2014年11月17日月曜日

僕が+1 LANE PROJECTを始めたただひとつの理由


理事を務めるNPO自活研の活動として「+1 LANE PROJECT」というキャンペーンを始めました。

僕は企画制作運営&スポンサーとしてフルコミットしています。

今年のはじめに、都知事選の候補者に東京の自転車環境改善を公約として求めるオンライン署名キャンペーン「新都知事とつくろう、TOKYO自転車シティ」をやりまして(その経緯:メイキング途中経過フィナーレ)、まあ、その続編です。

その名のとおり「都心全域と五輪施設を網羅する自転車レーンネットワークをつくろう」と訴えていますが、詳しくはサイトをご覧いただくとして、この場ではなんで僕がこんなことをしてるのかを書いておこうと思います。

誤解を恐れず言いますね。

東京を、僕にとってより住みやすい、僕がよりイケてると思える街にするためです。

ちなみに僕は、シリアスなサイクリストではありません。
持っているのは折りたたみ車2台だけ(それが高じて折りたたみ自転車メーカーを始めてしまいましたが)、ロードの類は持ってません。
レースに出たこともありませんし、ブルベやグループライドなどのイベントも正直言ってあまり興味ありません。
サイクルジャージもレーパンも持ってないし、着たこともありません。これからもたぶん着ないでしょう。
ヘルメットもあまりかぶりません(ほめられることではないのは承知しています)。

ただ、ほぼ毎日、都内で自転車に乗っています。
自転車で目白の自宅から神宮前のオフィスに通い、自転車で仕事のアポイントに/買い物に/テニスに/コンサートに出かけています。

それをもっと快適にしたい、楽しくしたい、安全にしたい。

「50年後に東京全域に世界最先端の100%安全快適なすっごい自転車レーン網ができます」と言われても、それはそれですばらしいことですが、僕には意味ありません。たぶん死んでるから。
他人のため「だけ」に行動するほど、僕は人間ができていないのです。

生きてる間に、元気なうちに、完璧じゃなくてもいいから、少しずつでもいいから、自分が住む東京を変えたいのです。僕が快適に、楽しく、安全になるように。そして他の国や他の街の人に「東京イケてるよ、最高だよ」と言えるように。

でも同時にそれは、僕だけでなく、全ての人にとって良い結果をもたらすはずだということを、強く、それはもう強く信じてます。

自転車が歩道に追いやられない街は、歩行者が歩道を安心して歩ける街です。

自転車がクルマと道を無理なくシェアできる街は、クルマ側にもストレスがなく、事故の当事者になるリスクが低い街です。

自転車でどこへでもたどり着ける街は、地震などの災害で公共交通機関がストップしても移動手段がある街です(311時の僕の体験)。
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いや、他にもいくらでも例を挙げられますが、これくらいにしておきますね。

というわけで、+1 LANE PROJECT、長期戦で取り組んでいきますので、よろしくお願いします。
あ、irukaもね。

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+1 LANE PROJECT、立ち上がりは至極順調です。この場を借りてみなさんに御礼申し上げます。

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その一環というか、並行して、三菱総研が「オリンピック後の未来に活かせるレガシー資産をつくろう」というコンセプトの元で主宰している「レガシー共創協議会」というコンソーシアムに参加しています。
東京の自転車走行空間ネットワーク化事業を提唱して、40ほどある国と都に対する事業提案のひとつに採択された他、11/27のレガシーフォーラムというイベントで代表5組の一人としてプレゼンすることになりました。
定員1121席が満席間近とのこと、もし応援に来てくださるという方がいらっしゃいましたら、早めにお申込を!

