2008年10月29日水曜日

景気対策でCO2バラマキ?


本日のニュース:

政府・与党が策定を進めている追加景気対策に盛り込む「生活対策」の柱として、休日に全国の高速道路を1回1000円の定額で走り放題とする新たな料金割引案を検討していることが29日明らかになった。

景気対策しなきゃという気持ちはわかる。でも、これはないだろう。

今の経済情勢では先行き不安感が解消されない限り財布の紐は緩まないだろうし、よしんば効果があって車の交通量が増えたらより長期的な課題である環境対策にはマイナスにしかならない。
総額5000億円を充てるそうだが、どうせ遣うなら景気を短期的に刺激しつつも(バラマキは景気対策にならないというのは半ば定説だが)長期的な課題である環境問題、医療問題、教育問題などの布石にもなる政策を考えないといかんだろう。
やっぱり日本はトヨタなど自動車業界のロビーが強すぎるのか。

なんか腹たってきたのでスペイン行ってくる。
今晩出発、アンダルシア地方を中心に回ってきます。ネット環境があって気分がのったらブログ更新するかも。

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写真は再び御宿の海。
浜寄りから部原方向を望む。


2008年10月27日月曜日

なぜ折りたたみ小径車か その4


都市部での自転車利用促進を考えたとき、ボトルネックの一つが駐輪スペースの問題だ。
自転車通勤したいけど駐輪場がない、という人は多い。

僕の自転車通勤経験でも、赤坂には割と大きな駐輪場があったがオフィスから遠く、大手町にはそもそも駐輪場などなかった。
主要駅近くに大規模駐輪場があり、かつ繁華街ではヨーロッパの都市のように小さな自転車置き場が点在 、オフィス街では大規模ビルには駐輪場併設、というのが理想。
法律で一定規模以上のオフィスビルには駐輪場設置を義務づけるのなんて駐車場の一部をつぶすだけだから簡単だと思うが、まあ明日からすぐにというわけにもいかない。

そこで、折りたたみ自転車ですよ。

僕は前職オプト時代、毎日折りたたんでオフィスまで持ち込んでいました。
「役員だから誰も文句言えなかったんでしょ」と言われると否定できないんだけど(笑)、ただ考えてみたら、オフィス内に折りたたみ自転車専用置き場を作るのはさほど非現実的ではないと思い至った。

日本でもっとも売れているハイエンド折りたたみ自転車であるドイツのBD-1、折りたたむと長さ72cm×高さ62cm×厚み30cmまで小さくなる。

ここで、学校の下足箱の巨大化したバージョンを思い浮かべていただきたい。

正面から見た図
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この巨大下足箱に、自転車を折りたたんで収納する。

1台に必要なスペースは、内部の余裕を考慮すると奥行き80cm×幅40cm×高さ70cm程度。
この箱を上に3段まで積み上げるとすると、100台の自転車を収容するために必要な床面積は11m2(80cm×40cm×100台÷3)。
人が通るスペースを考慮して2倍の面積が必要としても22m2、わずか6.5坪である。

東京都心のオフィスで坪あたり家賃4万円としても総額26万円。1台あたりに割り戻すと2600円。
外出時の交通費や深夜帰宅時のタクシーが減るだろうから、元をとるのは極めて簡単だ。
マジで良くないすかね。

ちなみにirukaは現在の構想では折りたたみサイズが長さ77cm×高さ『50cm未満』×厚み『30cm未満』になる予定。
さらに省スペースになるので、さっきの箱で言うとたった4坪で100台収納できます。

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写真は午後3時くらいの空。かなり秋。


2008年10月24日金曜日

さて、これから



火曜に台湾から帰国しました。
後半の南台湾波乗りツアーも最高だったけど(笑)それは別の機会にするとして、本来の目的である製造パートナー探しについて書きます。

前回書いたとおり、今回は3社に会うことになっていたが、実際は大本命の某社ほぼ決め打ちでの訪台。その某社との会談結果は以下のとおり:

・irukaの折りたたみ機構とデザイン(appearanceという表現を使ってた。つまり外の見た目)は非常に良い
・しかし強度と量産コストを考えると内部構造と製法(今までの案は金属のトラス構造と樹脂ボードを組み合わせたもの)は全面的に見直す必要がある
・既に今あるオーダーが詰まっており、プロト製造に着手できるのは来年春
・それまでに設計を修正しよう&またすぐ台湾に来てくれ

