街乗りにおける折りたたみ小径自転車のメリットについて書くつもりだが、その前に良い機会なので誤解を解いておこうと思う。
「折りたたみ自転車は、車輪が小さいから漕いでも漕いでも進まない」
自転車のスピード、すなわちペダル一漕ぎで何メートル進むかは、車輪の大きさとギア比で決まる。
ギア比とは、一回クランクを回したときに後輪が何回転するかのこと。
一般的なママチャリは車輪径26インチなのでタイヤ1周の長さは206cm、ギア比は2.3程度。
ペダル一漕ぎで進む距離は、206cm×2.3=4.7m となる。
僕が今乗っているDAHONは車径20インチで周長136cm、ギア比は9段変速のトップだと5.0だ。
同じく、ペダル一漕ぎで進む距離は、136cm×5.0=6.8m
6.8m?
そう、タイヤは5分の4弱の大きさなのに、一漕ぎで進む距離はママチャリの1.5倍。
一般的なクロスバイクは一漕ぎ7.0mジャストほど、ほぼ同等のスピードと言ってよい。
ポイントはギアだ。
僕のDAHONはシマノの「Capreo」という小径車専用ギアが使われている。
BD-1やブロンプトンなど他のハイエンド小径車も、小径車専用に開発された高いギア比のパーツを使っている。
だから、速い。
ところが、街で見かける折りたたみ車のほとんどは、ママチャリと同じく低ギア比だ。
なぜなら、その方が安いから。
ドンキなど量販店に行くと、驚くような安値で折りたたみ自転車が売られているが、まあ有り体に言ってしまえばほぼ全て粗悪品だ。
素材もパーツも安いから、遅く、重い。ヒンジが劣悪で折りたたむのも苦労する。
遅いから乗らない、乗らないから錆びる、ますます乗らない。重いし折りたたみにくいから、持ち運ぼうなどとも思わない。
こういった現実が表題のような誤解を生み、かつ「折りたたみ自転車を折りたたんでる人を見かけない」ということに結びついている。
残念なことだが、「悪貨が良貨を駆逐する」というとおり至極自然な流れではある。
良貨側、すなわちハイエンド製品の供給者は(特に日本では)今までのように「こんなの間違ってる」とブツブツ言ってるだけではダメだ。
イルカも早く供給者側として、行動を起こしたいと思います。
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写真は渋谷近くの神社。鳥居が好きなんだけど、前世は神主か。
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