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冒頭の写真は10月に行ったドブロブニク。毎度のことながら本文とは関係なし。



2014年10月17日金曜日

歩道の中心でアンゼンを叫んだけもの


最近、犬を飼い始めたんですよ。
メスの豆柴で、現在7ヶ月。
春の生まれで、小さく可憐なことから「すみれ」と名づけました。

死ぬほどかわいいです。死なないけど。


そして今、強く思っていることがあります。

自転車は歩道を走らないでほしい。

自転車は歩道を走らないでほしい。

大事なことなので2回言いました。

通るのはいいんです。
ただ、走らないでほしい。ちゃんと徐行するか、押し歩きしてほしい。

通るのはいいんです。
ただ、走らないでほしい。ちゃんと徐行するか、押し歩きしてほしい。

これも大事なことなので2回言いました。

僕はこれまで、子どもがいないこともあってか、歩道を走る自転車の怖さをそこまで切実に感じていなかったように思います。
なんだけど、犬を連れて散歩するようになってから、とてもリアルに、痛切に感じるようになりました。歩道を爆走する自転車、怖いです。マジでやめてほしい。

たかが犬のために人間に不便を強いるのか?と言いたい人もいるでしょう。

では子どもは?お年寄りは?障がい者は?

自転車は歩道と車道どちらが安全かという議論があります。
自分の実体験と事故率のデータから、僕は車道の方が「歩道よりも相対的に/多くの人が思っているよりも」安全であると思っていますが、車道の方が危ないという主張があることも理解はしています。

しかし、もし車道の方が危険だったとしても、それは「歩道を走ってよい理由」にはなりません。

歩行者と自転車、どちらが交通弱者でしょうか。
歩行者ですよね。
だから歩道は歩行者が優先。
自転車が通るなら、歩行者を脅かさないよう、徐行か押し歩きで。
シンプルな話です。

ただ、現状多くの自転車が歩道を走っている根本的な原因は、これだけ日常生活で自転車が使われ、さらにより一層の活用が求められる日本において、自転車のための走行空間がほとんどないことです。

というわけで、都知事選時のキャンペーンでも訴えましたが、東京の自転車走行空間整備を促すキャンペーンを、11月にスタートします。続報を待て。

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冒頭の写真は友人の娘さんとすみれ。かわいい対決ファイッ


2014年10月14日火曜日

ザグレブ自転車事情


9/30から10/9まで、両親を連れてクロアチアに行ってました。
クロアチア、3ヶ月ぶり今年二度目。どんだけw

首都ザグレブの様子。

ヨーロッパお約束の小規模分散型駐輪スペース。
街の至るところに金属製の駐輪ラックがあります。




駅前の大規模集中型もいいけど、小規模分散型の駐輪スペースが必要だよね。というのが僕の主張
日本にもほしいなあ。

さすがヨーロッパ、ザグレブも自転車先進都市か、というとそんなことはない。

歩道を爆走する自転車。


また爆走。


結構な人混みの中も。


まるで日本です。
それもそのはず。必殺の自歩道。


自転車レーン・自転車道は見かけませんでした。

6月に行ったチェコもそうでしたが、西欧に比べて、東欧は全般的に自転車環境が遅れています。

思うに、自転車環境の充実度は、その国の豊かさと相関がありそうです。
豊かさ、と言っても、経済的な豊かさだけではなく、物心ともに国全体が豊かになって初めて自転車の価値が見直されるのかなと。

クロアチアは民主化・独立・内戦終結からまだ20年足らず。
人々の関心も、おカネも、大半が戦争からの復興に振り向けられていたのでしょう。
クロアチアの自転車環境が充実するには、まだ少し時間がかかるのかもしれません。

ちなみにドイツの一人あたりGDPを100とすると、デンマークは132、オランダが106、チェコは42、クロアチアは32、そして日本は85。

日本は・・・高度成長で経済的な豊かさは一旦手にしたものの、物心両面の豊かさを手に入れる前にバブル崩壊を迎えてしまったのだと思います。

バブル崩壊がもう少しソフトランディングだったら、ていうかそもそもバブルがあそこまで大きくなっていなければ、色々なことが今とは違ったように思うのですが、まあ過ぎたことはしょうがない。
これからどうするか、ですね。
というわけで、東京の自転車環境整備のためのキャンペーン続編を企画中です。カミングスーン。

最後にオマケ。ザグレブのゴミ収集自転車。素敵。


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冒頭の写真はクロアチアの世界自然遺産、プリトヴィツェ湖群国立公園にて。
ここは死んでも行くべき。


2014年7月16日水曜日

日本代表がブラジルワールドカップで惨敗した身も蓋もない決定的理由

ブラジルワールドカップで惨敗したてんで、サッカー日本代表が叩かれてますね。
やれ戦術がダメだ、監督が悪い、根性がない、意識の問題だ、文化のせいだ、などなどなどなどなど。