100%理想どおりの展開とは言えないけど、新しいステージに足を踏み入れてテンション上がりました。

ただ、発売時期は確実に想定よりは遅れる。
僕の中では来年夏発売のつもりだったが、まあ無理ですな。。。
残念ではあるけど、クオリティ優先でいきます。
なにせ製品1種類しか出さない会社ですから(笑)。

・・・目下一番の心配は、発売までブログネタが続くかということ。

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南台湾では二日で10時間海に入っていた。
海での写真をたくさん撮ろうと思っていたが、休憩中も疲れ果てて全く撮らず。
ということで、写真は御宿の白亜に輝くホテルニューハワイ。ここは千葉ですが何か?


2008年10月19日日曜日

台湾再訪


台湾に来ています。

昨年春に台北サイクルショーという世界最大級の自転車展示会に来て以来2回目の訪台。
僕が成田から、デザイナーの梁さんが大阪から、コーディネーター兼通訳の橋本さんが上海からとメンバー3人めいめいが台湾に集結し、一昨日と昨日で製造パートナーを探すため工場を回る。

3社と会ったが、意中の本命は折りたたみ自転車・小径車専門の某社。
その某社とは昨日半日以上かけてミーティングさせてもらったんだけど、概ね良い結果と言っていいかなーーー。
100%期待どおりではないけど、それは望み過ぎというもの、と思う。
詳しくは後日改めて書きますが、課題が浮き彫りになりかつその解決策の示唆をもらった。
技術力・企業力・人の魅力など全てにおいて群を抜いており、ここと仕事をしたいと強く感じた次第。
そう言えば生まれて初めて英語でプレゼン。英語もっとうまくなりたい。。。

本日は他の2名と別れて台北駐在の先輩一家と昼食をご一緒した後南台湾に移動し、海沿いの街ケンティンに到着。サーフショップ2階の簡素きわまりない一室でブログ更新中です。
明日から2日間波乗りしてから帰国するんだけど、何気に早く帰って某社とのミーティング結果を元に仕事したいかも。
いやでも、ここは目の前の波に集中するぞ。

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写真はケンティンの屋台。
身の丈ほどもあるソーセージを抱えた力士が呵々大笑しているが、気でもふれたのか。
ちなみにおでん屋の屋台です。


2008年10月15日水曜日

なぜ折りたたみ小径車か その3


折りたたみ小径自転車が街乗りに適している、ということを続けます。

車輪が小さいことは、停止発進・減速加速が容易であることに加えてもう一つ副産物がある。

それは、全長が短くなること。

20インチ車と26インチ車を比べると、車軸間の長さ(ホイールベースという)は同じでも、全長は車輪が小さい分30cmほど短くなる。

・小回りがきく(路地を走る時やUターン時など)
・人ごみの中を引いて歩くとき楽
・駐輪スペースが小さくて済む

いずれも都市部においては無視できないメリットだが、特に3つめの駐輪スペースのメリットは大きい。
小径であるだけでもスペースを見つけるのが容易になるが、さらにブロンプトンのように半分折りたたんだ状態で駐輪できると、全長が26インチ車の半分ほどになる。
僕もブロンプトンを持っているが、混雑した自転車置き場でも隙間に入るし、歩道上でも電柱の陰など通行の邪魔にならないよう駐輪できて非常に便利だ。
irukaでもこの駐輪ポジションを採用予定である。

駐輪スペースについて書き出すと長くなる。
都市部における自転車利用促進を考えると、駐輪スペースは最大のボトルネックかもしれない。
折りたたみ自転車と駐輪について、回を改めて書きます。

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さて明日から台湾。
製造工場を回ってパートナーを探しに行くわけだが、せっかくなので後半は南台湾に行って波乗りしてくることに。両方とも楽しみです(笑)。
写真は一昨日の御宿の海。ヒザモモたまに腰。


