに行ってきます。

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期間限定BD-1オーナーになって5日目。最初は「なんて走りにくい」と思ってたけど、良さに気づいてきた。というか、惚れつつあります。写真はBD-1でポタ途中の神社にて。


2009年9月15日火曜日

BD-1がやってきた


折りたたみ自転車の世界三大ブランドといえば、イギリスのブロンプトン、台湾のダホン、そしてドイツのR&M Birdy(商標の関係で日本名はBD-1)。
僕はダホンとブロンプトンは持っているが、三大ブランドの中でも王者の地位にあるBD-1だけは何度か試乗したことがあるだけだった。

なんですけど、このたび僕のダホンを友人と交換し、1か月限定でBD-1オーナーになりました。

乗ってみると「同じ自転車でこうも違うか」という感じだけど、走行感や折りたたみ機構については追々書くとして、とりあえず一番わかりやすく見た目の話をします。

全体像
車輪径はダホンとブロンプトンの中間の18インチ


ぶっといメインチューブ(最新モデルはだいぶ構造が変わってしまったけど)


メカメカしいリアフォーク


さらにメカメカしいフロントフォーク
折りたたみ機構がサスペンションを兼ねている


折りたたんだ姿


など、いかにもドイツっぽく「無骨な」「メカ感」あふれる感じが特徴的。
3ブランドの中ではもっとも男っぽいイメージで、実際にオーナーは走り重視・メカ大好きの男性ライダーが多い。
で、皆パーツを変えたり改造しまくって「オレ色」BD-1を作るのだ。
はっきり言って乗りやすい/折りたたみやすい自転車ではないけど、じゃじゃ馬ならしというか、自分仕様に染め直していくのが面白い自転車なんですね。

一方irukaは、非愛好家をターゲットに、パーツはほとんど変更不可の方向に向かっている。
BD-1とは市場ポジショニングを明確に変えたいけど、元々の設計思想が違うから自然に住み分けできる、と思いました。

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写真はBD-1で初ポタ中に見つけた古い表札。飯田橋周辺にて。


2009年9月14日月曜日

設計風景


上の写真は夕焼けの大阪港。
パートナーであるデザイナー・梁さんのオフィスが入っているビルからの景色。

設計の打ち合わせのためほぼ月1で通っていて、先週も行ってきました。
ブログ上では何回も「設計はほぼ固まった」と書いてきましたが、結論から言うと固まってませんw。
固まったと思っても、考え直したら今イチだったり、他にもっと良い機構を思いついたりの繰り返し。

で、その設計プロセスの風景。
スタイロというスチロールみたいな材で原寸大のパーツを作り、折りたたみ動作を検証しているところ。
写真は今回梁さんが発明した、かなり画期的な機構。例によってどこの部分かはまだ秘密w。


その作業現場。図画工作です。
僕も熱線でスタイロを切ったりヤスリがけで整形したりと下働きをしたが、工作の才能はないことがよくわかったw。


その前段階。コンピュータ上で3Dモデルを作る。


さらにその前、基本的なアイデアを平面でざっくりまとめたもの。
これは僕が作った資料なので、なんとパワポw。


さらにその前の前、僕の手書きスケッチというか落書きというか。
リーマンショック以後は基本的に裏紙を使っていますw。


仕事してるアピールで書いたけど、遊んでるようにしか見えないかな。。。


2009年9月1日火曜日

リサーチしてみた


試作と同時並行的に、前職オプトの仲良しヤマグチガク氏(今は社内起業してエコ製品特化マーケ事業の責任者)とロゴを作ってくれたデザイン事務所omdrの面々にお手伝いいただき、マーケティング計画を考えてます。

で、この前ネットリサーチをやりました。
示唆的な結果が多く出て非常に面白かったので、ブログのネタにチラ出ししてこうかと思ってます。

とりあえず、どんぴしゃだったのが

・折りたたみ自転車に対するニーズは顕在化していない
・BD-1やBromptonなど既存の有力折りたたみ車ブランドは一般的にはほとんど知られていない

→すなわち「未開の市場」である という点

よく言われる例えで、靴のセールスマンの話がありますね。

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住民全員が裸足の島に、靴のセールスマンが二人やって来た。
一人は「ダメです、この島には靴のニーズはありません」と報告し、
もう一人は「最高のマーケットです、島民全員に売れます」と報告した。
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まあ現実的には、未開の市場を攻めた場合はニーズを喚起できずに惨敗というケースが多い、というかそっちの方が可能性は高いと思うけど、それはリターンとリスクの裏返しなのでしょうがない。

「未来を予測する最良の方法は、未来を発明することである」
 アラン・ケイ

「消費者は、具体的に形にして見せてもらうまで、自分が何がほしいのかわからないのさ」
 スティーブ・ジョブズ

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写真はイグアスの滝の最深部、通称「悪魔ののどぶえ」。
水量に圧倒されて「悪魔ののど自慢」「悪魔ののど飴」などとひとりごちた。