ホントですかね。

というのは、僕、6月後半にヨーロッパに行ってたんですよ。
んで、僕は時差に弱くて、旅行中と帰国してからしばらく、つまりワールドカップ期間中、ずーっと時差ボケがつらくてつらくてしょうがなかったわけ。
一日中眠くて、ボーっとして、集中力がなくて、注意力散漫で、かったるい。

ブラジルなんて日本から見たら地球の真裏、もう時差ボケMAXじゃないですか。
どんなに優秀なアスリートでも、時差ボケになるのは僕と同じじゃないの?
前もって現地入りして時差ボケ解消したと思っても、実は長いこと影響あるんじゃないの?
であれば、日本みたいにブラジルと時差が大きい国は不利なんじゃないの?
と思ったのです。

ので、調べてみた。

2014ブラジルワールドカップ出場32ヶ国の開催国ブラジルとの時差(横軸)と、勝ち点(縦軸)をプロットしてみました。

時差は、その国の首都とブラジルの首都ブラジリアの経度差から出してます。
例えば、東京は東経139度、ブラジリアは西経47度なので、時差は12時間✕経度差174/180=11.6時間。

勝ち点は、決勝トーナメントと3位決定戦で点差を付けて勝ったら3点、同PK戦は引き分けとみなして両チームに1点として、グループリーグの勝ち点に足しました。
例えば、準優勝のアルゼンチンはグループリーグの勝ち点が9点+決勝トーナメントでは点差をつけて2回・PK戦で1回勝っているので勝ち点7点=計16点、という具合です。

それがこちら。
なんか相関があるような?

右下隅の赤い点が日本です。
全ての出場国中、もっとも遠くから(もっとも大きな時差を越えて)来た国なんですね。

こうなると前回が気になります。
2010年の南アフリカ大会もプロットしてみる。
横軸はヨハネスブルグと各国首都の時差。
2006年のドイツ大会がこれ。
3大会分を重ねてみる。
・・・右斜め上のスペースがポッカリ空いてますね。
3大会分の、時差別の平均勝ち点。
・・・相関あるよね?

もちろんこれだけでは因果関係があるかまではわからないけど、少なくとも「直近3回のワールドカップで開催国と大きな時差がありながら活躍した国はない」のは事実と言っていいでしょう。

言い換えると、時差ボケを克服するという観点で「日本代表は根性がない」と言うのであれば、「直近3回のワールドカップでは根性があった国はひとつもない」ということです

ていうか、時差が6時間以上あった状態で最高の成績を上げているのは、2010年の日本代表なんですよね。根性あるじゃん。
次回2018年はロシア開催、東京とモスクワとの時差は6.8時間。
ブラジルよりはマシですが、楽ではない感じです。

なんかいつもワールドカップに行く前に、ヨーロッパ組の選手までわざわざ呼び戻して、日本で壮行試合みたいのやるじゃないですか。
あれ全部やめちゃって、その分早くロシアに行っちゃう、ヨーロッパ組は日本に戻らずロシア直行、とかにしたらどうなるでしょうか。
興味ありませんか。

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僕は統計もサッカーも全く詳しくないので悪しからず。詳しい人いたらもっとちゃんと分析してみてほしい。
勝敗データを揃えるだけならウィキペディアからエクセルにコピペして整えるだけだから30分かかりません。

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冒頭の写真はクロアチア、プリトヴィッツェ湖群公園。ザグレブ滞在中にクロアチアとメキシコの試合があって、パブリックビューイングとかで前半めっちゃ盛り上がってたんだけど、後半は0-3になってお通夜状態だったw


2014年6月12日木曜日

台湾フォト日記〜ごはん編

前回に続いて写真で台湾出張振り返り。今日はごはん編。

鶏の足の煮込み。The コラーゲン。

10年以上漬けてあるという大根の古漬けや干し貝柱などを煮込んだスープ。激しく美味。もしやこれがあの仏跳牆か?!