2008年10月14日火曜日

なぜ折りたたみ小径車か その2


折りたたみ小径自転車が街乗りに適している、ということを書く。

僕の現在の通勤経路は江戸川橋から表参道まで自転車で30分、約6kmの道のり。
その間、信号が10カ所。
平均すると3分に一回、600mに一カ所の頻度である。
信号がない裏道でも交差点で一時停止したり、人や車を避けるために徐行したり、かように都市部での走行は停止発進・減速加速が多い。

科学的には「転がし抵抗が小さい」というらしいが、車輪が小さい方が漕ぎ出しが軽く、かつ止まりやすい。
つまり、停止発進・減速加速の性能については、実は小径車の方が通常の26インチ以上の自転車より優れているのだ。
(かといって、小さ過ぎると前回書いたとおり別の問題が出てくるので、やはり16〜20インチが最適)

僕が車径20インチのDAHONで走っていてロードやピストに乗ったメッセンジャーたちと信号待ちで並ぶと、スタートダッシュは僕の方が速い。
もちろん加速がつくとあっと言う間に追い抜かれるが、また次の信号で並んでしまう。
街乗りとはそういうものだ。

ストップ&ゴーが多い都市部において俊敏な走りを楽しめる、これが小径車である。
実は副産物がまだある。次回に続く。

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写真は御宿、朝の海。今週末は波は良くなかったけど天気が良くて気持ちよかったです。


2008年10月10日金曜日

小さいにもほどがある



良い自転車は車輪が小さくても速い、ということを書いた。

だが、小さいにも限度がある。

例えばこんな自転車
http://www.a-bike.co.uk/store/home.php

A-BIKEというイギリス生まれの折りたたみ自転車だが、僕が知る限り、折りたたみサイズは世界最小と思う。
折りたたみ機構が秀逸でよくできた製品だが、走らない。
走らない、と言うと語弊があるか。
もちろん走るは走るが、遅い。坂も登れない。

この自転車は車径8インチ。
ペダル一漕ぎで進む距離は推定4m弱と、ママチャリよりかなり遅い。
ギアを2段階にすることでギア比を稼いでいるようだが、いかんせん車輪が小さ過ぎる。

車輪が小さすぎることは、遅いこと以外にも安全性の点で問題が出てくる。

・段差に弱い
・衝撃に弱い
・ハンドルがふらつきやすい(「クイック」という)
・左右不安定になりやすい

身長170cmの大人なら高さ50cmの障害物を簡単に乗り越えられるが、身長100cmの子供には大変。段差に弱いとはそういうこと。
車輪が小さいとタイヤの容積も小さい、すなわち中に入っている空気の量も少ないので衝撃がよりダイレクトに乗り手に伝わってしまう。
詳しい説明は省略するが、重心の高さや接地面積などの影響で、車輪が小さければ小さいほど安定性は損なわれる。

僕が乗るDAHONは車径20インチ、irukaは18インチを予定しているが、スピードも出て安全性も問題ない車径は16インチ以上だろう。

A-BIKEのように16インチよりも小さい「極小径車」にも、家から駅、駅からオフィス、工場内、倉庫内・・・など平坦で数百mの移動であれば利用場面はある。
それはそれですばらしいと思うが、irukaは乗り手の行動半径をもっと広げたいのだ。

次こそ、街乗りにおける小径車のメリットを書きます。

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ここ数日、気候も天気も良くて昼休みが長くなりがち。
東京タワーまで走ってみました。ってオレはおのぼりか。
表参道から東京タワーなんて自転車だとあっと言う間よ。


2008年10月9日木曜日

折りたたみ自転車は遅いのか?


街乗りにおける折りたたみ小径自転車のメリットについて書くつもりだが、その前に良い機会なので誤解を解いておこうと思う。

「折りたたみ自転車は、車輪が小さいから漕いでも漕いでも進まない」

自転車のスピード、すなわちペダル一漕ぎで何メートル進むかは、車輪の大きさとギア比で決まる。
ギア比とは、一回クランクを回したときに後輪が何回転するかのこと。

一般的なママチャリは車輪径26インチなのでタイヤ1周の長さは206cm、ギア比は2.3程度。
ペダル一漕ぎで進む距離は、206cm×2.3=4.7m となる。

僕が今乗っているDAHONは車径20インチで周長136cm、ギア比は9段変速のトップだと5.0だ。
同じく、ペダル一漕ぎで進む距離は、136cm×5.0=6.8m

6.8m?

