2011年11月8日火曜日

関税ますます逝ってよし


EUは中国からの輸入自転車に対して、実に48.5%という高い関税を課している。

1993年には税率30.5%だったのが、2000年に34.5%、2005年に48.5%と段階的に引き上げられてきた。
税率を上げているということは、中国からの輸入は減っていない、ということだろう。

確かに、製造原価1万円の自転車に48.5%の関税が課されても、トータル原価は14,850円。
ローエンド自転車であれば、税率が高くても元値が安いので価格競争力は十分にある。

しかし、元値が高いハイエンド自転車に対する影響は大きいのではないか。
irukaの量産を進めようとしている中国メーカーY社で尋ねてみた。

Y社は、台湾メーカーM社の中国子会社である。
台湾からの輸入自転車に対するEUの関税はゼロだ。
そこで、Y社は中国であらかた作った自転車をいったん台湾に送り、台湾で最終の組み立てを行なってEUに輸出することで関税を回避しているという。
他の多くの中国メーカーも同様の手を使っており、僕もiruka輸出時は同じ手段をとらねばならない。

関税のせいで、本来不要であるはずのエネルギーが消費され、その分の温室効果ガスが排出されているわけだ。
そしてそのコストを最終的に負担しているのはEU市民だ。
なんたる無駄。非効率。不合理。

僕はヨーロッパが大好きで、iruka発売後は営業活動を兼ねてヨーロッパに生活拠点を築きたいと思っているほどだが、こういうEUの保護主義的な面は本当にいただけない。

というわけで関税ますます逝ってよし。リディキュラス。

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政治的には中国は台湾と常に緊張状態にあるのに、台湾資本の中国法人は非常に多い。
経済発展最優先という中国政府のあけすけのなさが、潔くて好きです。

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TPP? 交渉参加に決まってるでしょ。以上。

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写真は朝の野球グラウンド。有栖川公園。



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