夜市で食べたバーワン(肉圓)。

同 酸辣湯。

同 うどんみたいなスープ米麺。

同 かき氷。氷の下に白玉団子やあずきなど具材がどっさり。日本のより氷片が大きい。

夜市の店の様子。

鶏鍋。台湾人コーディネータMagumらが今年日本に来たときに連れて行った新宿の水炊き玄海のアンサーソングか。

その鶏鍋屋にて、同行デザイナー角南さん、Magum、その弟のFrankと。

ホテルの朝食で永谷園のお茶漬けが。久々に、しかも異国の地で食べるとしみじみうまい。

カラスミを買って帰ってきました。主にパスタで食べる。

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冒頭の写真は道教のお寺にて。顔赤すぎ。


2014年6月10日火曜日

台湾フォト日記〜お仕事編

台湾でのiruka量産を再検討すべく、先週五日間台湾に行ってました。
その狙い、中国と台湾の違い、今回の首尾など詳しくは別途書きますが、まずは写真で振り返り。

到着初日、桃園空港から台北をスルーして台中に移動、台湾新幹線の線路近く、その名も「新幹線花園ホテル」に投宿。

二日目、まずはiruka試作4.1の強度解析結果を聞きに、自転車の製造技術開発支援を行う財団法人を訪問。
台湾が国を上げて自転車産業に取り組んでいることがよくわかる。日本にはこんな機関ないよ(遠い目)。

結果は概ねOK。
若干心配な箇所が見つかったので次の設計にフィードバック。

続いて鍛造工場へ。 ちょっとした一戸建てくらいの大きさの鍛造マシンが所狭しと立ち並ぶ。

金型を研磨するスタッフのみなさん。

三日目、フレーム工場を訪問。
日本の某ハイエンド小径車ブランドのフレーム製造も請け負っている先。

治具を使って溶接後の歪みを取るの図。

フレーム工場社長が「パイプはあの工場のを使うのがよさそうだわ」てんで、付き合いのあるパイプ工場へ社長の先導で移動。

台湾の自転車業界はコミュニティ色が強い。社長同士が電話で「今から行くわ。いる?」という感じで連絡を取り合う。

続いてアセンブル(組立)工場へ。
作業場端っこの打ち合わせスペースがオープンテラスみたいでいい感じ。

工場の敷地でiruka4.1に乗るワシ(ぼかしてます)。田んぼの真ん中に佇む風情ある工場でした。サドルが低かったな。

四日目&五日目、台湾人コーディネータMagumのオフィスで打ち合わせ。
その執務席。ヴェリイチャイニーズでウケた。レッド&ゴールド。
「仕事しにくくない?」と聞くと「木彫の椅子は座り心地悪いわ重くて動かしづらいわでめっちゃ仕事しにくい」とのこと。変えろよw
文化の違いって面白いよね。

後半、台湾フォト日記〜ごはん編に続く。

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冒頭の写真は台中のかき氷屋さんにて。


2014年5月29日木曜日

iruka 4.1、そして台湾再び

前回までのあらすじ:
4月上旬、中国で作っていたiruka試作第四弾が到着。いじってみた結果&強度解析の結果、フロントフォークの機構をもう一案作って試すことに。

そして今回は:
フロントフォークの新機構、日本で作りました。
んで届いた。


中国に比べたらコストははるかに高いけど、さすがのジャパンクオリティ!
仕上がりの美しさ、精度、完成に至るまでの意思疎通の細やかさ、全てレベルが違う。
値段は高いけど良い、良いけど高い。うーん。日本のものづくりのジレンマです。

設計上の課題はほぼほぼ解決できた感じなので、次のステップへ。

次回のあらすじ:
新フロントフォークに付け替えたiruka 4.1を持って、来週台湾に行きます。
当初irukaは台湾で量産するつもりだったけど、最初に頼った紹介者が上海出身で上海周辺の工場にネットワークがあったこと、台湾よりもコストが安かったことから、試作第四弾までは中国の工場で進めてきたという経緯がある。
なんだけど、最近中国(特に沿岸部)の人件費が上がって台湾と大差なくなってきたのと、台湾人コーディネータが台中で良さげな工場を見つけてきてくれたので、台湾での生産を再び検討してみようかと。

通うなら中国より台湾の方がいい。
台南で波乗りもできるしさ。

というわけでちょっと行ってきます。カラスミ切れてるから買ってこよ。

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冒頭の写真は上野公園にて。何の木かは知らん。植物名に疎い。