そう、タイヤは5分の4弱の大きさなのに、一漕ぎで進む距離はママチャリの1.5倍。
一般的なクロスバイクは一漕ぎ7.0mジャストほど、ほぼ同等のスピードと言ってよい。

ポイントはギアだ。
僕のDAHONはシマノの「Capreo」という小径車専用ギアが使われている。
BD-1やブロンプトンなど他のハイエンド小径車も、小径車専用に開発された高いギア比のパーツを使っている。
だから、速い。

ところが、街で見かける折りたたみ車のほとんどは、ママチャリと同じく低ギア比だ。
なぜなら、その方が安いから。

ドンキなど量販店に行くと、驚くような安値で折りたたみ自転車が売られているが、まあ有り体に言ってしまえばほぼ全て粗悪品だ。
素材もパーツも安いから、遅く、重い。ヒンジが劣悪で折りたたむのも苦労する。
遅いから乗らない、乗らないから錆びる、ますます乗らない。重いし折りたたみにくいから、持ち運ぼうなどとも思わない。
こういった現実が表題のような誤解を生み、かつ「折りたたみ自転車を折りたたんでる人を見かけない」ということに結びついている。

残念なことだが、「悪貨が良貨を駆逐する」というとおり至極自然な流れではある。
良貨側、すなわちハイエンド製品の供給者は(特に日本では)今までのように「こんなの間違ってる」とブツブツ言ってるだけではダメだ。
イルカも早く供給者側として、行動を起こしたいと思います。

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写真は渋谷近くの神社。鳥居が好きなんだけど、前世は神主か。


2008年10月7日火曜日

なぜ折りたたみ小径車か その1


2回続けて、自転車がいかにすばらしい乗り物かを狂信的に(笑)書いた。
とはいえ、自転車にも弱点が、それもトレーニングを積んでいない普通の人々(僕もその一人)にとっては致命的な弱みになる点がある。

1. 長距離移動
2. 登り坂

どれほどの距離をもって長距離と呼ぶか、どれほどの勾配をもって登り坂と言うかは個人の主観によるが、まあ普通の人であれば、一日に50km走ったら相当疲れるし、1°か2°の勾配でも5分も漕ぎ続けるとかなりきつい。
自転車の動力源は人力なので、CO2は排出しないかわりに、持続力・最大出力とも機械には大きく劣る。
100km200km走るのは当たり前、山越え峠越え大歓迎という本格的な自転車乗りの人でなければ、やはり自転車だけで全ての移動をこなすのは無理だ。第一、舗装路以外の場所では走れないし。

であれば、都市部など比較的平坦な舗装路に網羅されたエリアでは自転車を、その間の移動は自動車や電車、ときには飛行機や船など他の交通機関を組み合わせて利用するのが合理的だ。

自転車を電車などで持ち運んで乗ることを「輪行」と言う。
僕はこれまで横浜、湘南、外房、長野、東北、しまなみ海道(中四国)などを輪行してきたが、やった人はわかると思うけど、本当に楽しい、すばらしい旅になりますよ。
旅、などと大げさに言わずとも、車のトランクに自転車を積んで日帰りでドライブに出かけるのでもいい。
行動範囲が広く、深くなる。

さあ、輪行したくなってきましたね?

ここで注意事項。
日本では、自転車は折りたたむか、さもなくば解体しないと電車には持ち込めない。
自動車には解体せずに乗せようと思えば乗せられるが、専用のキャリアが必要だし括り付ける作業も大変だ。
折りたたみ自転車なら一発クリアです。

・・・さあ、折りたたみ自転車がほしくなってきましたね?でもiruka発売までちょっと待って(笑)。

今回は持ち運びの観点で折りたたみであることのメリットを書いたが、そうはいっても輪行なんてイベントごと。日常は街乗りですね。
ところがこの折りたたみ小径車、街乗りでも思わぬ副産物がある。
それを次回。

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写真はノルウェーのとある駅だが、ホーム上に自転車があるのがわかるだろう。
ヨーロッパの多くの国では、自転車のまま乗り込める車両があったり、写真のようにホームまで自転車を乗り入れられたり、自転車と公共交通機関の親和性が非常に高い。
実にすばらしいが、ただ実際に目にしてみると、さすがに自転車のまま電車に乗るのは乗り降りが大変だったり座れなかったり、気楽なことではない。
やはりどの国でも、「常に自転車と共に行動するライフスタイル」には、折りたたみ自転車が最高のソリューションだと思う。


2008年10月6日月曜日

なぜ自転車か その2


前回、乗り物本来の価値である「望んだときいつでも、目的地に早く到達する」という観点において、都市部では自転車は最強の乗り物であると書いた。
では、地球環境の観点ではどうか。

容易に想像がつくとおり、自転車はやはり最強だ。

まず、エネルギー効率。
乗り物別の、自重1kgを1km移動するのに必要なエネルギー量は以下のとおり。

自転車+人0.15kcal
旅客機0.6kcal
0.75kcal
自家用車0.82kcal


ご覧のとおり、自転車の数値は圧倒的に高い。
自動車と比べると5倍以上の効率の良さだ。
電車はデータがとれなかったが、自転車と同程度と推定される。

もっとも、いくらエネルギー効率が悪くても、環境に負荷を与えないエネルギーを使うなら何の問題もない。
では次に環境負荷、ここでは二酸化炭素排出量を見てみる。
以下は、人間一人を1km運ぶのに排出するCO2排出量の比較。

自転車0g
電車19g
バス53g
バイク93g
旅客機111g
自家用車175g


人力を動力源とする自転車は、当然ながらCO2を排出しない。
電車と自転車はエネルギー効率では同等だが、CO2抑制の点では自転車に軍配が上がるわけだ。
それでも電車は自動車の10分の1近い数値で、ここでも自動車の非効率さが一目瞭然である。
メーカー各社はハイブリッド車に注力すると打ち出しているが、CO2排出量はガソリン車より2-3割小さくなるだけだ。言い方は悪いが焼け石に水だろう。

もうこれ以上、自動車中心の社会を続けるのは不合理だ。というか無理だ。
石油だっていつか枯渇する。
自動車製造業は日本の国家産業というべき存在だからなかなか表に出てこないが、コンパクトシティ化(都市をコンパクトにして職住近接にし、都心への自動車の乗り入れを制限するかわりに自転車と電車・バスのインフラを強化する政策→別の機会に詳しく書きます)の流れは必然であり必須だと思う。

・・・環境政策と都市政策に話が拡散しそうになったが、それはまたの機会に書くとして、やはり自転車はエコの観点でも最強の乗り物なのだ。

さて、読み返してみるとまたも自転車fanaticぽい文章展開になっているが、僕だって自転車の弱点はわかっていて、自動車もなくせないことは理解しています。
次回は自転車の弱みを検証しつつ、なぜイルカは小径折りたたみ車を作るのか、の巻。

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写真はドイツのネッカー川沿いにあった菜の花畑。ヨーロッパは自転車インフラが充実している。


2008年10月5日日曜日

なぜ自転車か その1


これから何回か、irukaのBig Pictureについて書いてみたいと思います。
今日はまず、なぜ自転車か、について。

いきなり書くと唐突かもしれないが(笑)自転車は理想的な乗り物である。
特に「比較的平坦な舗装路に網羅された十数km四方の区域」という条件においては、最強の乗り物だ。

「比較的平坦な舗装路に網羅された十数km四方の区域」の代表は、都市部だ。
「最強」とは「望んだときいつでも、目的地に早く(速くではない)到達すること」において、だ。
これは乗り物に求められる最も本質的な価値だろう。

自動車と自転車どちらが早く目的に着くかという競争をテレビなどで見かけるが、都内の10km程度の移動であればほぼ例外なく自転車が勝つ。
電車と比べても、僕のこれまでの自転車通勤は3パターン全ての経路で電車より早い。
つまり自転車は、都市部でもっとも早い乗り物である、といえる。

自動車と比べると渋滞の影響がないこと、一方通行や進入禁止などの規制がなくほぼ全ての道を走れることが、電車やバスと比べるとドアtoドアで移動できること、時刻表などなくいつでも移動できること、乗り換えなどなくノンストップで移動できることがその要因だろう。

これって「自由」ということじゃん。
自転車は、自由だ。
だから速く早いのだ。

ちなみに、街中での自転車の平均的な速度は信号待ちなども考慮すると時速12kmほどだが、東京駅を中心とした12kmの地点は東が亀戸・大島あたり、西が永福町・下高井戸あたり。
東京のような大都市でも、都心はもちろん周辺部まで、自転車で無理なくほぼ全域をカバーできる。

そんな乗り物が、免許不要、燃料も不要、維持コストほぼゼロで乗れてしまう。
自動車のように持ってるだけで月10万円近くものお金はかからないし、免許をとるために学校に通って練習する必要もない。
自転車は乗り手を選ばない。
ここにおいてもまた、自転車は自由なのだ。

以上、瞳孔開きっぱ目キラキラみたいな、ちょーーっと狂信的にとられるかもしれないけど(笑)、僕の正直な思いだし合理的な考えであると思う。
次回は自転車と地球環境について書くつもりだけど、エコが絡むとさらにfanaticに見えそうなので注意します。
ただもちろん自転車にもいくつか決定的な弱点があって、その点も、その解決策も追って書いていこうと思います。

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まあ青筋立てて理屈言わなくても「自転車は楽しい、だから乗る」が広がるのが一番いいんだけどね。
写真は自転車通勤途中、青山の絵画館。走って、気が向いたら止まって、また走って、それが自転車。


2008年10月3日金曜日

Big Picture


次の台湾出張でうまく話が進めば、irukaはデザインから製造へ、第二フェーズに入る。
いわば二次元から三次元にステージが上がるわけで、当たり前だけど、まーー思い通りにいかないだろうな。
軸がブレないよう、良い機会なので改めてBig Pictureを書いておこうと思う。

僕の名刺の裏には、こう書いてある。

事業内容
小径折りたたみ自転車「iruka」の製造販売

ミッション
自転車で人と地球をよりハッピーにすること

ビジョン
ベンツに乗れる人が好んで自転車に乗る社会は、今とはきっと少し違う

実現の手段
「常に自転車と共に行動するライフスタイル」を広める


なぜ自転車なのか、なぜ小径折りたたみなのか、irukaはどんなポジションを狙うのか、など何回かに分けて書いてみたいと思います。

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古巣オプトでも、10月はそこかしこで新章突入の様子。
親しかった後輩が何人か、提携第二陣として電通に出向したり、起業や転職で卒業したり。新卒から直属だった部下が異動したり。
皆それぞれ新しいチャレンジを楽しんでくれれば、と思う。
写真はまったく関係ないけど自転車通勤途中の風景、神宮球場。


2008年10月2日木曜日

上海より帰還


上海から帰国しました。

「つけるか否か迷っている」とこれまで何回か書いてきた「ある機能」の部品メーカーとの打ち合わせだったが、結論が出た。

「ある機能」とは電動アシスト機能。

現時点の結論は以下のとおり:
①2009年に電動アシストなし版irukaを発売し、市場デビューする
②2010年を目処に電動アシスト付き版を出す

既製の電動アシストユニットはどれも重く大きく、そのまま搭載したらirukaの特色(になるはずの)持ち運びやすさを損なってしまう。
従って、つけるならばiruka専用に小型かつ軽量なユニット(モーター、バッテリー、センサー、コントローラ)を開発しなければならないが、今回お会いした上海の会社(名古屋で会った日本企業の現地子会社)が、iruka用のモーターを試作してくれることになった。

電動アシスト機能自体が僕の周囲でも賛否両論。ブログを読んでいただいている方も賛否両論と思う。
ここに至った背景や経緯は改めて書きます。

さて、とにかく、僕の中では非常に、もう本当にすっきりしました。
ということで次は、今月中旬の台湾出張でiruka本体の製造パートナーを見つけてきます。

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上海、圧倒されました。
無節操・無調和な都市開発、パチモンの嵐(一番大きな目抜き通り沿いの店で偽iPodが売られてたりする)など、まったくもって好きにはなれないが、地球上で今もっとも勢いのある街の一つであることは認めざるをえない。
共産党の国なのに街は完全に資本主義で動いている。一体どうやって国が運営されてるんだろう?素朴な疑問。
共産主義ぽかったのは、写真の、街角で見かけたポスターだけ。